新品で最高額の電卓は3万円!

人生でおもしろい「物」をみる機会が、減っているのか増えているのか?

生まれる前からあるならば、「生まれながらに」ということでのふつうだ。
たとえば、むかしいわれたのは、「テレビっ子」だった。
生まれながらにテレビがある生活が、ふつうにあることをいった。
そのテレビも、白黒テレビか、カラーテレビで「世代」がちがう。

もちろん、「テレビっ子」をいいだした当時のおとなも、おおくは「ラジオっ子」であったろうし、その前は「?」である。
明治36年(1903年)生まれの祖父は、アポロの月着陸ニュースに、「早く死にたい」と反応した想い出がある。

なんで?と聞いたら、「お月さんにはうさぎがいる、でいいんだ」とこたえたのが不思議だった。
月にうさぎなんているわけない、といったら、「だから早く死にたい」と。
いまとなっては、なんだかわかる気がする。

「お月さんにはうさぎがいる、でいいんだ」とは、なかなか深い。

そのアポロ宇宙船に搭乗した3人の飛行士が携行していた「電卓」が、HP(ヒューレットパッカード)の、RPN式電卓だったことは有名で、当時のコンピュータよりも信頼性があったのである。

もちろん、地球から宇宙に飛び出しすためには、たった3人の搭乗員でも、超大型ロケットが必要なほど、地球の引力を振り切るにはエネルギーを要するから、携行品のグラム数も厳密に考慮される。

それで、日本人が自慢にしていいのが、『ニコンFTN』という一眼レフカメラが採用された(1971年、アポロ15号)ことである。
この「名機」は、わたしも新品を1984年に購入して、いまでも健在で手もとにある。

レンズは当然、『NIKKORレンズ』だけど、写真が趣味にはいかなかったので、スナップショット用に「広角」を指定して、その他のレンズをあきらめたままで今日に至っている。
その後、『28Ti』というまた広角の高級コンパクト・カメラを買ったが、写真の出来は比較にならず、ただコンパクトなだけだった。

これから、デジタル・カメラの時代になって、スマホのカメラ化で専用機の影が薄くなる。
たまには、旧式で撮ってみたくなるけど、適当な被写体がみつからない。
それに何より、フィルムが手軽に手に入らない時代になった。

そのスマホのアプリが進化して、たいがいの機能が付加されたら、カメラ専用機よりも多機能になった。
たとえば、部屋の面積をしりたいときに、スマホなら距離計アプリがあるし、有料にすれば画像から面積あるいは容積を割り出す機能まである。

これを、不動産開発者やらの「専用」で、カメラ単体の高精度(プロ仕様)機能にして作ってくれないものか?と、とあるメーカーの担当者にいったことがあるけれど、「社内で却下された」といわれて残念だった。
CADとデータ連携したら、様々な建築設計に便利だろうに。

さて、いまの子供たちには「生まれながらにして」が、たくさんある。
テレビっ子以降での、そのはじまりは「家庭用ゲーム機」という画期があった。
いまは、まさに「スマホ」だろうから、隔世の感とはこのことだ。

それが、たかが十数年でやってきたからである。

わたしが人生でさいしょに驚いたのは、カシオの「電卓」だった。
8ケタで、四則演算しかできないし、液晶でもなく緑色の「発光表示管」だった。
1972年発売時の価格は、12,800円。

子供がとうてい安易に買ってもらえる値段ではなかった。
当時の大卒初任給は、52,700円といわれている。
たった2年後には、8,900円になって、これをいじらしてもらったのだ。
それでも、子供にはおもちゃにもならない高級品だ。

算盤と電卓の未来予測は、圧倒的に電卓の勝利が予想されて、じっさいに算盤は強烈な衰退となった。
とはいえ、実務での圧倒的「加算計算」では、やっぱり算盤の威力は半端ないので、算盤塾に行くのを拒んだ自分がうらめしい。

いまや電卓は、100均でも簡単に手に入るので、完全にコモディティ化したけれど、実務家が使う品質の機種は、発売当時の「まま」程度になっている。

スマホの無料アプリ、100均、それの100倍する電卓のちがいはなにか?

しかして一方、コンピュータになっているスマホの電卓アプリを、プロはめったに使わないけど、関数電卓という別分野では、SwissMicrosの製品がやたら高価(約3万円)なのである。

日本製では、世界ではじめて電卓を世に出したカシオのグラフ電卓『fx-CG500』が、約2万5千円する。
この「約」は、「日本未発売」のためゆえの「逆輸入」だからである。
ライバルは、アメリカの高校生必須アイテムの「TI製グラフ電卓」にちがいない。

 

前にも書いたが、「先進国」といわれている世界各国の「(小学校)算数」と「(中学・高校)数学」の授業で、教育用電卓を使うのがふつうで、日本のように「手計算」による国はない。

もっとも、日本が「先進国なのか?」といえば、とっくにそうではないから、電卓を授業に導入しない、というのは「非先進国」として当然ではある。

なお、利権優先の日本政府(文科省)は、世界標準を突き抜けて「単価の高い」パソコンを、とにかく普及させることに躍起になっていることも前に書いた。

そんなわけで、文系数学オンチが、おそらく一生購入しないだろう、3万円の電卓に、「なにが便利なのか?」をしらないままに死んでいく、を突きつけられているともいえるから、なんだか「無念」なのである。

機械にバカにされているとも、理系設計者のドヤ顔とも、とにかく敗北感があるので、意地になって購入して、その「取説の例題」に向かって、だからなんだ?と意味不明の悔しさをぶつけるのである。

世界新発売の1972年から50年。
この間の平均インフレ率を2%としたら、12,800円×1.02の50乗を関数電卓で計算すればいい。

答は一発!34,452円。
8ケタ四則演算電卓と、値段の価値はおなじか、まだ安いのだった。

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