国際決済銀行(BIS:Bank for International Settlements)とは、世界各国の中央銀行の中央銀行といわれて、世界に君臨する、実は民間銀行なのである。
それぞれの国には、中央銀行があって、その国内の銀行の決済を仲介している。
たとえば、わたしたちが他行あて送金をするときには、かならず「日銀システム」を通じて決済されているのだ。
自行の支店間でのやり取りなら、自行システムで決済するけど、相手が他行ともなれば、そうはいかない。
それで、自行から他行のシステムにアクセスして、直接送金しているかのように思っているけど、そうではないのだ。
自行から日銀システムにつなげて、国内全部の銀行がもつ「日銀口座」のなかで「振替」ているのである。
もっといえば、送金元の自行の日銀口座の残高が減って、送金先の他行の日銀口座の残高を増やしている。
これが、「送金」の仕組みなのだ。
もし本当に「現金で送金」するなら、街中の道路は現金輸送車だらけになっても不思議ではない。
なので、日本から「国際間」の銀行送金をするときには、日銀からBISのシステムにつなげて、世界の中央銀行が持っている「BIS口座」に「振替」て決済しているのである。
それで、国際決済銀行というのだ。
この銀行の本店は、スイスのバーゼルにある。
国際金融の中心は、相変わらずスイスにあるのだ。
しかし、この銀行は、各国の中央銀行がそうであるように、やっぱり「民間企業」なのである。
だから、「利益」がないといけない。
それがまた、実に「強欲」だからびっくりしてしまうのである。
第一の闇は、トップならぬ一般職員採用の闇だ。
なんと、この銀行の行員には、「無税特権」がついている。
すなわち、外交官が無税になるのと同じなのである。
ちなみに、わが国に赴任してきた各国外交官は、消費税だって無税だ。
どこで、どういった条件で採用しているのか?
日本の大学生で、金融機関に就職希望するなら、まずはBIS、次に日銀、それから、メガバンク、あるいは外資という「常識」でないといけないのではないか?
でも、BIS職員になるための情報がなさすぎる。
戦前・戦中という時代に戻ると、列強のなかの一国だったわが国は、BIS設立にも参加していて、「資本金」も出資している。
出資したのは、日本銀行と横浜正金銀行であった。
なお、横浜正金銀行とは、外国為替を専門に扱う銀行で、後に「東京銀行」となるから、「横浜銀行」とは系統がちがう。
さて、いまでも日本銀行は民間企業だけれども、BISへの出資をしたので、経営陣に日本人も参画し、さらに職員にも日本人は採用されていた。
そのほとんどが、日銀と横浜正金銀行からの「出向」だったのである。
では、なぜに設立されたのか?にさかのぼると、なんと、ベルサイユ条約の履行が最初の目的なのであった。
すなわち、第一次世界大戦での敗者となったドイツからの、巨額な「賠償金」を回収するための銀行だった。
それで、わが国も「連合国側」の「勝者」だったから、この銀行の設立にかかわったのである。
当時のドイツ軍が駐屯していた、青島を連合軍として攻略したのがわが国で、「濡れ手に粟」の勝ち組になったといわれている。
しかし、「青島攻略作戦」は、わが国で最初にして最後の「物量戦」で、驚くほどの機材と工兵をもって、陣地の工事を敢行し最新鋭の長距離射程を誇る大砲を固定するぶ厚いコンクリートの上に設置した。
これで、敵軍「背後」からの一斉射撃で双方とも兵を交えることなく撃滅したのだが、費用対効果ではまったくもって「濡れ手に粟」どころではなく、この後一貫して物量戦を「やらない戦法」の開発に躍起となって、第二次大戦で敗戦となった。
すなわち、わが国の敗戦理由の一つに、この青島での「割に合わない」物量消耗戦があったのだ。
ちなみに、ドイツ人が愛してやまない「ビール」を製造するために、青島にもビール工場を建てていた。
これが、「戦後」に、日本のビール会社が運営し、さらには「青島ビール」になったのだった。
興味深いことに、根が真面目で律儀なドイツ人は、おそろしく巨額の賠償金の返済にあえいだのだが、当初の完済時期は、1989年だったのである。
これがもとで、ナチス政権になったけど、なんとナチスは踏み倒すどころか、一度も「遅延」すらさせずに返済に勤しんでいた。
さらに、連合国側も、あるいは枢軸国側になるわが国も、BISの運営においてナチスの幹部も理事として招聘し、あろうことかドイツ軍の軍備増強にあてる資金の融資もしていたのである。
これは一体どうしたことか?
その理由は単純で、ドイツが返済できなくなると、BISも倒産しかねないからであった。
なぜなら、BISの利益の半分以上が、ドイツからの賠償金入金であったからだ。
ということは?
この「銀行」の経営者たちには、どんな倫理観があったのかを問えば、「利益至上」という結論になる。
しかして、この「銀行」の経営者たちとは、各国中央銀行のトップなのである。
だから、各国中央銀行は、自らの利益をもって倫理とする「拝金主義」を是とすることになる。
すると、世界は拝金主義が正義なのだ、という武士の血を引く日本人にはがっかりする結論となるのだ。
そこで、日本人が抱く、「カネ以外の価値にこそ本当の価値がある」というのは、美しいが拝金主義の絶対多数の中では、かえって危険な発想である。
そこで二つの「対応策」がとられてきたと考えられる。
1. 日本人をコントロール下に置くには、その「カネ以外の価値」を重視させて、貧乏生活の理由とさせれば、永遠に奴隷化できる。
2. 日本人を日本人によって支配させるために、支配層には「拝金主義」をたたき込む。
なるほど、これが腹黒い欧米人の作戦だった。
1は順手の合気道、2は逆手の柔術とすれば、欧米人の腹黒さの「濃さ」と「深さ」もわかる。
さてそれで、「日本人」はどうする?