日本人がバカになったのか?バカにしているのか?はしらないが、なかなか刺激的な宣伝をマクドナルドでやっているから、書いておく。
関東では、「マック」、関西では、「マクド」と略すが、英語の発音をカタカナで書けば、「マクダーナル」で、「マ」は大きく、「ク」はちっちゃく書きたい。
これを、みごとに、「マ・ク・ド・ナ・ル・ド」と言い切ったのは、輸入元の藤田田(ふじた でん)氏であった。
もう、何年ぐらい経つのかも覚えていないが、マクドナルドで「食べ物」をいただいたことがない。
もっぱら、コーヒーを注文するのみとなったので、わたしにとって、マクドナルドは、とっくにコーヒーショップでしかない存在となっている。
それもこれも、藤田氏の藤田商店が日本マクドナルドで君臨した末期、「100円バーガー」をやってくれた副反応だし、あの薄くて茶色いお湯とまではいわないが、不味いコーヒーの強力な改善成果がいまのコーヒーになっている。
それが、ファミレスに波及して、さらにコンビニにもコーヒー戦争が起きたきっかけになったのは、さすが天下のマクドナルドだ。
思い起こせば、これがわたしが食べた最後のマクドナルドでの食の機会だったから、もうここ20年から、口にしていないことがわかる。
こんなものは、100円の価値でしかないと理解できたのだった。
いまだって、1000円札を出すような価値のものは、ひとつもない。
ちょっと一服と、駅前のマックに立ち寄っていつものごとくコーヒーをすすっていたら、店内放送で、「フィレオフィッシュ」の宣伝がはじまった。
わたしが小学生か中学生だかのころに発売された、この「魚のバーガー」が大好きであったのは、タルタルソースのおかげであった。
スイスのジュネーブでも、ロンドンのヒースロー空港でも食べたけど、まったくおなじなのを確認して、驚きもしたが、妙な気持ち悪さもあって、それからはどこへいっても「味見」をしていない。
その中身は、てっきり「タラ」だと思っていたが、「スケソウダラ」だと自慢して宣伝しているので、ちょっと意外だったのである。
スケソウダラといえば、「たらこ」であるし、「めんたいこ」でもあるけれど、ふつう身はすり身にしてかまぼこの材料にしているものだとおもっていたからである。
なんと、ふつうはそのままでは不味いので身を食べなかったスケソウダラを食べていたのか!
テーブルをみたら、トレイに乗せてあるシートにも、デカデカと「フィレオフィッシュ」の中身のフライが湯気を立てて大写しになっている。
目と耳で宣伝をインプットさせるとは、さすがにマクドナルドだと感心はするが、「おいしさのゴールデンルール」と大書していうのは、どうなのだろう。
さらに、「持続可能な漁業」とあって、なんだかなぁ、なのである。
それをいうなら、日本や韓国、中国のオリンピック方式で早い者勝ちでとりまくるのではなく、厳密な科学的資源調査に基づく、北欧方式漁業の推進をいえばいい。
それを、「MSC認証」だからいいのだ!とバカボンのパパみたいな話になっているのが、子供だましなのである。
ならば、このフライは日本近海物ではなくて、輸入品にちがいない。
そういえば、高校生のカップルも、おじさんやらおばさんも、スマホ操作に夢中で、店内放送をどこまで聴いているのかしれないが、「スケソウダラ」に反応しないのはなんだろうか?
しかも「天然!養殖じゃない!」という言葉の力点に、スケソウダラをだれか養殖しているひとがいるのか?とききたくなるのである。
あゝ、マクドナルドの成功譚は、「サービスを工業化した」ということになっているけど、並行して、「クズ食品を工業化した」のである。
あの、タルタルソースで、喰えない魚を食えるようにしたという、「発明」があった。
たらこを採ったあとの廃物利用でかまぼこにしたのを、そのままフライにすべく、外国の工場で奴隷労働様の自動加工をしているにちがいない。
食べる習慣がなくなってなんだか安心したが、横の子供が旨そうに食べているのをみて、「たまには」にしておきな、といってやりたかった。
女子高校生には、お母さんになるための勉強をした方がいいよといってやりたいが、逆になにをされるかわからないご時世だから、しらんぷりしかできないのである。
だったら、ブラジル・ショップの1000円バーガーか?
いや、もっとまともなものを食べた方がいいはずの、「医食同源」がある。