美人投票に転換させる業師

9月24日、小泉純一郎元首相が、「突然」自民党本部を訪問し、ミス日本グランプリを衆議院の比例候補者に推した。
対応したのは幹事長らであるという。

「突然」というなら、「ノーアポ」のことである。
いかに、元首相・元党総裁でも、ノーアポで現職幹事長に面談できるものか?
それに、小泉氏は、いま、自民党員なのだろうか?

「顔パス」というのは、経歴からして不思議は無いけど、押した美人は松野頼三元労働大臣の孫娘だという。
松野頼三で思いだすのは、ダグラス・グラマン事件で辞職し、復活を果たした選挙を「禊ぎ」といったことである。

さすがは、元海軍主計少佐である。
中曽根康弘氏と同じ階級で、同期当選でもあった。
ちなみに、「佐」が付くのは管理職で、少佐は本省係長にあたり警察なら警視がこれに相当する。

実は松野氏は、小泉純也(純一郎の父)と盟友関係にあった。
それで、純一郎氏が一年生議員のときも、後見人的な立場であったという関係だ。

子息である、松野頼久氏は、日本新党からはじまって、いまは緑の党所属の衆議院議員(6期)である。
民主党鳩山由紀夫首相のもとでは、内閣官房副長官も務めている。
だから、非自民なのだ。

当該の「美人」は、この松野頼久氏の次女である。
小泉純一郎氏からすれば、暦年の恩返しを意味する。
だから、ミス日本グランプリは本質とは関係ない、単なるカモフラージュであるけれど、美人であることに間違いはないのだろう。

さいきんは、企業の就活においても、「顔採用」が増えていると噂されている。
たとえば、営業職であれば、社内よりも営業先における「評価」が重要なので、「顔採用」の意味はあんがい重いともいえる。

外資系の企業では、提出する「履歴書」に、写真添付欄がない。
わたしが、国内ホテルから外資系金融機関に転職したとき、上司から、履歴書に写真を添付してはいけない、と注意された。
また、英国に長くいた同僚からは、履歴書に写真を貼ってあるのを見たことがないともいわれた。

すると、履歴書の書式を販売する会社は、日本企業用には写真欄あり、外資系企業用には写真欄無しという二種類を販売しないといけないだろう。
もっとも、電子書式で送信するなら、どの書式を選ぶのかを提出者本人が知っていないといけない。

外資系企業における写真の忌避は、美人かそうでないかということよりも、まずは「肌の色」を、採用にあたって考慮の対象にしないためである。
すなわち、本人の名前と職務能力そのものしか見ない、ということの担保である。

ここにおいて、年齢情報の必要性も議論の余地がある。
何度も書いたように、日本の国内企業以外は「ジョブディスクリプション」をもって採用条件としているので、そこにある職務を果たせるのであれば、年齢も性別も関係ない、ということになる。

いい悪いは横にして、これが世界標準のかんがえ方なのである。

コロナ禍における「解雇」によって、毎月1万人以上が職を失っている。
もっと増加が予想できるので、年初までの「人手不足」が嘘のような様相になっている。

すると、今後の経済再編にあたって、採用における世界標準がはじまるのか?にも注意したい。

人件費はもっとも重いコストではあるけれど、その企業の需要にあった人材こそが、唯一の利益の源泉なのである。
すると、企業側は、自社における需要はなにか?を詳しく知っていないといけない。

ただ、員数を確保すればいい、ということで済む時代はコロナとともになくなる運命にある。
また、もはや一生の就職先でもなくなる可能性だって同時に高まるけれど、企業の業務にマッチした人材を失うことは「痛い」。

すると、やっぱり採用とは「投資行為」なのである。

さてそれで、小泉純一郎氏の行動は、いったい何の意味があるのか?をかんがえると、「自民党をぶっ壊す」と叫んでいたこととの関係性が見えてくる。
確かに、小泉長期政権のあとの政権は迷走して、とうとう自民党は政権党でなくなったから、これをもって「ぶっ壊した」のだともいえる。

けれども、民主党政権がオウンゴールをしまくって、選択肢がないことだけが決め手で、第二次安倍政権が発足し、党内でも選択肢がないことだけが決め手で超長期政権になってしまった。
つまりは、自民党も「人材枯渇」で衰退しているのである。

そこにもってきて、「美人に投票せよ」という。
本当は、自身の人生のしがらみだけなのに、見事なすり替えである。
だったら、息子をちゃんと指導してほしいものだ。
これもなにもしないのは、「自民党をぶっ壊す」ためだからなのだろう。

「再生」には、スクラップ・アンド・ビルドが欠かせない。

壊すだけ壊して、あとはどうなるか?
それは、国民の能力による。

結局は、大崩壊しか再生の道はないという「一択」なのである。

以上のように、小泉純一郎氏がかんがえているとは思えないけど、「結果よければすべてよし」の大団円。
まぁ、そんなもんである。

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