取締役が取り締まるのは誰か?

このブログでは、何回も「資本主義」が理解できない日本人を書いてきた。
どこまで立ち返ればいいのかが問題だけれど、会社における取締役が、誰を取り締まっているのか?と質問されて、なんとこたえるのだろうか?

日本のたいていのサラリーマンは、「従業員」とこたえるかもしれない。
すると、日本企業のおおくは、従業員から社内昇格して、はれて取締役になるので、とくに「新任取締役研修」がない企業なら、従業員時代の感覚のまま、いきなり「俺様」になる快感に浸ることができる。

資本主義におけるふつうの「株式会社」なら、かならず存在する取締役は、取締役会という会議体で、「代表取締役」を選出し、取締役全員が株主総会で承認されたうえで、「代表取締役」も承認されることになっている。

株主から、経営というお仕事を委託されたのが「取締役」なのだから、そのメンバーが選んだ「代表取締役」=ふつうは「社長」を取り締まるのが取締役会の役割になる。

社長がその絶大な権限でもって暴走しないように、みんなで見張るのである。

つまり、取締役が取り締まるのは「従業員」とこたえたひとは、かなりの「資本主義音痴」である。
前述したように、そんな従業員から取締役になって、新任取締役研修を受けていないなら、かなりの確率で、「資本主義音痴」が取締役になっていると想像できる。

もちろん、新任取締役研修の内容に、「資本主義入門」とかのカリキュラムがないといけないから、新任取締役研修を受けていても、「もしや?」という不安がのこる。

これは、社会人一年生とか、学校の「公民」とかでしっておくべきレベルだが、だれも教えないから、しらないままで放置されているのである。

なぜだれも教えないのか?
それは、わが国のエリートである「オピニオンリーダー」たちが、総じて資本主義が嫌いだからだ。
戦前からの伝統で、いわゆる「左翼」や「サヨク」ということが、かっこいい、ことになっている。

その「かっこよさ」が、お笑いタレントたちに引き継がれて、なんちゃって左翼発言が蔓延して、だんだん受け手の神経がマヒする効果もあげている。
テレビやラジオを視聴してはいけない、じゅうぶんすぎる理由だ。

いわゆる「団塊の世代」とか「全共闘世代」といわれるひとたちは、いちおう戦前からの左翼ときりはなして、「戦後左翼」とくくられるものの、その根っこには戦前左翼がいる。
ただし、戦前左翼はふつう「右翼」というから、はなしが混乱するのである。

戦後左翼の明るい、反資本主義「運動」は、公務員やその中の教師が中心だったのは、「身分確定」という安全地帯があったからだ。
これに、当然マスコミもくわわるのは、大新聞の経営者が左翼だから、社をあげて資本主義はわるいことだと宣伝しまくれた。

だから、ちゃんと資本主義をおしえようにも、そうはさせないというひとたちがたくさんいて、いつの間にか、ほとんどの日本人が資本主義音痴にさせられたのである。

そんなわけで、首相をはじめとする与党の政治家たちが、アメリカ大統領やイギリス首相に、「価値観をおなじくする」というたびに、聞いている日本人の方は、なんだかわからないけど、そうなのかな?という軽い違和感につつまれるのだ。

そうか、与党のこのひとたちは「悪辣な資本主義の信奉者」だからだと、かえって勘違いの納得をする。
事実はまったくそうではない。
与党のトップ、現在の幹事長の言動がわかりやすい。

どうみても、この御仁はレッドチームの親玉国家がだいすきだ。
日本における保守政党が自民党だと無邪気にしんじるひとたちが、政党トップの幹事長をつかまえて、「なにをいっているのか?」と憤るほうがどうかしている。

おそらく、歴代幹事長で、もっとも正直なひとなのである。
自民党はレッドチームの政党である。
こう定義すれば、歴代最長の政権の政策が、あぶりだしのようによくわかる。

つまり、国をあげて、資本主義音痴になること。
これが、「国策」なのである。

だから、大企業の取締役が取り締まるのは「従業員」でただしいことになる。
取締役がトップを取り締まらない、という世界標準からして「世にも不思議なこと」が日常化したら、ゴーン氏が暴走しても誰も取り締まらなかったのだ。

ゴーン事件の数々の「犯罪行為」に、日産がゴーン氏の借金を肩代わりする「取締役会決議」をしたら、証券取引等監視委員会から「ダメ」がでて、「未遂」になったものもある。
しかし、会社法では「決議」をした事実だけで、この会社の取締役たちは、みな「共犯者」ではないか?

けれども、株主たちも資本主義音痴ばかりだから、取締役が誰を取り締まるのか?をしらない。
日産の株主の「まぬけさ」が、「検察捜査」という法務省の役人にお任せするというほどに底抜けしているのである。

捜査とはぜんぜん関係なく、株式会社としてこんな「決議に賛成した」取締役たちをなぜ解任しないのか?

「機能不全」は「死因」になるけど、わが国の資本主義が「機能不全」になっている。

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