寝返ったカソリック

驚愕の情報がでてきた。
5月15日、英国のカソリック司教であるリチャード・ウイリアムソン氏がポーランドのワルシャワを訪問し、重要な発言をしたことが話題になっている。

ただし、このひとは独自の見解をもっていることでも知られ、ローマ法王庁との関係も「よくはない」。
1988年から2009年まで、「破門」されていた事実がある。

このことはまた、英国人らしい、ともいえる、「伝統主義」ゆえなので、「教会の近代化」にも強く反対しているのである。
それで、カソリックの伝統主義を主張する「聖ピオ十世会」に所属していたが、2012年に「追放」処分とした。

つまるところ、過激な伝統主義、ということなのだ。

これはなんだか、ファシスト党をつくったムッソリーニが、イタリア社会党の急進左派(共産党も超えた過激)だったために、とうとう「除名」されたのと、立場は真反対だが似ている。

ちなみに、「ファシズム」の語源がファシスト党なので、国家主義だから「右翼」だというのは嘘のプロパガンダで、ほんとうは共産党とおなじ立ち位置かもっと左なのが、円周上で回転して「右」にまで来た、というのが正しい。

そんなわけで、ウイリアムソン司教の発言は、読まないといけないのだ。

もちろん、ポーランドはカソリックの国で、社会主義時代を通じて教会は活動できた、というほどの信仰が厚いことで知られる。
これとまた「真逆」だったのが、世界遺産になったブルガリア正教会の「リラの聖ヨハネ修道院(「リラの僧院」ともいう)だ。

宗教が禁止された社会主義時代、この修道院も事実上閉鎖されて、ひそかに地元民が保存していたのが、いまや国を代表する観光地になったのである。

つまり、「おなじソ連圏」でも、その内部の「温度差」はかなりあった。
ポーランドを「弱腰の社会主義」といったり、「緩慢な社会主義」というひともいるけど、強権でもっても宗教弾圧ができなかった、とかんがえないとポーランド人に失礼になるのである。

だから、いまのブルガリアでも、ときの政府の「住民相互監視制度」をもってしても保存活動をしていたひとたちは、「地域を挙げて」やっていたと証明できるので、国民からの尊敬も受けている。

そんな事情を踏まえて、リチャード・ウイリアムソン司教は、その保守性の過激さで、かつてポーランド出身の教皇、ヨハネパウロ二世を、「キリスト教への理解不足」と批判したことがあるので、ポーランド人からどう観られているのかは、厳しいだろうと予測するのである。

もちろん、前任のヨハネ・パウロ一世教皇の、その任期の短さ(33日間)がさまざまな憶測を呼んで、バチカンの闇、となったままなのである。
これがまた、『ゴッドファーザー PART Ⅲ』にもなって、世界を驚かせたものだった。

現実には、バチカン銀行の「マネーローンダリング」の闇をいう。

そんなこんなで、リチャード・ウイリアムソン司教は、知りすぎたひと、でもある。

それで、ポーランドで何を言ったのか?といえば、なんと世界の指導者でもっとも「まとも」な人物は、プーチン氏だと名指ししたのである。

これは、プーチン氏を名指しして批難したローマ教皇と真逆になる発言だ。
もしや再び「破門」になるやもしれぬ。

「彼は『世界政府』に立ち向かった」と。
しかも、ポーランド・カソリック教会の婦人部の皆さんとの対談では、彼女たちは「プーチン氏支持」を表明していたとも語った。

この「戦争」について、プーチン氏は、「目的」を明確に述べているとして司教は、つぎの二つを挙げた。
・ウクライナの「非」ナチ化
・ウクライナの「非」軍事化

しかしながら、「阿呆」の集合体と化したヨーロッパは、バイデン・民主党政権(グローバル全体主義)の言いなりとなって、ロシアを潰そうとしているので、今後さらに悪化する可能性がある。

その悪化に、「人為的な飢饉」を作り出す陰謀がある。
「世界政府」は、新型コロナを策略して、対ロシアのために、ウクライナを利用する準備は2014年(「マイダン革命」)からやっていた。

そして、アメリカにはクリスチャンが多いけど、これらは悪魔に欺されている、と。
しかしながら、アメリカ人の愛国者たちは、ロシアの資源をアメリカが得ることは、愛国的だとしている。

こうした痛烈な批判をした司教は、バイデン氏について一言も触れなかったのは、バイデン氏が国家元首であると認めていないため、とも解説されている。

マイダン革命で政権を失って、ロシアに亡命したヤヌコヴィッチ氏は、ウクライナが「国家主権を失う」かもしれない、と先月発言した。
そして、「ポーランドとの併合」に触れたのだった。

これは、先月初めに、ウクライナ・ポーランド両国大統領が会談した際に合意した、「国境の廃止」の意味を言ったもので、ゼレンスキー氏は、ポーランド国民にはウクライナでの「特別な地位」を与えるとも表明したことに合致する。

日本人なら「ピン」とくる、「特別な地位」だ。
だれが仕掛けているのかも、「ピン」とくる。

しかし、ポーランドにどんなメリットがあるというのか?

そんなか、いま収穫期にあるウクライナ産小麦の輸出港マウリポリは、ロシアに制圧された。
プーチン氏は、ロシア制裁解除を条件に「輸出許可する」と発表している。

司教のいう「飢饉」を造りだしているのは誰なのか?
日本人にも、他人事ではないのである。

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