学歴のための受験戦争をさせる意味

答えは、愚民化。

成長期の若者の広く深い興味を、教科書暗記に追い込んで、脳細胞のまんべんない発達を阻害させる。
これを三世代にわたって実行したら、愚民社会が完成した。

そうやって、とうとう、愚民が奴隷化されても気づかない、世界経済フォーラムの家畜になったのである。

三島由紀夫が絶賛した、『家畜人ヤプー』の物語は、一部マニアの変態ロマンから、もはや現代日本人のリアルな姿そのものとなっている。
まさに、三島の「視線」の鋭さが光るのである。

そんな鎖国ならぬ家畜世界にだけ住んでいて、世界をみる目も失った。
これを『青年日本の歌』作詞家(5.15事件に関与した三上卓海軍中尉)は、その三番で、次の歌詞を歌いあげた。

嗚呼(ああ)人栄え国亡ぶ
盲(めし)ひたる民世に踊る
治乱興亡夢に似て
世は一局の碁なりけり

わたしは、この歌の三番のいまも変わらぬ世相への切り込みが気に入っている。
あたかも、ベトナム戦争からウクライナを仕掛けた戦争屋たちを彷彿とさせるのは、戦争屋たちの実態に当時の三上卓が気づいていたからだろう。

戊辰戦争すら、余計な集団殺戮であった。
すると、「先の戦争」とはなんだったのか?

いまさらながら、「ウクライナ・パターン」そのものであることに愕然とする。

だが、大きな違いは、先の戦争では仕掛けられたわが国が完敗・被征服の身(家畜)に落ちたが、ウクライナでは仕掛けられたロシアが完勝する、日本人からしたら爽快感さえあるのだ。

この意味がわからないおおくの日本人は家畜だが、一部の「ロシアが敵」という扇動者は、飼い主に日和った家畜以下の存在なのである。

なお、歌の発表は1930年(昭和5年)で、2.26よりもよほど重大なのに、海軍だからか?「5.15事件」(1932年)は、なんだか軽い扱いで、この歌自体は、2.26のあった1936年(昭和11年)に、「禁止」されている。
もちろん、後の東京裁判で、海軍は誰ひとり起訴もされなかった。

さてそれで、「学歴」について、家畜化された日本人が気づかない重大な勘違いがある。

あるいは、家畜には気づかせない飼い主の意図が働いているのは、「学歴」と「学校歴」の違いについて意識させないばかりか、「学校歴」を略して「学歴」だと信じ込まされている悲惨がある。

世界に君臨する飼い主たちがいう、「学歴」とは、修士以上の「学位取得歴」を指すのである。

だから、「学部卒=大学卒」を、いまや「学歴」として扱ってはいない。
なのに、日本人は、どこの学校(学部)に入ったのか?出たのか?という、学校名ブランドによる「学校歴」を、学歴だと思いこんでいるのだ。

それゆえに、飼い主さまたちのいう「専門職」に就くには、大学院における専門の学位を得た者だけが採用されている実態に気づかない。
飼い主さまたちが、日本人は「低学歴社会」に住んでいると認識しているのは、ほとんどが大学院に進学しないからである。

しかも、わが国の高級官僚の世界は、国家総合職試験(むかしの「高等文官試験」)に合格した者を採用するだけの単純さなので、学部2年生とか3年生で合格すると、「飛び級相当」のアドバンテージがあるのに反して、大学院卒博士号保持者が20代後半で合格すると、先に入省した年下の先輩たちにバカにされるから、だれも受験しない。

これは、大学卒で採用されてから有給の「国費留学」で、外国の大学院での学位取得制度があるからなのである。

そして、とっくに「大学世界ランキング」でも、わが国の「学校歴」として最高難易度とされる「学部大学」は、相手にされない状態になっている。

これには、事前のルールづくりの会合主宰者が「スイスの民間企業」であったために、阿呆集団でしられる文科省の役人が、参加拒否をしたためともいわれているが、学長たちも大挙して参加している現在でも、ランクが上がることは一度もないのが実態なのである。

少子化で子供や親から選ばれ続けたい、私学系中・高校の一部から、海外有名大学への入学専門コースができて、いよいよ国内の大学の地盤沈下が本格化しているけれど、もう、それは冷静にかんがえたら、発展途上国になったも同然なのである。

そんなわけで、いま、ネット界隈では、フィリピンとか東南アジアの大学への留学やらが話題になっている。

いったいどんな学問を、だれから教わるのか?ということが欠如・皆無のただ「学校名」の記録が欲しいという、「ブランド学校歴」だけを重視しているのが、当事者にはわるいけど、気の毒で仕方がない。

まったく、バッグやら靴を選ぶような感覚は、やっぱり家畜の脳なのである。

それで世界に通用する人材になれるはずもなく、貧困化が進んでいくのだった。

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