左派系の比較的高齢なひとたちが,「アベ政治を許さない」とかいたステッカーをリュックにつけたりして歩いている姿を目にする.
どうして,左派のひとたちが目くじら立てるのか不思議なのだが,おそらく「防衛政策」という一点で気に入らないのだろう.
外国で「防衛政策」は,あまり争点にならないばかりか,「政争」になること自体を嫌うから,わが国の特殊性のひとつの事例である.
なぜ「政争」を嫌うのか?それは,「国防」は「国家として当然必要」という共通認識があるからである.
国際法に「国家の三要素」というかんがえかたがある.
この三要素を,「外国が認定」しないと,その地域は国家として成り立たない.
つまり,国際社会から,おたくは国家ですね,と認定されてはじめてその地域は「国家」になる.
それは,「領土」「国民」「主権」の三つであるが,これに上記の「外国からの認定」をくわえたくなる.
だから,領土を守るための国防,国民を守るための国防,主権を守るための国防,といえばわかるとおり,国家の三要素を守るためには「国防」は必須になる.
安倍政権は,というより,この国の周囲の現状からすれば,どの政党のだれの政権であろうが「国防」は当然になろうが,どうやらステッカーのこのひとたちは,それがいたく嫌らしい.
これはたいへん不思議なことだ.
もっと不思議なのは,このステッカーのひとたちは,左派だとおもうのだが,経済政策で自民党歴代もっとも左派なのが安倍政権であるのに,なにを問題視しているのか?
簡単にいえば,「アベノミクス」とは,「社会主義経済政策」そのものである,のにである.
私立の小学校のはなしや獣医学部新設のはなしばかりが議論されている国会で,なぜ野党は正面から「経済政策」を議論しないのか?
それは,おそらく,安倍政権がじつは左派政権であることを国民におしえてしまうからではないのか?だから,別の話題にするしかない.
さいきん,女性の管理職登用を義務づける法案が記事になった.
「女性活躍推進法」の改正で,中小企業にも女性管理職を義務づけるという.
これは,禁煙ファシズムにつづく政府の暴挙ではないか?
どうして,こうしたことまで政府から命令されなければならないのか?まったくわからないを通り越して,恐怖すらかんじる.
男女差別の逆差別だという指摘もあるらしいが,そんな問題ではない.
このブログでは,「賢母」について書いたが,まさに「賢母」絶滅政策であり,ひとの人生について価値観を押しつける,とんでもない発想である.
会社にはいったら,万年平社員ではいけない.
出世して,せめて管理職にならなくては,なんのための職業人生だ!
「おんな」だからといってバカにして,管理職にさせなかったのだから,強制的に管理職にさせないと,民間のバカ経営者にはわからないのだろう.
これは,上級職官僚の発想である.
「ちいさいときから勉強して,難関中の難関大学の法学部をでて,上級職の官僚になったら,管理職にはなれるけど,もっと花形の役職に就きたい.
民間だっておなじだろう.」
おそるべき多様性のなさ.おそるべき世間知らず.
ひとを管理職にするかしないかは,「資格」だけで決まるものではないと民間はしっている.
人柄もあれば,なによりも本人の希望もある.
そこには,さまざまな人生観がある.
たとえば,なんのための「派遣」だったのか?
「多様な働きかた」ではなかったか?
それを,働くひと主体でなく,いつもの通り,「産業優先=雇用主優先」で「法改正」をくり返したら,なんのことだかわからなくなって,しまいには「格差の元凶」になってしまった.
出世こそ人生の目標,というリニアな人生もありだが,それ以外の人生だってさまざまなのだ.
それを,あろうことか「強制」するということの凶暴さは,野蛮でもある.
日本国政府のこの野蛮さは,新しい産業革命を目指すといいながら,じつは「名誉革命」のタネになるかもしれない.
落ち目の国の騒乱はよくあることだが,なんという政府の傲慢さだろうか.
ステッカーをぶら下げている皆さんには,この点での活動を期待したい.