「ヤミ市場」登場の健全

ヤミ市場(black market)が発生する要因は、政府による「価格統制」によるものだと「相場」はきまっている。

ときの政府が徴収する税の高さに悲鳴を上げて、あるいは、その徴収方法の理不尽に悲鳴を上げて、やられる側の庶民の防衛策は、「移動」であった時代があった。
それで、理不尽なことがない場所をみつけて商売することが、庶民の願いになったのである。

これを、思い切って「自由化」したのが、織田信長の「楽市・楽座」だった。

じつは、我々日本人の「成功体験」に、この「自由化」の威力があったのである。
そして、楽市・楽座の「負の側面」だった、権力者と商人が結託した場合の「独占の弊害」も、おなじく民族の記憶に残っていたはずだった。

しかも、そんな理不尽には「暴動」である、「打ち壊し」で対抗したのだった。

もちろんここで、暴動を美化したいのではない。
そうではなくて、緊張感を持って生活をしていた、ということを強調したいのである。

その緊張感とは、力のあるものがその力を正しく用いる事への強い期待であり、裏切った場合の報復は受けるべきだ、という感覚である。

それがまた、「修身」の成果でもあったから、政府は国民に政府にとって厄介なことをちゃんと教えていたのである。
そうやって観ると、「楽市・楽座」も暗記問題になって、日本史のみならず世界史的重要性を教えないし、修身もないから、政府は政府にとって恭順な国民を「栽培」していることになった。

こないだの「G7」で、ロシアの石油に価格上限を設けた話の続きとして、わが国財務大臣があっさり「OK」したのを、財務省事務方が「サハリン2は別です」といって逃げ道をつくったのは、バイデン大統領の発言を即座に取り消すホワイトハウスの態度に似ている。

されど、「続報」から、この「噴飯もの」の言いだしっぺがアメリカのイエレン財務長官(元FRB議長)だったことが判明して、この御仁の化けの皮が剥がれたのは、あんがいと「幸い」だ。
もう、このひとの発言に、「知性」を感じることはなくなったからだ。

経済学を修めたとかなんとかではなく、売り手の意向を無視した「案」が、国際会議で「案」になって通ることの「テキトーさ」こそ、各国民は唖然としながら眺めている「図」になった。

40年近く前のエジプトは、「ヤミドル」が「流通」していて、「正規」と「ヤミ」の二重経済になっていた。
アラブの英雄とされたナセル大統領時代の「親ソ」が、慣性の法則となって残存し、「親米」になっても克服できないでいた。

これを、突如として一気に解決したのがムバラク政権で、1.5倍以上もあった「ヤミドルと正規の差」を、正規をヤミ相場とおなじに切り下げることで雲散霧消にさせた。

もちろん、これには物価上昇という痛みをともなったけれど、二重経済がなくなったメリットは計り知れない。
それで、外資を導入して国営事業を民営化したら、なんとエジプト人が時間を守るようになったのである。

さてそれで、「売り手」のプーチン氏が7日、北海道の対岸のウラジオストックにやってきての演説で、G7の決定について、「契約違反」ときっぱり認定した。
よって、販売停止する、と。

石油、石炭、天然ガスがその対象だと明言し、この冬、西側諸国は凍り付く恐れがあると警告もした。
その警告とは、国民から乖離した各国指導者の「正気」を取り戻すためだとも発言している。

時系列はさかのぼって、7月25日にネオコン(軍産複合体=戦争屋)の代弁者を代表する「終身高級官僚(SES)」のなかの「最高位」、アメリカ国務次官(政務担当)のビクトリア・ヌーランド女史が初来日している。

なにをしにきたのか?詳細は不明だ。
おそらく、ロシア制裁の抜け駆け防止の釘を刺しにきたのだろうけど。

イエレン氏にしろ、ヌーランド氏にしろ、アメリカの邪悪な女が目立つけど、これらをひっくるめて牛耳っているのがアメリカ民主党にほかならない。

かくも「優秀」なひとたちの、狙いはなにか?

もちろん、長期的にはロシア潰し(資源強奪)にちがいないけど、短期的にはドイツ潰し=EUイジメなのだろう。
だから、とっくに気がついたドイツ人たちが、「ガスよこせ」と大規模抗議デモを繰り広げている。

これに、ありもしない地球温暖化防止を政治信条とするひとたちが立ちはだかっていて、「信号機内閣」が立ち往生してしまった。
それで、フランス・マクロン政権批判にも飛び火して、アメリカ民主党の目論見通りの混乱がおきている。

7日付け「日経」は、地中海ギリシャ沖でのロシア産石油のヤミ取引があると「すっぱ抜いて」ちょっと鼻高々だけれども、ロシア産は「陸路」が主流(8割ほど)の輸送になっていて、それがインドと中国向けなのである。

もちろん、この二国はG7の決定に従わないので、「ヤミ取引同然」なのである。
そんなわけで、「石油ロンダリング」で、インドと中国が儲かる仕組みをつくってあげたのは、やっぱりアメリカ民主党の「政策」なのだ。

さては、苦しむのは一般国民だといい切るプーチン氏の「まとも」が、もっとも健全なものなのだった。

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