絶望的接客サービスが爆盛りにする

知らない街での昼食をどうするかは、ネット検索が当たり前になった。
しかし、レストランガイド的なサイトは「信用ならない」と思っているので、食べたいジャンルから「マップ検索」をすることにしている。

最近では、「SEO(Search Engine Optimization)」という、検索結果で自社サイトを露出させるための技術が普及したので、次の段階に当たる、「MEO(Map Engine Optimization)」の普及が始まっている。
要は、「Googleマップ」の地図検索で自社の場所を指し示すだけでなく、自動生成される「案内情報」機能に、自社の営業時間とかの情報を利用者に提供して、集客にあてるのである。

こうした機能の利用を、提供者である営業者側が意識的に行っているか、そうでないかは、例えば、上述した「自動生成」されて利用者の画面に出る「営業者情報」に、「ビジネスオーナーですか?」という記載の有無でわかる。
この表示があれば、提供者側は何もしていないことを指す。

もし、提供者側がなんらかの「機能設定」を、Googleマップの設定画面で行っていれば、その設定のときに「ビジネスオーナー」としての登録をすることになるから、この部分の記載はされないようになるのだ。
つまり、この一文の記載の有無が、営業者の側の「リテラシー状態」をさり気なく表現してしまっている。
なお、利用者には別途、利用状況の投稿が可能なので、従来のレストランガイドにおける「評価」と同様の情報も得られるようになっている。

さてそれで、知らない街での昼食をどうしようか?ということになった。
ジャンルとして、「そば・うどん」が頭に浮かんだので、さっそく地図検索してみたら数店舗が候補に挙がった。
初めてだからどこでもいいけど、地図なのでたまたま検索した場所から最も近い店順にアルファベットで順番表記される。

それで、「評価ポイント」はイマイチだったけど、空腹と近場という二点から、「A店」に向かうことにした。
やや遅めの昼時になったけど、店の駐車場は一杯で幸いにも1台分だけ空いていた。
「もしや人気店では?」という期待は、他県に混じって地元ナンバーの車が散見されるからである。
それに、アプローチからしてあんがいと高級店にもみえるのだ。

店内はほぼ満席状態ではあったけれど、見渡せば卓数ともに席数はさほどに多くはない。
これを、ほぼ高年の女性三人がフロアー係として仕切っている。
彼女らの「動作」は、驚くほど洗煉されてなく、そのムダな動きに思わずため息が出た。
一つのことに数回の動作を要しながら、また、三人が一つの伝票に集中してしまう「さま」は、格別にイラつかせる。

そんなわけで、入口で待たされることになったのだが、だれも下げものをしないので、空席が空席にならない。
「B店に行こう」と思いだした矢先、席に案内された。
ここから、注文に至っても紆余曲折があるけれど、詳細は省略する。

注文したのは、日替わり定食の本日は「牛丼」である。
税込み990円。
しかして、料理が届いて驚いた。
お盆に盛りそば、牛丼、みそ汁、漬物、だけでなく、ミニサラダ、冷や奴、茶碗蒸しがのっていた。

「完食できるか?」
そばは、最近食した中でいちばん美味かった。
ただし、汁がやや辛い。
牛丼は、ちゃんとした牛肉が山ほど載せてあって、これだけでも一人前はある。

副菜はどれもふつうに美味いけど、茶碗蒸しの具材だっていろいろ入っていた。
人間は空腹が満たされると幸せになってしまうものだが、サービス崩壊も一時忘れる迫力だった。
「これで990円?」
厨房にいる主人の腕前を褒めたいけれど、どこまでホールの状態を把握しているのだろうか?

いや、とっくにわかっていて、それが料理によっての「埋め合わせ」をしているのだ。
なにしろ、本日の定食があと何人前でなくなるのかすら、ホール係の三人は把握していないのだ。
作り手としては、あらかじめ数を教えているはずである。
そして、こんなドタバタが、毎日起きているだろうから、嫌でも状況は知っているにちがいない。

けれども、三人のほぼ高齢者を辞めさせられない。
補充をしようにも、応募がなかったと想像に難くない。
しかも、この席数なら二人もいれば回るはずである。
それを、補充して四人にするくらいなら、食材原価なんて目くじらを立てるほどでもない。

以上のような「計算」から、この店の「爆盛り」が生まれている、とみた。

さて、この街に再びくることがあったら、また来店すべき店であるかどうか微妙である。
これが、「評価ポイント」のイマイチならば、レストランガイド的なサイトよりよほど正直な評価をしている。
この店の主人は、この「評価」を知っているのかどうなのか?

そんなもの、見なくたってわかっている、と啖呵を切るかもしれない。

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