「オバマ・ゲート」の報道

アメリカでいま大騒ぎなのは、伝染病のことよりも「オバマ・ゲート」になっているそうな。

「ゲート」がつく事件といえば、もう半世紀も前の「ウォーターゲート事件」がはじまりである。
当時のニクソン大統領が、再選を目指し圧勝した選挙で、敵対する民主党本部(ウォーターゲート・ビル内)に盗聴器を設置しようとしていたことが「大統領辞任」にまで発展した「大事件」である。

盗聴未遂だった当初、ニクソン大統領は「自身の関与を否定」したものの、その後、「しっていた」ということがわかってしまった。
大統領が嘘をついた、という一点で、アメリカ史上初の「辞任」という事態になったのだった。

これを機に、「疑惑」のことを「ゲート」をつけて報道されるようになったのである。
それで、今回の「オバマ・ゲート」とは、前大統領への「疑惑」という政治スキャンダルのことをいう。

どういうことが疑われているのか?というと、二期をつとめたオバマ氏の後任をえらぶ選挙で、まだ現職中のオバマ氏がFBIや国家情報局などの国家部局をつかって、敵対する共和党のトランプ候補をおとしめるよう指示していたのではないか?という「疑惑」である。

これは、トランプ氏が当選を決めて、「次期大統領」になってもつづけていて、さらにトランプ氏が大統領に就任直後からはじまった「ロシア・ゲート(疑惑)」もその一環であるという。
そして、これら一連の仕掛けに、いま民主党の大統領候補になった、当時のバイデン副大統領の名前もくわわっている。

つまり、かの「ウォーターゲート事件」と構造がそっくりで、かつ、より大規模な「正副大統領の犯罪」が、今度は民主党の側で問われているのである。
だから、大騒ぎにならないほうがおかしい。

民主党を支持する側は、根も葉もない「陰謀論」だとしてのキャンペーンを張っている。
それはそうで、根も葉も「ある」のだとしたら、政治的に即死級の問題だ。

そんなわけで、共和党の方は慎重で、かつ、確実な証拠をもって対処する方針だという。
熱狂はないが、パズルのピース集めが進んでいる。

アメリカ合衆国連邦政府の「行政」は、当局者たちの言動について「証拠を残す」ことも、「行政事務」として行われている。
わが国の国家行政で、これが揺らいだのは、財務省理財局の文書改ざん問題や、文部科学省の省内文書疑惑など、近年、その信頼は「信頼」とはいえなくなっている。

外資系の金融機関に勤務したわたしの経験でも、すべての社内でのやり取りは、リーマン・ショック前の当時では「メール」がつかわれていた。
隣席者との決めごとも、「メール」にしないといけない。

これは、社内サーバーの管理が徹底しているので、そのやり取りの記録がすべて残される、という、「証拠」をつくるためであった。
なので、ときたま、こんなやり取りでは「不十分です」という研修を、現物の文書をつかっておこなう、という「見せしめ」ともいえることをしていた。

今回の疑惑調査で、オバマ政権最後の日、大統領補佐官が「自分宛」にメールを発信していることが発覚した。
それは、この補佐官が出席した、大統領執務室内でのミーティング「議事録」をじぶんで書いたものであった。

つまりは、自身の無実の「アリバイ」をわざと政府サーバーに残すためではないか?
この直後、新政権が発足したから、この大統領補佐官も「官職」をうしなっている。
これと同時に、政府メールアドレスは無効となり、政府支給の端末も回収されるのは、日本のサラリーマンだっておなじだ。

支持者と政党組織ががっちりしている、アメリカ民主党は、いつだって大統領選挙を最初から有利のまま、「逃げ切る」のが勝利の方程式になっている。
対する共和党は、「途中逆転」が勝利の方程式である。

現職のトランプ氏再選が、州別調査で危ぶまれているから、これから夏と秋にかけての選挙終盤で、どんな「逆転」の「弾」をくりだすのか?は、想定内だったが、まさかの「オバマ・ゲート」とは、ということになっている。

前にも書いたが、波状攻撃として、「教育省廃止」が繰り出されるかも興味深い。

さては、極左の民主党候補と政策軸が一致する、わが安倍政権の、さらに「極」をいくわがマスコミは、書いたところで「陰謀論」がやっとだとして、「報道しない自由」を謳歌するのだろう。

「格差社会」とは、収入の差をいうのではない。
「情報の差」から「つくられるもの」なのである。

そして、情報格差を利用する政府は、情報弱者という国民を「痛めつける」ことで、その「やさしさ」をアピールするのだ。
スターリンや毛沢東がなにをしたか?
「自粛警察」こそが、紅衛兵の「造反有理」の実践だ。

「STAY HOME」のカードを掲げて、自分は街を闊歩する。

「9月入学」も「6月レジ袋の有料化」も、ただの風邪への過剰反応も、国民を痛めつけることによる、政府のマウンティング行動なのだ。
これを、放送利権を絶対化したいマスコミが追従している。

わが国で「オバマ・ゲート」は、リトマス紙になった。

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