国連安保理での爆弾証言

世の中が混沌として、何が何だかわからないことがたまに飛び出す。

2月にサブスタックで発表された、ピューリッツァー賞記者、シーモア・ハーシュ氏の「ノルドストリーム爆破の犯人はバイデンのアメリカ」という記事を、「証拠」として、ロシアが国連安全保障理事会に提訴して、国連安保理が調査することになった。

そこで招聘された「証人」が、コロンビア大学教授と、元CIA幹部のふたりのアメリカ人である。

どうしてこのふたりが選ばれたのか?の経緯についてはよくわからない。
それに、このふたりをアメリカ政府が推薦したともおもえないのは、両者ともに、現政権にとっては「うまくない」ことを証言したからである。

特に、元CIA幹部のひとが語った内容は、現代史的レベルでの衝撃発言で、今後、バイデン政権はどのように反論するか?が注目される。

彼の話とは、オバマ大統領時代に、アメリカがクリミア半島に弾道ミサイルを配備する計画があったことだった。
これは、「逆キューバ危機」である。

もちろん、ケネディ時代の1962年、ソ連のフルシチョフ政権が企んだ、キューバへのミサイル配備に、アメリカが海上封鎖をもって対抗して、世界は核戦争の一触即発に震えたことを、「キューバ危機」という。

それが、攻守を換えて、アメリカが仕掛けたという。
これに、プーチン氏の過去の発言が掘り起こされて、「ロシアのクリミア併合の直接的理由」だったことが確認された。

つまるところ、「クリミア危機」は、事実だったのである。

しかしながら、オバマ氏といえば、核廃絶の推進者として2009年のノーベル平和賞まで受賞した人物だ。
広島の原爆記念日にも、現職アメリカ大統領として初参加した実績もある。
ゆえに、日本における評価は格段に高い。

だが、この分裂症的人物は、広島訪問の翌週に、米軍の大規模な核増配備にサインした。

だから、ノーベル平和賞の胡散臭さが目立つのである。
今回の国連安保理での証言が、「事実なら」、ノーベル平和賞剥奪となっても文句はいえまい。
むしろ、人類を核戦争の危機に追いやった、戦争野郎となる。

もちろん、アメリカ民主党とは、かつて共和党主流派といわれ、いまや「RINO:Republican In Name Only」と同じムジナの、軍産複合体の代弁者だから、何を今さら感もあることは否めない。
しかし、まさか、クリミアに弾道ミサイルを配備することの事実は、初耳、なのである。

プーチン氏の発言も、クリミア併合への非難記事で打ち消され、西側マスコミで伝えたものはいなかった。

そんなわけで、国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアは、左派の誰もが否定できない「国連」というグローバルな場で、みごとな外交を展開したから、いかに左派マスコミといえども伝えないわけにはいかなくなった、ということか?

このたび、ロシアが証拠として挙げた、「ノルドストリーム爆破」が、アメリカ・バイデン政権を名指ししていることも、先月のハーシュ氏の記事をぜんぜん伝えなかった言論統制すら吹き飛ばしてしまった。

もちろん、アメリカ政府は、この証拠を全面否定しているけれど、その否定には否定するだけの証拠を挙げていないから、まったく反論になっていないばかりか、ハーシュ氏の記事の信憑性の高さをかえって証明してしまっている。

すでに、たとえうわべだけとはいえ、ヨーロッパ議会でも、ハーシュ氏の記事は衝撃をもって議論されている。
米欧同盟の具現化された組織が、NATOではあるけれど、ノルドストリームへの攻撃は、アメリカによるヨーロッパへの奇襲といっていい戦争行為だからだ。

ウクライナ支援にもともと消極的だった、フランスとドイツも、ハーシュ氏の記事は、いよいよ厭戦気分を盛り上げているだけでなく、今回の国連安全保障理事会での「証拠提出」は、アメリカそのものを孤立させはじめている。

わが国は、あくまでもアメリカ民主党のポチだけど、連邦下院がトランプ派によっているいま、外務省の官僚も、かつてない複雑な情勢に思考停止しているにちがいない。

さらに、2021年1月6日の、「議事堂襲撃事件」も、とうとう首謀者が、当時の連邦下院議長、民主党ペロシの「演出」だったことがバレだした。
下院の調査委員会は、ペロシを議会証言させる方向ですでに調整にはいっている。

クリントン夫妻、オバマ、ペロシ、それにバイデンと、これを支える超高級官僚:SESのひとたちによる、一連の悪事が、一気に「破綻」しはじめて、文字どおりの「瓦解」となってきた。

それがまた、東京地検特捜部にも波及して、どんな「逃げ口上」を作り出すものか?
岸田氏の精神状態が取り沙汰されてきたのは、偶然ではない。

それでも、なにも報じないわが国のマスコミは、これはこれで「ご立派」なのではある。

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