「国の成り立ち」というと、早合点したひとではなくて、ちゃんとしたひとほど「建国神話」をイメージするかもしれない。
しかし、今回は、「地殻」という意味の「地面」のことだ。
なので、話は億年単位となる。
地球という惑星の成り立ちは、ネット動画でも立派な情報がたくさんあって、そもそも論からはじめたら、たいていが「超新星爆発」による残骸が、あたらしい星を形成するところからになる。
これを、もっとさかのぼれば、「宇宙の誕生」という話になる。
それで「ビッグバン」に話題がうつるけれども、「その瞬間」と「その前」がいまだに「未知」なので、はなしがもつれるのである。
そんなわけで、ビッグバンよりもずっと後の、太陽系の誕生からでないと、地球の話になかなかならない。
それで超新星爆発の残骸である、「雲」が、だんだんと回転をはじめて、そのうちに重力で中心部に重い物質があつまりだす。
これが「原始太陽」になって、周辺にまだある重い物質が、固い惑星になっていく。
水星、金星、地球、火星、がそれだ。
外部にある軽いガスのかたまりは、木星、土星、になって、もっと外周の天王星や海王星はそれより重い揮発性の物質が凍って星になった。
物理法則が厳密に作用したからとはいえ、太陽からの距離が「絶妙」なおかげで、暑くも寒くもないために生命が誕生することになった地球は、偶然なる結果だとしかおもえない。
もちろん、火の玉状だった原始地球に「海」ができたことも奇跡か?
マグマの海をおおっていたのは、二酸化炭素を主とする原始大気だった。
これは、「大衝突時代」という周辺の微惑星が地球に降り注いでいたからで、それがマグマの海に溶け込んだのだ。
つまるところ、隕石がじゃんじゃん降ってきた、その衝撃で地表が熔けていた。
この微惑星の成分に、水(H2O)を6%も含むものがあるので、総じて1%程だと推定すると、いまの地球の海水の質量は、地球の質量の0.027%なので、微惑星の水(H2O)成分の40分の1程度にあたるのでだいたい理屈と合致している。
そんなこんなで、衝突する微惑星が少なくなってきたら、地表が冷えだして、雨が降りはじめて水の海ができた。
このときの雨量は、年間で「10m:10,000mm」という、現代ではありえない「超どしゃ降り」で、それが1000年続いた。
当初は硫酸の海だったけど、鉄やらの成分が海の中和に貢献して、大気は、水に溶ける二酸化炭素が減りだして、溶けない窒素が多くなった。
まだ酸素がないのは、酸素ができるには生命の誕生だけでなく、光合成ができることが条件になる。
なので、最初の生命は、「無酸素」のなかで生まれた。
当然ながら、当時の地球環境を人工的につくりだして、生命誕生の実験がおこなわれているが、いまだに成功していない。
なぜに、どうやって、生命が誕生したのか?
人類は、まだわかっていない。
「火の玉状」からずいぶん冷えて、いまの地球はあるけれど、そうはいっても内部には圧力でとんでもない「熱」が蓄積されている。
だから、地球はまだ熱い星なのである。
地殻の下にはマントルがざっと2層(上部・下部)になっている。
その下は、外核で、中心は内核という。
マントルが液状に溶けたのが、マグマだ。
どうして液状になるのかといえば、なんと「減圧」されてなるので「減圧融解」という。
海底にできる「海嶺」は、大陸プレートが離れてできる隙間に、下からの圧力でマントルが上昇し、圧力が減って自由に動ける状態から「融ける」のだ。
このマグマが上昇途中で溜まって、その出口に火山をつくる。
ところが、プレートに乗っている火山がプレートと一緒に移動してしまうので、マグマ溜まりの上にあたらしい火山ができる。
これが地上でわかるのが、ハワイ諸島からミッドウェーの島々なのである。
古い陸地はケイ酸塩の固体(SiO4と金属イオンの結晶)を主としていて、おもに「かんらん岩」でできている。
これは、「上部マントル」の主成分で、アルキメデスの原理で浮かび上がってきたから、「おり」とか「灰汁」のようなものだ。
ちなみに、わが国の義務教育で、アルキメデスの原理はカリキュラムに入っていない、という驚きがある。
だから、温暖化して北極の氷が溶けると、海水面が上昇するという「トンデモ」を、大のおとなが信じるということになっている。
地上の巨大大陸(「超大陸」)は、27億年前から、過去に6回できている。
最新の約3億年前の超大陸を「パンゲア」と呼んでいて、この大陸が分裂(大陸移動)して、現在の各大陸となったのは、小松左京の傑作『日本沈没』(1973年:昭和48年)の理論的前提だった。
しかも、日本列島はユーラシア大陸の東端にあったばかりか、フィリピン・プレートなどの大陸プレートが日本海溝などで「沈み込む」ために、ユーラシア・プレートが包丁で切ったものをまな板からすくい上げるように、移動してきたプレートの上層に堆積した土砂や生物の死骸なども、日本列島の地面の一部にしている。
だから、わが国は、複雑な構造で地面ができているのだ。
これを、ぐるぐるかき混ぜて、抜いた棒の先がポタポタ落ちて島になったという「神話」の、なんともいえない想像力にあらためて驚くのである。
むしろ、神話のできた背景のほうが、地面ができた科学より「なぜ?」が深いのである。