「恒大集団」の衝撃に備えよ

世界経済にどのくらいの衝撃になるかは計り知れない。
もちろん、地元の「中国経済」に密着している「日本経済」への衝撃は、もしや「リマーンの比ではないかも」とも想像できる。
また、これが引き金となって、軍事衝突にもなりかねない。

物騒な事態が迫っている。

改めて、「恒大集団」とは、広東省深圳市に本拠を置く不動産開発会社で、会社の事業規模が「巨大」なことで知られている。
少なくとも決算書が、全部「兆円単位」で表せることでわかる。
その超大型企業が、いま「破たんの危機」に直面しているのだ。

簡単に言えば、「借金が返せない」という話であって、決算書を信じれば、典型的な「黒字倒産」の危機ということになる。
現預金に対して、借入金と支払債務が超過しているのである。
もちろん、「借入金」では、利息の返済もままならぬ状態に陥った。

さらに、この会社は、創業者の家族経営で有名だ。
すなわち、家族が「株式」を半数以上保有していて、よいときの「配当」が大盤振る舞いであった。
会社のおカネを家族に分配していた、ともいえる。

そんなわけだから、この一族の大金持ちぶりは半端なく、あたかもファンタジー・ドラマのようなことが現実化したようでもあった。
こちらも、資産が「兆円単位」での富豪たちなのである。

前にも書いたが、毎日100万円を消費して、1兆円を使い切るには、2740年ほどの時間がかかる。
受け取り利子をカウントしないで、だ。
さほど大金が、1兆円なのである。

明日(9月20日)、この日が期限の最初の支払債務がデフォルトすれば、信用不安が急拡大すること、間違いない。
負債総額は、3000億ドル(約30兆円以上)であるから、わが国の一般会計予算に匹敵する。

しかし、この企業は、投資家ばかりか社員にも「社債」を購入させていた。
社員にはノルマがあって、家族や親戚友人にも「販売した」という。
社債がデフォルトして、投資家たちは本社に押しかけて、警官隊と衝突し逮捕者まで出ている。

社員たちの分もデフォルトしたら、どんなことに発展するのか?
もちろん、この会社から不動産を購入したひとたちも、マンションなどの建設工事が止まってしまったから、既に「被害者」になっている。

住宅ローンを出した銀行は、融資実行したのだから、当然に「返済」を求めているという。
つまり、銀行も「やばい」ことになっている。

いわゆる「連鎖倒産」が起きる可能性が大きいのだが、その連鎖の「倍数」がいかほどなのかは、誰にもわからない。

この事態に、政府はどう対応するのか?
わが国なら、マスコミが大騒ぎして、政府による援助・救済を促すことは間違いない。

中央銀行の人民銀行は、150億ドルの直接支援をしたけれど、「足りるはずがない」規模なのだ。
「デジタル人民元」での世界経済支配どころか、「人民元の暴落」にもなりかねない。

ところが、社会主義を標榜するこの国では、とっくに「経済評論や論評などでの政府批判を禁止」しているから、誰も「書いたり」「発言したり」はしていない。
不気味なほど「静か」なのである。

しかも、「毛沢東主義」に回帰する現政権も、不動産投機を警告して「自分が住まない不動産はいらない」という「国家主席」のお言葉を宣伝していた。
このことが、政府による援助も救済もないのではないか?ということになって、濡れ手に粟を夢見て失敗した人々を蔑む雰囲気を醸し出している。

一方で、「終身主席」を狙う側からすれば、政敵の排除こそが最大の仕事になるので、いわゆる経済を煽る勢力に対しては、「政治的」な対応になることは、覚悟しないといけないのがこの国の「作法」なのである。

はた目には、政府から何からの組織が、何がどうなっているのかわからないし、当該企業の決算だって信用できるのか?
さらに、この国の「空き家率」は、すでに「3割」という水準に達しているという「統計」もある。

計画経済の国の統計が信用ならぬから、改革開放したのだという理屈も立つけど、「少子」という現実も住宅需要を一巡させたという。
それにしても、「3割」という空き家率を「異常」というなかれ。
わが国では、とっくに山梨県がこの水準に到達した。

残念ながら、山梨県の統計は信用できる。
いっとき話題になって消えたけど、47都道府県の廃統合問題は、わが国の「少子化」と「人口減少」で、そのうち現実化するだろう。
足元の自治体は、「平成の大合併」で歴史的に馴染んでいた地名も消えた。

美濃部都政でやった、郵便番号とからめた町名の統合は、江戸の名残を破壊した「文化革命」であった。

それならそれで、「ご本家」では、どんな「第二次文化大革命」をやるのか?と、今回の「大破たん」は、セットなのかもしれない。
いわゆる、「中華不動産バブル」というけれど、わが国90年代のものとは、規模が違うのだ。

これが破裂の衝撃は、第一に「消費不況」となって、彼の国を襲うにちがいない。
その巨大な消費の磁力をもって、わが国企業が現地にいるのだ。
だから、ほぼ同時に日本経済も衝撃波をかぶる。

金融の世界で起きた「リーマンショック」とは、「別次元」であることに違いはない。
金融鎖国をしていた分、わが国の金融機関は世界的には安全地帯にいたのだ。

ただし、この大揺れで、「国境」の安全保障も揺れる可能性がある。

慌てふためく日本政府と財界。
総裁候補者がこの大問題を、「発言しない」のは、官僚からの情報が提供されていないからだろう。
自分の頭と情報網を持つひとが候補者になっていない不幸がここにある。

「静かに見守る」とかなんとか、逃げ口上だけは骨髄反応できる訓練はやってきた。
これを、「無責任の譜系」と呼びたい。

庶民には、なるようにしかならないけれども、政府依存は将来に禍根を残すことだけは確かである。

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