旅館料理は健康によいのか?

どんなものを食すと「健康によい」のかを断定するのは,あんがいむずかしい.
そのひとの体質や持病に影響されるから,万人向きのものはほとんどないだろう.それで,管理栄養士は,一般向けに「バランスがよい食事」をとるようにという.

ブリア・サヴァランが考案した「コース」は

美食といえばこのひと.とっくに古典になった「美味礼賛」の著者である.あのお菓子の「サヴァラン」も,このひとの名前を冠している.

 

で,いかにして一度の食事で満腹感を感じずにいろいろな料理をたくさん食べることができるか?を研究した成果が,いまわれわれがしる,フランス料理のコース,である.ようは,いかに血糖値を抑制しながら,食べ続けられるか?ということだ.だから,コースの最後のとどめには,かならず甘いものがでる.これで,一気に血糖値をあげて,満足感を最大化するのだ.

会席料理もこの考え方をまねたから,最後はごはんにつづいて甘いものでしめることになったのだろう.糖質二連発で,血糖値と満腹感をだす設計になっている.

生活習慣病と温泉旅館

「少子・高齢化」という,だれにも止めようがない問題をかかえるなか,高齢者の増加,すなわち生活習慣病(ちょっと前なら「成人病」)の増加を予想するのは容易である.毎年一月に厚労省は「糖尿病」罹患者数についての予測を発表している.

「予測」というのは,自覚症状がなく,医師の診断をうけずにくらしている,「かくれ患者数」の存在がそうさせている.

すでに,日本人成人の4人に一人が糖尿病あるいは予備軍といわれてひさしい.これが,食品やドリンクメーカーによる「糖質オフ」とか「無糖」商品販売合戦の正体である.それで,「糖質制限食ブーム」にもなった.

このブームに,ほとんど無反応あるいは無関心なのが,温泉旅館の料理である.

しかし,それは「料理」だけ,なのだろうか?
おそらく,会社をあげて無関心なのではないか?

「お客様のために」は嘘である

あくまでも,繁盛した昭和時代や,平成バブルのノスタルジーにひたって気持ちよくなっているすがたである.
「あのころはよかった」がこうじてくると,「いまの客はおかしい」とか「いまの客はまちがっている」という感情がわいてくる.

これを日本旅館の「天動説」という.

パーソナル・サービスができない

やる気がないからできないのだが,やる気のまえに,気づきがない.すでに利用客の半数以上が「個人」になっていても,このごにおよんで,「団体」が恋しくてしかたがない.

「団体」対応の忙しさは格別である.数十人ときには数百人が一斉に到着し,一斉に入浴,そして一同集合しての大宴会だ.上から下までおおわらわ.お祭り騒ぎである.この充実感は,ちまちました接客の「個人」では,けっして味わえないのだ.おそらく,これは脳内物質による中毒症状ではないか?禁煙ができないのとおなじ理屈だ.

つまり,興奮による刺激がほしい,ということだから,これは「経営」ではない.

「経営」なら,パーソナル・サービスは,単価増につながるきっかけになると理解する.そのかわり,パーソナル・サービスは,手間が増えるから人手がかかる.だから単価をあげられるのだが,自信がない.単価をあげることに躊躇する.

サービスの質が,いくらになるかという「換算」ができないのだ.これで「商売」といえるのか?

料理を「健康によい」にするには

いったいどういうことをする必要があるか?を書き出すとよい.

「健康によい」というのは,個人個人にとって定義がちがう.すると,その情報を,どうやって「入手」するのか?それを「保存」して,確実に「利用」するにはどうしたらよいのか?

食材の選択はどうするのか?どこに発注するのか?そのこだわりを,どうやって本人に伝える(価値に換える)のか?いちいち面倒くさいことばかりだが,せめてかんがえて,メモ書き程度でもつくってみるとよい.

こまかく検討をかさねればかさねるほど,実際にやってみたくなるだろう.

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