ダメ上司考

世の中の「組織」には、ダメ上司が「たくさんいる」とかんがえられる。
その理由はいたって単純で、業績が振るわない組織がたくさんあるからである。

人間というものは、「思考」する動物だから、その思考の奥にある「価値観」や「思想」といったものが、じつはかなりおおくの「行動」を支配している。
これが、本能で生きるだけの「動物」と、決定的にことなる点である。

そんな人間があつまってできるのが、「集団」である。
しかし、集団には、はっきりした「目的」がないという特徴がある。
たとえば、相撲の観戦だって、広い会場に集まったひとたちは、「観戦」するだけで、あとはとくになにか参加することがない。
たまに、座布団を投げることぐらいであるけど、これも全員の義務ではない。

プロ野球観戦がつまらなくなったのは、内野席であっても、なんだか「応援を強制させられる」ことがあるからである。
ここに座るのは、こちら側のチームのファンしかいないという発想がその場の周辺におよんで、おそろしく気分を害したことがある。

それから、あまりプロ野球をみなくなった。

こうした、ひとつの場にいるだけの状態を、「集団」というのだ。
だから、わが国の特徴といわれた、「集団主義」というのは、あんがいと「虚無的」で、なんだかわからないけどみんなでやる、というイメージがある。

これが、成功体験になったのは、「粗っぽい製品」や「一律のサービス」がゆるされた時代背景があったからではなかったか?
つまり、「不足」を前提としていたので、あまねく販売・普及させることに重点をおけば十分に業績があがったし、それ以上はコスト高になったのである。

そうなると、組織としては、集団を引っぱることができれば、中間管理職としては上出来である。
すなわち、職場の構成員たちの「成熟度」は問われないばかりか、むしろ、がむしゃらに命令に服従することがよしとされてきた。

しかし、規模の大小を問わず、現代の優良企業にみられる組織は、第一に職場の成熟度からしてぜんぜんちがう。
このときの「成熟度」とは、ベテランから新入社員まで、正社員からパート・アルバイトまで、じぶんたちのやるべきことを全員が理解している状態の有無をいう。

もちろん、「成熟している」状態とは、この理解度が「広く・深い」のである。
だから、このような組織での上司の役割とは、職場の構成員の邪魔をしないことであるし、積極的に彼らをフォローすることになる。

これが、その職場のパフォーマンスを最大にするからである。
つまり、優良企業の優秀さの本質である「生産性の高さ」は、ここに源泉があるのである。

最優秀な人材を結集しても失敗するのは、これができていないからで、最優秀ではないひとたちが、ときに大逆転の成果をだすのは、これができているからである。

すなわち、職場を成熟化させることができるかできないかは、企業の命運すら左右する重大な分岐点なのである。
会計でいう「損益分岐点」などは、たんなる現象にすぎないから、まったく比較にならない小事である。

では、新入社員やパート・アルバイトまで、どうやって短期間で「成熟させる」のか?
これが、上司の役割のもっとも重い仕事になるのだ。

上司の「できる」、「できない」、「ダメ」は、ここで決まる。

・職場を成熟化させることが「できる」。
・職場を成熟化させることが「できない」が、悪化もさせない。
・職場を成熟化させることができないばかりか「ダメ」にする。

「できない」なら、その上の上司や経営者が、「できる」ようにするように差し向ければよい。
けれども、「ダメ」ならば、即座に配置転換をさせなけれなならない。

これができないなら、それは「ダメ」なひとのせいではなく、その上の上司や経営者の責任である。
ところが、「ダメ」なひとがいる理由は、その上の上司や経営者も「ダメ」だからである。

このような職場にいたら、
若ければ、転職を視野にいれる。
転職ができないなら、業務改善をじぶんでしないといけない、と覚悟する。
という、二択になる。

放置すれば、最悪「倒産」という事態になって、職場ごとなくなるから、業務改善をする覚悟はそんなに「悲壮」ではなく、むしろ、結果が最悪でも、給料をもらいながら業務改善の実験ができるとかんがえれば、無理矢理の転職にも有利になる可能性だってある。

もはや、正職員であろうがなかろうが、関係ない。

ふつう、職務契約で、パートタイムやアルバイトには、職務範囲が定められているが、「ダメ」やその上の上司や経営者が、このことを忘却していることがある。

職業訓練も含めるとかんがえれば、あんがいとパートタイムであれ、アルバイトでも、かんがえによって「都合がよい」ことにもなる。

それにしても、「ダメ」を放置する「ダメ」が、目立つのである。

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