「高級マウス」は必要か?

パソコンのお供といえば、「マウス」である。
このデバイスを発明して、これに「マウス」と命名したセンスが光る。
たしかに、ネズミのしっぽのようだけど、向きが逆なのに違和感があった。

いまや「マウス」らしくない無線マウスが主流になったけど、客先でのプレゼンで、電池切れが怖いので有線が「本番」には欠かせなかった。
いまでは、無線でも電池切れの心配が少なくなったけど、全面的に信頼はしていない。

それだから、いまだにバッテリー内蔵型よりも、乾電池式を購入したい。
まぁ、最近では数分で数時間持つという「急速充電」が可能と言うけど、内蔵バッテリーの寿命がマウス本体の寿命になるのはいかがかと思うのだ。
これが、最初の疑問である。

一概に「マウス」といってもピンキリで、数百円のものから1万円台の半ばまで、その「高機能」と「多機能」がお値段に反映されている。
なので、「低機能」と「単機能」なのは安価なのだ。

では、どんなのが高価なのかといえば、まずボタン数が違う。
安いものは2ボタン(左・右クリック)だけなのに、8ボタンとかそれ以上の機種もある。

これらのボタンは、カスタマイズできるようになっていて、さらに、使用するアプリケーション毎の設定もできる。
それが、「マクロ」までも記憶させられるので、決まった作業の自動化もマウスのボタン一つで可能となる。

こうした機能を記憶するのは、もっぱらパソコン本体側の仕事だったから、異なるパソコンと接続させたら、また新たに設定をしないといけなかった。
ところが、メモリ・チップの小型化で、設定条件をマウス本体に記憶させることができるから、どのパソコンにつないでも同じ機能が発揮できる。

加えて、複数台のパソコンを同時に使うときに、キーボートとマウスを共通化させることもできる。
高級マウスは、3台までのパソコン間を往来できる機能があって、しかも「OS」は問わない。

つまり、ウィンドウズ・マシンとマックを行き来して、ファイルや文書の「コピー&ペースト」すら可能となっている。
数百円のマウスでは、一切できないのは言うまでもない。

そんなわけで、ネット上では、高級マウスの「凄い」と「便利」が強調されて、多くのひとが解説動画を上げている。
しかも、これらのひとに共通するのは、皆さん「動画」を編集する、クリエーターなのであって、そのための「便利」が強調されるという傾向がある。

むしろ、ふつうの事務でどうなの?という観点が欠けている、ともいえるのである。
そのふつうの事務の典型とは、「表計算ソフト」と「ワープロ(文書作成)」の二大作業に相違ない。

すると、動画編集に用いて「便利」な機能は、ほとんどオーバースペックにならないか?

複数のパソコンをまたいで使う、といった場合に、それがウィンドウズ・マシンばかりであるなら、わざわざ「マウス」の機能としてではなくて、マイクロソフトが提供する「Mouse without Borders」というソフトが無料で使えて、しかも、これだと4台までが同時使用可能である。

「OS」を超えて使う場合でも、2台までなら「Share Mouse」というソフトなら無料(有料版は9台まで可)で使える。
なお、物理的に2台のPCを接続するケーブルも販売されているが、それなりのお値段(3~5千円程度)である。

すると、高級マウスで残る機能は、ボタン数とその設定がメインとなる。
もちろん、上下スクロールと左右スクロールは、表計算ソフトだと重要なので「悩みどころ」となる。

ただし、エディタでの長文文章作成とか、ワープロが主であるなら、これらの機能をキーボード・ショートカットの多用でまかなうという方法が、もっとも効率がよい。
なぜなら、キーボードからマウスに持ち替える「往復運動」をしなくてよいからだ。

これはどういうことかといえば、初期の頃のパソコンには、入力デバイスとしての「マウス」が発明されていなかったからで、全ての作業をキーボード入力で完結させる、という機能が最初から埋めこまれているのである。

だんだんとハードウェアとしての能力向上と、ソフトウェアの利便性が同時に向上して、「プルダウンメニュー方式」が導入されると、マウスでの選択という方法が、誰にでもとっつきやすいということになったのだ。
それで、あたかもマウスが「必需品」に思えてきた。

ところが、実際にプルダウンメニューをみればわかるように、ほとんどの選択肢には「ショートカット」が割り振られている。
だから、とっつきにくいけど、「ちょっとの練習」で慣れれば、おそろしくキーボード「だけ」で作業ができるし、早いのである。

Macには、「CheetSheet」という単純機能の無料ソフトがあって、コマンドキーを長押しするだけで、いまこの場で使えるショートカットの一覧を表示してくれる。
その都度(やや面倒ではあるけれど)、パッドやマウスに手をやる前に確認すると、だんだんショートカットに慣れてくる。

それにMacなら、カーソル移動を矢印キーでさせるなら、コントロールキーと「ダイヤモンド・キー(E,S、D、X)」を押せば、上下左右にカーソル移動できるので、矢印キーにすら手を移動させる必要はない。

どうしても、というなら数百円のマウスで十分なのである。
ただし、肩こりを防止するエルゴノミクス(人間工学)に基づいた設計の「縦型」には興味が涌くのであった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください