ものがどうやってできているのか?
これは理科で学ぶことになる。
ルーペをつかって葉っぱを観察したり、顕微鏡を覗いたりする。
そうかとおもうと、夜空の星々を眺めて、こちらは望遠鏡をつかう。
小さい世界から、とんでもなく大きい世界へと、行ったり来たりするのが理科の特徴である。
ひとがだんだん成長すると、理科も物理と化学に分かれてしまう。
これに数学がくわわって、わが国独特の「理科系」という「系」になる。
教育は「票にならない」という。
それでかしらないが、日本人は先進国でもっとも「教育にカネをかけない国」になっているとも聞く。
ほんとうだろうか?
国家や地方予算を指していうのか?
それとも家計支出を指していうのか?
なんだか曖昧なのである。
もちろん、いまだに「教育の荒廃」は続いている。
1972年だから、オイルショックの前年、つまり高度成長の「絶頂」期、わが国の「保守」といわれた学者があつまってできた「日本文化会議」が、共同討論会をやって、その記録が出版されている。
それが、『日本に教育はあるか』というタイトルだ。
この本を起点にしても、もう半世紀。
ここでいう警告や提言が、実施されたためしはない。
そもそも、江藤淳が指摘した、「占領政策」における基本政策がある。
これは、わが国が降伏する「前」に、すでに国務省・陸軍省・海軍省の三省調整委員会でプログラム化が図られていた「日本人洗脳計画」であって、その「核」が教育だからである。
簡単にいえば、わが国は「占領終了=独立」のとき、独立できなかったのある。
つまり、本当は独立させてもらえなかった。
「二度とアメリカに逆らえないようにする」という占領の基本方針は、いまでも「有効」なのである。
そうかんがえれば、辻褄があう。
新聞・テレビの既存メディアから、中央政府・地方政府にいたるまで、「反日」になる理由が上記の一点に集まるのだ。
強すぎる日本経済の対策が、日米経済協議によるわが国経済の「構造改革」だった。当然に、この改革の目的は、日本経済弱体化、となる。
よって、この「改革」以降、わが国の凋落がはじまったのである。
ようは、アメリカの都合で決まる。
そういう「仕組み」のなかで、われわれは生活しているのである。
いまだに続く、「日米合同委員会」という場は、両国ともに数名の官僚「しか」出席できない。
ここで決まったことが、在日アメリカ大使館のHP上に記載(日本語でも)されるから、数年先になにが起きるかは、たまにこれを読めばよい。
そんなわけで、戦後における文部科学省の設置理由も理解できる。
日本人に、きちんとした教育を受けさせないための役所なのだ。
「文系」「理系」と、世界的に珍しい分類をして、一見合理的な適性による生徒の進路選択にみせるけど、いまどき「文理」の知識がないと、文明社会に適応できない。
「情報リテラシー」とか「科学リテラシー」とは、「文理」のことである。
情報リテラシーがない「情弱」なひとが多数になれば、それは支配者がコントロールしやすい社会を意味する。この「支配者」とは、わが国の場合、アメリカの意向をいまでも追求するひとたちをいう。
だから、情弱なひとたちに、さらに情弱になるように、「単純な言いまわし」の標語を繰り返し、繰り返し与えるのがマスコミの役割になったのだ。
ならば、せめてもの「対抗」として、勉強してやる、とりきんでみるのだ。
「物質」の成り立ちを追求することは、社会の成り立ちだって追求する発想につながる。
社会の成り立ちだって、社会科学というのだから、あんがい「理系」なのだ。これを、「文系」だというほうがおかしい。
「化学構造式」は、字の通り、物質を原子や分子レベルでみたときの、格好である「構造」を文字と線で書いたものである。
水(H2O)なら、H-O-Hと書く。(きちんとした構造式は、別途確認してほしい)
しかしこの書き方は、酸素原子と水素原子が「-線」で結合しているのはわかるけど、原子の最外殻にある価電子の様子はわからない。
化学結合にもさまざまな結合があるけれど、もっとも重要なのは「共有結合」という電子が手を結んでできる結合である。
この電子を「・」で表現したものを「電子構造式」という。
水なら、H:O:Hとなる。
つまり、水素の一個の電子と、酸素の左右一個の電子が手を結んで二個となり結合しているのである。
「:」は、一個が水素の、もう一個が酸素の電子をあらわしている。
ところが、酸素には電子が6個ある。
Oの上下にも点・が二個ずつあるのだが、これらは対になって安定しているからここでは省略している。
それで、H4Oということにはならない。
これに、電子の陰性度のちがい(酸素の方が大きい)から、その分自分の方へ引き寄せる。そのために、酸素を中心に二個の水素はくっつき方が偏って104.5度で開いている。上記の-線のように、水平の180度ではない。
これを表現するのが、「投影式」という書き方になる。
ややこしく見えるけど、それぞれわかりやすく表現するための工夫の結果なのである。
ちなみに、水は電子の共有結合のほかに、水素結合やらもあって、強固な結合があるあんがい珍しい物質だ。
それが、沸点を100度にもする原因になっている。
結合が強いから、たくさんのエネルギーを投入しないと、バラバラの水蒸気になってくれない。
たかが「水」ではないのである。