SONY高級イヤホンの残念

ノイズキャンセリング機能の、「BOSE」有線イヤホンを持っているけど、スマホに無線接続のためのレシーバーが劣化してしまった。

そこで、新しいレシーバーを購入するか、それとも無線イヤホンにするかという、相変わらずの困難な選択になった。
別にオーディオ・マニアを自負しているわけでもなく、音へのこだわりはあんまりない。
ただ、ノイズキャンセリングの凄さと便利さが、悩ましい選択になっているのである。

この手の選択で、こだわりのあるひとは、いろいろ「検索」して、「研究」するのだろうけど、なんだか面倒なお年頃になってしまった。
それこそ、中学・高校のころは、マニアックなそれでいて「オタク」ではない友人がいて、両親の豊な財力でもって凄まじい研究と購入体験をしていて、圧倒されたものである。

その後、彼は、公共放送のエンジニアになったから、好きこそものの上手がそのまま「天職」になった。

わが家ではそんな「贅沢」は許されず、ましてや「和室」に置くステレオだから、はなからこだわることには無駄があった。
それでも、「ソノシート」をかけていた、「ポータブル・レコード・プレイヤー」とはレベルがちがう。
そんなこんなの時代に、『ウォークマン』が新発売されたのである。
これによって、「ダブル・ラジカセ」が大人気になった。

レコードから録音したカセットテープを音源に、ふだん遣いのカセットをもう一本作っておきたいからであるし、深夜ラジオをタイマー録音していたのである。
このときの「タイマー」とは、「電源タイマー」のことで、なんとも原始的なことをしていたものだ。
それと同時に、ヘッドホンが必需品になったのは、和室で大音量では家族の迷惑という事情があった。

「CD」が登場したのは、わたしが大学生のころで、CDプレイヤーが高額だったから、LPレコードがまだ主流ではあった。
もはや「CD」すら、よほどのファンでないと買わない時代になったのは、本当に隔世の感がある。

さて、ノイズキャンセリングの便利さは、特に飛行機の機内で実感できたものだ。
10時間を超えるような、長距離の国際線ともなれば、自前のお気に入りヘッドホンを機内で使うことが流行った。
座席のイヤホン・ジャックが、それまでの「特殊形状」でなくなったことが大きい。

別に音楽を聞いていなくとも、ノイズキャンセリング機能をONにすれば、エンジン音の騒音が消えて「静寂」になるのである。
ただし、この機能のために、イヤホンには給電が必要なので、「電池」の大きさから「有線方式」になっていた。
それが昨今の技術で、無線イヤホンでも給電が可能になったから、一気に需要が高まってきたのだろう。

とはいえ、ジェット機の騒音を消し去る実力で、歩行中や自転車での利用は危険だ。
近づいてくる自動車などに気づくのが遅れれば、当然に事故につながる。
高校生が、両耳にイヤホンをつけて加害者となった自転車接触死亡事故では、被害者家族へ億円単位の賠償命令が出ている。

こうした事例を、学校で教えないのかどうか知らないけれど、両耳イヤホンの自転車をよく見かける。

だから、所有している有線のイヤホンの機能を歩きながら使うことはできない。
ところが、最新作は、スマホのGPSと連携して、道路を歩いているならノイズキャンセリング機能を自動的に落とすのだ。

また、自分の声に反応させて、設定した時間内は音楽演奏を停止させるだけでなく、外部の音も取り込むようになっている。
ちょっとした買い物での、店員さんとの会話に支障がないので、その都度装着し直すこともない。

何よりも驚くのは、その音質の良さだ。
しかも、「3D」での再現を可能にしたという「売り」もある。
サンプルを聴けば、「臨場感」が、まるで劇場にいるようだ。

けれども、そうした方式での「コンテンツ」が、驚くほど「少ない」のである。
なんだか「4K」とか「8K」のテレビに似ている。

あたかも、有料のサービスに加入しないといけないようにできているけど、聞きたいものがない。
3ヶ月とか4ヶ月間「無料」ということだけが「救い」なのだ。

もちろん、これからどんどんコンテンツを増やします、ということだろうけど、どうなの?というのが率直な感想だ。

クラッシックファンのわたしとしては、今は亡き「巨匠」たちの名盤をなんとかしてほしい。
あるいは、昔買ったCDを、3D化するコンバーター的機器、もしくはソフトを作ってはくれないものか。
もうあるのかもしれないけど、やっぱりなんだか調べるのが面倒なお年頃になってしまった。
過去の膨大な「遺産」を活かす、という戦略をお願いしますよ「SONY」さん!

そんなわけで、無線接続のためのレシーバーも新規購入した。
3000円だった。

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