バイデンと7人の泥棒たち

いわゆる「G7サミット」が終了したが、この中で子供に説明できない「おカネのはなし」があった。

その前に、なんとサウジアラビアの王太子(「皇太子」の表記はまちがい)に招待状をだしていたけど、「多忙」を理由に出席を断られていたことがインドでの報道から判明した。

もちろん、「多忙」は表向きで、ほんとうはBRICsに重心を置いているからであると、だれにもわかる状況になっている。

もう、世界に対して影響力のない「G7」ではあるけれど、世界の経済人に衝撃を与えた取り決めだけはやっていて、今後、歴史家は「自爆」と評価するだろう。

それが、EU域内にあるロシアの金融資産を、制裁名目で凍結したまではまだしも、そこから得られる「利息」を、ウクライナに与える、という決定である。

「戦時」だからなんでもあり、は通じない。

近代社会を近代にした、もっとも重要な概念が、「所有権の絶対」なのだ。
つまり、近代以前の人類社会には、所有権の絶対という概念がなかったのである。

よって、詐欺と掠奪が横行し、騙すより騙される方が悪い、といわれたし、武力のあるものが弱い者から奪うのは当然だったのである。
それだから、近代以前は、物騒だった。

けれども、権力者が落ち着いて、自分だけでなく統治下のすべてのひとの所有権の絶対を認めたら、警察権が生じて詐欺や掠奪をする者が罰せられるようになったし、「保険」なる金融商品もできたのである。

なによりも、ひとびとは安心して自分の資産を銀行(BANK)に預けるようになって、資本主義の礎ができたのである。

こうやってかんがえると、このたびの「G7での決定」とは、「信用制度」の根幹を覆す暴挙だといえるのである。

この点で、自国のカネをつかうと表明している岸田氏の潔さは、その行為の直接的な良し悪しの議論をこえて、「唯一まとも」ではあるが、アメリカとヨーロッパ各国の言い分に反対を表明しなかった点では、同罪なのである。

すなわち、「G7]は、世界から信用を失う決定を自分たちでしてしまったのだ。

プーチンのロシアが憎いから、なにをやってもいい、とはならない。
前に書いたが、BIS(国際決済銀行)が設立されたのは、第一次大戦処理における、ドイツからの賠償金を戦勝国が受け取るための銀行として創ったが、なんとドイツは第二次大戦中にも毎月、この賠償金の支払いはキッチリ怠ることはなかったのである。

わが国も、高橋是清が日露戦争の戦費をヨーロッパから調達したが、完済したのは1986年のことであった。

かくも、「信用」を保持することに気を遣うのは、そこに近代の所有権の絶対があるからだ。
このように、今回の決定は、西側の銀行(金融機関)の信用を著しく傷つけた。

元本を差し押さえたら、そこから得られる金利を奪うことを「合法」としたからである。

プーチン氏は、国際刑事裁判所(経済的征服への不服)なり、国際司法裁判所に訴えるのか?それともどうするのか?が気になるけれど、明らかに世界の多数派になったBRICs加盟国は、今後、西側との貿易決済にこれまで以上に慎重になるだろう。

サウジアラビアが、ペトロダラーの終焉を決めたのも、こうした背景があるから、ともいえて、「信用を失う」とどうなるか?の、巨大なしっぺ返しがこれから展開されることになるだろう。

それは、G7域内限定という「押し込め」になる可能性が高いのである。

世界を動かしているのは「G7]だといった思い上がりが、致命的になった瞬間だったし、「G7]が近代を棄てて、中世社会に逆戻りする知能を疑う決定だったのである。

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