習氏は「ナショナリスト」である

一昨日「グローバリズムとナショナリズム」の続きだ。

一般に、社会主義とその基礎にある「共産主義」は、「国際」が枕に付くから、これ以上の「グローバリズム」はない。
いわゆる、「共産主義インターナショナル」ができたのは、きわめて自然のことであった。

同じように、「金融資本主義」と呼ばれる、「金融」の世界も、情報化という手段を得て、「国際化」する。
最初の情報化とは、「複式簿記の発明」をいう。
文豪ゲーテをして、「人類最大の発明」と評した。

もちろん、それ以前に「貨幣の発明」という情報化もある。
これによって、物々交換の経済が一気に拡大した。
はじめは石であったり貝殻であったりしたけれど、だんだんと「鋳造」されるようになって、発行者たる政府や為政者が大儲けした。

それがとうとう、「紙幣」になったのは、紙に価値ができたのではなくて、発行者の「信用」に依存した。
なので「金(ゴールド」)に紐付けて、信用を得ることが必要だったけど、ニクソン氏がこれをやめた。

それでもドルがなんとかなっているのは、「巨大なアメリカ経済」という信用があるからだ。

大阪と江戸の商人は、「為替」を発明して、帳簿上での取り引きを完成させた。
これには、「金」と「銀」の交換レートまで関与する。
なので、算盤をつかっての計算は、ふつうの会社の経理部よりも高度なのであった。

小国が林立して、国境がコロコロ変わるヨーロッパでは、「小切手」が発明された。
旅人が日帰りできる「外国」に行っても、小切手ならば買い物ができる。
受けとった商人同士が、精算するのである。

けれども、地中海貿易で一儲けを考えたら、「保険」を掛けないと「海賊」にやられるかもしれない。
それで破産した人物と商人の攻防が、シェークスピアの『ヴェニスの商人』になった。

シェークスピアは、「喜劇」として書いたようだが、なぜか映画化されていなかった。
アル・パチーノが演じるシャイロックは、「シリアス」な役となっている。

お金を貸して利子を得る。
これが、「お金を融通する」ことでの「金融」の基本だ。
元金を不特定多数から集めたら、近代的な「銀行」になる。
別の事業で大儲けしたお金で、貸金業をやれば、なんだか昔の「後家さん」の事業のようにもみえる。

これが、「巨大化」して「強大化」したのが、いわゆる、「国際金融資本」というやつだ。
当事者にユダヤ人が多いのは、キリスト教社会にあっての職業選択の自由が「なかった」ことだとされている。

ちなみに、「利子所得=不労所得」が禁止されているイスラム社会にあっては、「イスラム金融」という「物融=ノンバンク」に近い概念が生まれた。
リースやレンタルのような仕組みで、利子ではなく、手数がかかる意味での「手数料」としている。

そんなわけで、ロシア革命のスポンサー企業が、「国際金融資本」だったといっても、驚くにはあたらない。
「儲かれば」対象は誰でもいいのである。
だから、このひとたちは、「グローバル」を舞台にして、誰にも邪魔されないで儲けたいの一心なのだ。

わが国では、儲けることを嫌う武士の血筋があるけれど、別格の社会主義のグローバリズムが大好きなので、用語としてあった「新自由主義」をこれに当ててしまった。

この作戦はうまくいって、国家が分配する社会主義が、あたかも新自由主義に対抗した「正義」にみせることができたのである。
日本人は、レプケやハイエクを読み直した方がいい。
経済の繁栄と国民生活の向上に、新自由主義は欠かせないのだ。

さてそれで、中国という、本来ならば共産主義を世界に輸出することが「国是」の国にあって、グローバリズムではなくて、ナショナリズムを推進しようというのが、習氏の目論見なのである。
これを、「毛沢東主義」という。

なので、国内経済の発展に多少の問題があっても気にしないばかりか、グローバルで儲けようとした、共産主義者としてあるまじき「金儲け主義」を「正そう」としている。
ソ連共産党と大げんかになった理由と、全く違う方向からの「内紛」なのだ。

そんなわけで、「恒大集団」の経営危機に、なんだかパットしない対応をしているのはどうしてなのか?
パッとしない割に、妙に落ち着いているようにもみえる。

資本主義の常識からしたら、この企業の決算が正しければ、もう「債務超過」は間違いない。
ならば、巨大な連鎖倒産が予想されるのは、銀行の「焦げ付き」と取引先への「未払い」が30兆円を超えるからだ。

しかし、この企業の創業者一家は、過去に多額の配当を得ていて、全員が兆円単位の資産家になったのだ。
ならば、この個人資産を没収すれば「チャラ」になるし、さらに、この一家を投獄すればよい。

おそらく、アメリカに巨額の資産を移しているはずだから、バイデン政権のうちに米国当局と話をつけて、差し押さえればいいと考えているのではないか?
トランプ政権なら、無理な交渉だったろう。

でもこの「ウルトラC」は、1回しか使えない。
これで、外国資本が逃避を開始したときに、わが国の資本はどうするのか?

「万事休す」は、恒大集団ざまぁ、ではなくて、日本企業ざまぁ、になるかもしれない。

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