24日、内閣官房内閣感染症危機管理統括庁が所管する、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画(案)」についての、パブリックコメント募集が開始された。
なお、締め切りは、5月7日18時までとなっている。
いよいよ、全体主義の実現に向けた具体策が、「政府案」として公表されたのである。
このような重大案が、ゴールデンウィーク終了と同時に締め切られるのは、阿呆な国民が遊んでいる間に、突っ走ることを画策した役人の、まじめな、しかし、恐ろしく狭い思考の結果であり、さらにこれを許す、内閣官房の堅い意思すら感じるところである。
しかも、24日から7日までのGWだということには、28日の、「主権回復の日」がしっかりと含まれていることに注意しないといけないのである。
当時、天皇誕生日の「前日」としたことに、祝意ではなく悪意を感じるのは、「独立」なんかさせるものか!というGHQの意志を感じるからである。
にもかかわらず、野党は一斉に反発してはいないのは、野党もGHQの枠内にあるからだ。
さてそれで、ニュースとしては、次の2本が降ってきた。
・政府が「誤情報」常時監視 6月にも閣議決定へ 感染症対策の一環で 言論統制の恐れも
・厚労省、偽情報対策の報告書2700頁超を不開示 ワクチン接種促進「世論形成」目的で3年間実施
アメリカ民主党がやっていることを、日本支店だからそのまま真似るのは想像していたが、ここまであからさまな「憲法違反」を政府がシラッとやる姿は、かつてみたことがない。
ずいぶん前に、復刻された『日本人のための憲法入門』(2006年)について書いたが、元は、小室直樹の『痛快!憲法学』(2001年)の絶版をうけてのことだった。
小室はこの本の中で、シュテファン・ツバイクの『人類の星の時間』(初版は1961年)に収録されている、「エルドラード(黄金郷)の発見」の話を紹介している。
いわゆる、サン・フランシスコの現在の市域のほとんどが、ひとりの移民・ズーター氏の所有する土地であったのに、ある日の朝に使用人が「砂金」をみつけたために、あっという間に人々によって土地を奪われたばかりか、家族も殺されてしまうのである。
もちろん、ズーター氏は官権と裁判に訴えるが、欲に目がくらんだひとたちが多数となったので無視される羽目となる。
かくして、家族を失い独りになったズーター氏は、ついに絶望のあまり発狂してしまうのである。
著者の小室は、どんなに立派な憲法をもっている国でも、人々が憲法を護る気を失えばこうなる、という事例としてこの話を挙げたのだった。
すなわち、いま、わが国で起こらんとしていることは、日本国民が選出し絶対安定多数を与えた与党の欲に目がくらんだひとたちによって、自由な国民生活が破壊されることが、憲法を蹂躙しても「合法」だという悲惨になっているのである。
もちろん、国民に対する甘言の、「安全・安心の確保」というのは、政府に都合のよい詐欺の言葉遣いであって、余計なお世話なのだ。
しかし、政府依存を当然とする国民があんがいと多数いて、「やさしい政府」に感謝するむきもいるだろう。
このひとたちは、ヒトラーのナチスや、スターリンのソ連がなにを国民にしたかをしらないか、興味もないのである。
他人事だからだし、そんな厄災が自分にやってくるとは夢にもおもっていない。
結論からいえば、無能なバカである。
しかし、このようなひとたちが投票権を持っているので、ただの迷惑どころか、まことにこれらのひとたちこそが、厄災のタネなのである。
そらに加えて、巨大な「無関心層」が存在する。
ヒトラーも、レーニン、スターリンも、じつは国民全体的な「数」のうえでは、圧倒的に小数派だったのである。
いまの自民党も、国民の少数からしか票を得ることはできていないが、絶対多数の無関心層が投票行動もしないから、圧倒的多数の議席が取れてしまうのである。
そうやって、20世紀は、一般人が政府によって殺される時代となったのだった。
これを、イタリア(ファシズム誕生)の歴史として描いた、5時間16分に及ぶベルナルド・ベルトルッチ監督の超大作、『1900年』(1976年)がある。
寝正月ならぬ、GWの過ごし方もわからないひとには、せめていまどきのレンタルビデオ店に駆け込んで、たっぷりと鑑賞するのも悪くない。
いま、100年の時を超えて、再び、いや、もっと悲惨な状況になろうとしているが、GWはなにをして遊ぼうかとしかかんがえない国民によって、政府の野望は着々と実現に向かっているのである。