技術料の範囲

安い食材をつかった料理なのに,高い値段のときがある.
そこで,料理人に,「いい値段だね」というと,「技術料です」と答がかえってくることがある.

「レシピ」に著作権がない理由

料理の本は数々あるが,「レシピ」だけ,だと著作権はないから,「レシピ」以外の文章や写真などに著作権があるのだが,「作り方」にも著作権はない.

有名料理人の名前や顔をパッケージにだして売られている商品は,有名料理人に「出演料」を支払うことになっていて,商品開発にかかわった分は「技術顧問料」になっているだろう.成果物としての,食材「レシピ」と「作り方」は,この「技術顧問料」にふくまれる.

これは,料理人の「書いたもの」を評価するのではなく,料理人の「技術力」を評価することからうまれている.

たとえば,オムレツ.
といた卵を油をひいた熱したフライパンに流し込んで,菜箸などでかきまぜて,ある程度かたまったらへりに寄せ,フライパンを片手でもちあげ,あいているもう一方の手でフライパンの持ち手の端をたたくとまとまって完成する.
というのは,だれだってしっている.でも,できない.
「どうやったらできるの?」と質問されても,たいがいの料理人は笑うだけである.
こたえは簡単.練習するしかない,だ.
それで、「技術料」が発生する.

技術料は料理だけか?

オムレツの例でかんがえてみる.
「といた卵」というのは,もしかしら「漉している卵」かもしれない.
「油」というのは,バターなのか,植物油なのか?バターでも,「溶かしバター」かもしれない.
鉄の「フライパン」がこびりつかないのは,「手入れ」をしているからだ.
これだけでも,「作り方」の前にある作業の裾野がひろがっている.
それに,オムレツを盛り付ける「皿」もひつようだ.
材質に形状,それに絵柄デザインはどういうものを選ぶのか?

オムレツを注文したお客からすれば.
まず,おおくのばあい,シチュエーションは,朝食,だろう.
あなたは,どんな気分で朝食をとりたいとおもうだろうか?
はつらつとした気がみなぎるような朝食.
おもわず笑顔がこぼれるような気になる朝食.
さまざまあろうが,気分が落ち込むような朝食は,かんべんしてほしい.

すると,ひとが朝食にもとめているのは,「いい気分」であることがわかる.
つまり,「いい気分」で「空腹を満たしたい」のであって,「空腹を満たした」から「いい気分」なのではない.

だから,プロとして,お客を「いい気分」にさせるためのものが,「技術」なのである.
そうなると,朝食をとる場所はどうだろう?
薄暗い空間か,陽光がさしこむような空間か?
畳にすわるのか?椅子にすわるのか?
定食式か?ブフェスタイルか?

これは,「コンセプト」である.
どんな「コンセプト」なのか?をかんがえる技術があってはじめて,個別の技術が生きるのだ.

残念な経営にはコンセプトが希薄である

コンセプトはビジネスモデルを決める.
だから,コンセプトが希薄ではっきりしない宿や飲食店は,成功する可能性がひくい.
お客は,コンセプトにお金を払っている.
料理の技術料というのは,コンセプトとの結合なくしては,単なる職人技になってしまうのだ.

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