ダム決壊のそのとき

川の水をせき止める「ダム」は、簡単に「功罪」をいえない難しさがあると前に書いた。
洪水を防ぐという意味では重要だけど、水が腐るので流域の土壌(農業に直接影響)と、海(漁業に直接影響)を汚染するし、砂の元の岩石を供給しなくなるから砂浜も後退させる「弊害」もあるからだ。

しかし、世の中には、人間がつくりだす別の「ダム」がある。
それが、「社会制度」というものに含まれている。
たとえば、「貿易統制」という制度によって、輸入品に関税をかけたりする。

国内の同業者「保護」という目的の「見えないダム」である。

これを、いまだに「しっかり」やっているのがわが国で、でてきた「弊害」が「内外価格差」である。
外国の安い製品が、国内で「高級品」になるのは、関税分が「高価」になるからである。

よって、国民の生活コストが総じて高いので、見た目の賃金の高さに比べて、生活水準が低いという現象になってあらわれる。
もちろん、見た目の賃金の高さをもっと増やせばいいのだけれど、この施策も政府に依存するから、どんどん下がって「並の国」になってしまった。

高い賃金分以上の利益がでるようにするのが経営者の役割だけど、政府がこれを「しなくてよい」ように甘えさせたのである。

(経営者に)優しい政府でしょう?

でも、「内外価格差」はそのままだから、たとえば、「バター」が高くて買えない、ということになって、マーガリンで代用するのがふつうの国になった。
欧米諸国へ旅行にいったことのあるひとなら、ご当地のスーパーマーケットぐらいは覗くだろう。

そこでの価格に驚くのは、まさに「内外価格差」を実感するからである。

民主化された国では、「関税」という手法は、いまでは相手国に「制裁的」な意味となって、もはや主流ではなく、保護したい国内の同業者には「補助金」を渡す手法に変換されている。
国民生活への「影響」で、「関税」よりマイルドだからである。

つまり、高いものを強制的に買わされるのは嫌だ、という「民意」が選挙をつうじて議会を動かし、それが行政への命令となるので、民主化された国で関税がつかわれなくなった理由なのだ。

このメカニズムが、「効かない国」がわが国だとしっていていい。
それは、「関税収入」を管理するための「機構(政府系組織)」が出来上がっていて、それが役人の収入源になっているからである。
つまり、国民を「搾取」する仕組みが完成しているのである。

民間で内外価格差を利用しているビジネス・モデルは、ニトリやファーストリテイリング(ユニクロ)に代表される。
いわば「FX」の物品版とかんがえればいい。
もちろん、通貨の内外価格差を利用した取引が「FX」である。

米中対立から各国に拡大している緊張によっては、この「ダムが決壊」する可能性がでてきた。
それが、奴隷労働との関係でクローズアップされだしたけど、問題の本質はもっと巨大な「政治制度」という「ダム」にある。

人間がつくりだす「目に見えないダム」は、まだあって、さいきんでは「情報」がすっかり仲間入りした。
世界の主要マスメディアや、あろうことか「ビッグテック」が、驚くほどの「偏向」をしていて、その方向がおなじだったために一般人にも見えてきてしまった。

すなわち、「左」への「例外なき偏向」である。

もはや、わざわざ「左派マスコミ」といわなくてよい。
ただ「マスコミ」といえば、通じるようになったのは人類レベルでの損失である。
むしろ、絶滅危惧種的なのは「右派マスコミ」だ。

ビッグテックのばあいは、さまざまな「投稿」を、基本的には「AI」がチェックして「検閲」している。
目星をつけた「常連」や「ブラックリスト」は、人間がチェックしているのだろう。

なので、「おこぼれ」がある。

これが、「あたらしい情報源」になった。
すなわち、「AIの限界」もあらわになってきたのである。
理由は簡単で、「AI」だろうがなんだろうが、「コンピュータは読解できない」からである。

それに、「ビッグテック」といわれる企業は、ぜんぶアメリカの会社だから、基本言語は「英語」である。
幸か不幸かをいえば、ラッキーなことに、これら企業の社員さんたちはおそらく「日本語」が不得手なのである。

だから、このひとたちがプログラムする「AI」も、日本語が不得手だ。
これで、われわれ日本語しかできない日本人は、「おこぼれ」の「恩恵」にあずかれるチャンスが、英語で検閲されるのとはちがう次元で、広がりをもっている。

そうやって、コロナの「胡散臭さ」に関する信頼できる情報がネットに、ちょろちょろと漏れ出してきて、一気に「決壊」する可能性もでてきた。
東京都を訴えた、グローバルダイニング社の、二度目の記者会見(21日)は、原告訴状に対する「被告(都)の陳述」についてのものだった。

この会見が滑稽なのは、行政府である「都」が、自身の陳述についての会見をしていないことにある。
都民を代表するのが都であり、都知事なのだから、都民への説明責任があるにきまっている。

それをしないことを都に質問しない、マスコミの間抜けさがここでも露呈した。
「記者クラブ」という、世にも珍しい「制度」が、役所情報の「強固なダム」になっているからである。

しかしながら、決壊の原因となる、「蟻の一穴」はあり得るのである。

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