みずほ銀行の国営化

渋沢栄一が設立した、「第一国立銀行」は、明治の「国立銀行条例」によっていた。
だからきっと、この条例をつくるときに本物の銀行も作ってくれといわれて作った銀行だ。

それが、「第一銀行」になって、「勧業銀行」と合併して「第一勧業銀行」になった。
バブルの後始末から、「富士銀行」と合併したけど、これに、まさかの「興銀(日本興業銀行)」という異質がくっついてきた。

そんなわけで、三行の社内システムがバラバラだったけど、リテール・バンク事業をやったことがない興銀が大いばりして、システムの統合がうまくいかないので、2回も「業務改善命令」をくらってしまった。

ならば、仕方がないから全部を最初から作り直す、という「決断」をした。
ちなみに、最初のシステム障害に遭遇したときのトップは、現NHK会長の前田晃伸氏で、富士銀行出身のトップである。

全部を最初から作り直すのに大変な時間と労力(つまりはおカネ)をかけたもので、総額は4000億円ともいわれている。
このプロジェクトは、結局19年を要し、システム開発に関わった企業は、1000社以上だ。

できたシステム名は「MINORI]という。
みずほ⇒瑞穂⇒新米⇒実り、ということだろうけど、この秋の「実り」は、やっぱり「システム障害」となって、3度目の「業務改善命令」をくらうはめになった。

そこで、「異例」の金融庁と「共同」で、システム管理をすることになったという。
銀行のシステムを金融庁という役所にいる役人が、管理するというのは「異例」を通り越して、「違法」ではないか?

事実上の「国営化」を意味するからである。

なんだか、福島原発の事故を、作業服は着ていたけれど、本当は(保安院といっても)「事務官」が仕切ったことの再現ではないのか?と思えるのだ。

中学校の数学で習った「相似形」は、「幾何」の話ではなくて、論理的な思考をすれば、役人の「やり方」に見られる特徴なのである。
一見して「違う」ようにみえるけど、本質的は「同じ」という意味である。

そんなわけで、みずほ銀行は、金融庁に「システム」を仕切られるという方法で乗っ取られたことは間違いない。
しかして、今後、金融庁様が乗り出したのに、再度システム障害が発生したら、お役人様方はどういう言い訳をするのだろうか?

いや、こんな「リスク」を背負ったからには、よほどの「危機感」がお役人様にあるに相違ない。
とにかく、上から目線で命じることはしても、絶対に責任をとることになる方法は採らないのが常だからである。

すると、一体全体、何がその「危機感」の根源にある危機なのか?

実は、「2025年の崖」という問題がある。
これは、世界の金融機関が「デジタル・トランスフォーメーション」にシフトしているなかで、旧態依然としたシステム環境に依存している、わが国の金融機関に総じていえる隠れた大問題なのである。

つまり、稼働後初めて障害を発生したものの、「MINORI]は、まだ「まとも」ともいえる。
障害なく稼働している、「他行」の(旧)システムの方が、よほど「やばい」のだ。

これが、「地銀統合」の大きな理由にもなっている。
「MINORI」の4000億円とまではいわなくとも、「それなり」の大金を投じなければならない「宿命」に、体力的に一行独自で対応できる地銀はもう存在しない。

今年5月の「銀行法改正」で、ゴールドマンサックスが日本国内で「銀行免許」を取得した意味は、銀行システムに踏み込んだ銀行営業をするのか?という疑問がある。
彼らは、「出資規制の撤廃」における、投資をしたいだけではないのか?

本来ならば、中央銀行たる日銀がもっと前に出てこないといけないのに、なんだか穴倉に隠ったまま出てくる気配もみせない。
国内各銀行(メガバンク、地銀、信用金庫、信用組合)にとって、実は最大のネックが、日銀の決済システムなのである。

たとえば、わたしたちは、他行へ振り込みをするときに、この日銀システムを「無意識」に使っているのだ。
A行からB行に振り込む(資金移動させる)とは、ATMを使っていても、A行のシステムから日銀システムに接続して、これを介して、B行のシステムに振り込んでいる。

自分のおカネがB行に移動するのではなくて、A行の日銀勘定(当座預金)から振込額分が引かれて、B行の日銀勘定がその分増えるのである。
それでもって、B行の内部システムが、A行からの「口座指定情報」を受信して、振込相手先の預金が増えるように書き込まれるのである。

すると、今回の金融庁の「共同管理」とは、(最新の)民間銀行から日銀システムを垣間見る「チャンス」ということになる。
それでなにがしたいのか?

勝手に想像すれば、「デジタル円」の導入におけるシミュレーションではないのか?と考えるのである。

このぜんぜんちがう「目的」に、システム障害を利用したのは、「デジタル通貨」の普及における、「早い者勝ち」的な国際競争があるからで、「極秘裏」にやっておきたい、と思うのだ。
しかも、政府は濡れ手に粟となる「通貨発行権限」を将来も独占したい。

あるいは、もっと妄想を膨らませれば、もしや「MINORI]には、デジタル通貨発行機能も用意されていたのかもしれない。
ハイエクが言う「通貨発行自由化論」をみれば、「誰が」発行しようが、「便利」で「匿名性」があるものが勝利する。

「ビットコイン」が先駆的なのにいまいち普及しないのは、「発行主体がない」ことと、「匿名性」はあるけれど、「便利さ」に欠けたからである。
すると、みずほ銀行のもしやの野望は、金融庁という国家機関に、体よく踏みにじまれたことになる。

株主は黙って見ているのか?
というのも、妄想か?

そんななか、24日、中国人民銀行(中央銀行)は、仮想通貨の全面禁止を発表した。
恒大集団のデフォルトとの関係もあるけれど、果たしてこれは、デジタル・人民元はじまりの「スイッチ・オン」ではないのか?

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