大阪府独自専門家会議の反省

新型コロナウイルスの対策で、政府から権限委譲された都道府県知事の行動がいろいろ「評価」されてきている。
ちゃんとした検証をプロの論客がどんなふうにやるのか?
楽しみなところではある。

なんだかよくわからないけど、「女をあげた」ということになっている都知事は、都知事選が間近ということもあって、「露出」という点においては見事だった。
一方で、「男をあげた」というのは大阪府知事ということになっている。

「ということになっている」というのは、マスコミ報道における「雰囲気」のことである。

わが国のマスコミがいつから「マスゴミ」といわれるようになったのか?
記憶に残る分岐点は、「所沢ダイオキシン騒動」がきっかけになった1999年のことだとおもう。
つまり、前世紀からマスコミは社会の役に立たなくなった。

テレビの「恣意的な報道」というのは、もちろん「放送法」に抵触するはずだが、「放送法違反」ということで「事件」になったためしはないし、放送局の親会社にあたる新聞社は、放送法の規制を受けない。

いってみれば、「言論の自由」がイコール「報道の自由」となって、これが新聞社を自由にさせるので、親会社の意向をうけた放送局も放送法を忘れることにしたのだろう。
企業における、よくある「親子関係」である。

アメリカがなんでも優れているとはいえないけれど、歴史的に「先進国」だったから、さまざまな実質的社会実験がおこなわれた国である。
それで、「あんまりだ」という反省も先進的におこなった結果、マスコミには「広告規制」というルールまである。

これは、「1%ルール」というもので、特定の広告主がメディア企業の広告収入の1%を超えてはならない、というものである。
つまり、広告主の都合のよい報道を間接的にも規制させるという狙いなのだ。

もちろん、わが国にこんなルールはない。
新聞社もその子会社のテレビ局も、「公明正大」で「偏向」なんてしていないというし、購買している読者も視聴者も、新聞に書いてあることは100%正しくて、テレビが嘘をつくはずがないと信じてきた。

だから、前世紀のおわりの「所沢ダイオキシン騒動」が「騒動」になったのである。
ほぼ連日、「ダイオキシン」という「猛毒」が「報道」されて、すっかり人類と火の関係を無視できたのは、エセ科学と科学の区別がつかない「劣化」を象徴していた。

なので、科学者は「科学が社会に負けた」と嘆じたのである。

このときの「社会」とは、マスコミを指し、それに乗じる政治家を指し、さらに乗じる新聞読者とテレビ視聴者を指す。
もちろん、政治家の背景に官僚が控えているのは、政治家のブレーンが官僚の国だからである。

それから、東日本大震災があって、原発事故になった。
所沢ダイオキシン騒動とまったくおなじ「構造」の「社会」だと証明されたのは、「所沢ダイオキシン騒動」の「反省」をしなかったからである。

そして、今回の新型コロナウイルス騒動も、ふたたびおなじ「構造」だとわかるから、日本人はぜんぜん「反省しない民族」だという近隣諸国の批判がもっともに聞こえてくるのである。

あいかわらず、「科学が社会に負け続けている」のである。

そんななか、大阪府は独自の専門家会議を開いた。
こちらは、議事録がない、という現代日本政府の得意技になった「方便=嘘」をつきませんという「反省」が、全部をユーチューブに公開している。

こうした土俵があるからか、マスコミはその一部を切り取ることに努め、政府を批判するタネならなんでもいいという、いつもの態度で「報道」する。
しかしそれが、自分たちのことも含むのだということも理解できない可能性があるから、いったいこうした報道機関の社員たちは、日本語が理解できているのか?という疑問までうまれる。

若くて「イケメン」という、横須賀の若旦那を持ち上げるマスコミは、もちろん「人物の中身」を問うことはなく、環境大臣をきょうも元気に務めていらっしゃる。
大阪にはおなじタイプの知事がいるとはいえ、こちらは辣腕弁護士である。
あの「武富士」の弁護士として、なにをやったのか?

そうした「豪腕」が、「自粛」なのに意に沿わないパチンコ店を「名指し」するのである。
パチンコの問題は、コロナ禍とは別なのに、このひとはわかっていてやるから恐ろしい。

神経反射しかしない、都知事や神奈川県知事と対極にある。

さてそれで、大阪大学の物理学教授が、「データ解析」の結果から、「外出自粛」や「営業自粛」について、まったく効果がなかったと明確にこたえたのだ。
この発言で、おもわず天を仰ぐ知事は、マスクがずれて鼻が出ている。

それにしても、「専門家会議」の出席者たちでマスクを着用していないのは、この教授ひとり。
はたして、専門家が専門家としての知見にもとづく行動をしているのか?
「公開」は、思わぬことも晒すのである。

ちゃんと「反省」をしてほしいものである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください