観光庁作成・外客利便性向上ガイドラインの愚

暇人がなにかをしたことにしようとすると,かならずアリバイづくりをするものだが,その暇人が役人になると,たんなる言い訳のためのアリバイだったものが「命令」になるから始末が悪いどころが社会に害悪をまき散らす.
この「愚」に,政治の「愚」が掛け算されるから,にっちもさっちもいかなくなって,業界は粛々と「命令」に従うしかなくなる.

結局は出国税の使途である.このブログでは「出国税A」のことだ.
その発想の前提が,「観光先進国として」である.
これを自画自賛という.

いったいわが国のどこが「観光先進国」なのか?
それで,トイレの洋式化をせよと国家が命じるのをおかしいと思わないのか?
つまり,出国税で得たお金をばらまく項目を挙げているにすぎないのだが,これらはかならず「補助金」という形式をとるから,事業者も自腹を切ることになる.

対象は「公共交通事業者等」である.例によって「等」がある.これはなにかがわからない.
書いた役人にもわからないのではないか?
つまり,「等」としておけば,あとからどうにでもなるからだ.
これに,交通結節点に密接に関わる「関係者など」と,「など」も登場する.こちらの方は「例」として観光案内所を運営する地方自治体,経路検索情報を提供する事業者,「手ぶら観光」サービスを提供する運送事業者,とやけに具体的である.

それで,「多言語対応」がでてくるが,これは「英語」だという.
通常案内だけでなく「異常時」もやれと命じている.
当然これらには,デジタル情報がからむから,公衆無線LANサービスやSIMカードの販売も拠点を設けろという.

しかし,もっと基本的な問題は,電波法の緩和で「日本の技適マークがない端末」でも,外国人観光客なら日本国内でつかえる,ということがどういうことなのか?という問題だ.
もちろん,外国人が自国で購入した端末なら,日本の技適マークがついているはずがない.しかし,これは,日本の電波環境に適していない端末を持ち込んでいる,という認識を本人がもたないと,とんだトラブルにもなりかねない.つまり「通じにくい」と.

それに,SIMカードといっても,現状で国際空港でも販売されているものは「データSIM」だけで,通話ができない.通話にはインターネット電話を使っているのが現状だろう.
また,その価格も高価である.
これらは,日本国内の通信がまるごとガラパゴス化しているからである.これを推進したのも政府であった.

それでWI-FI環境をなんとかしろというのだろう.
公衆無線LANサービスの安全性不安は,どうにも解決ができない.
だからわたしは海外旅行にも無線ルータは必需品としている.ただし,SIMカードは現地調達だ.ヨーロッパだと,日本の1/10以上も安価で手に入る.また,音声SIMも,購入時にパスポート番号を登録される仕組みで,駅のキオスクのレジが対応している.二週間の滞在で800円ほどで間に合った.この内外価格差をどうするのか?は,そもそも国民サービスのほうに重みがあろう.

このほかの命令は,上述した洋式トイレの設置から,クレジットカード対応券売機,交通系ICカード対応,車両内の荷物置き場の確保,乗車券・指定席券・企画乗車券のネット予約環境の提供があり,「義務とはしない」もので,多言語対応の券売機,周遊パスの造成,観光案内所の設置,荷物を持たないで旅行できる環境,サイクリストへの対応があげられている.

これらをみて思うのは,事業者とは利益をえる活動をしているから,お客様からよろこばれて収益があがるなら,設備投資にかんして別に国家から命令されるいわれはない,ということである.
愚にもつかぬアイデアで,民間の自由な経営を制約するだけではないのか?
対象となる事業者団体が,われわれは乞食ではないという矜持をもってもらいたいものだが,残念ながら補助金をもらえる方法に努力の方向がいくのだろう.

決済手段については,国際標準になったNFCに対して,その上の高速処理ができるFeliCaがやはりガラパゴス化しているから,結局クレジットカード対応になってしまう.
荷物を持たないで旅行できる環境やサイクリストへの対応は,なにも外国人観光客向けだけのことではない.

外国人観光客が日本の交通手段でおどろくのが,なんといってもその高額な運賃である.
たとえば,東京・京都を新幹線で往復すれば,28,000円はする.
LCCならどこまで行けるのか?をかんがえると,強烈な値段だ.これはなにも新幹線にかぎったはなしではない.

どうやら,オリンピックと外国人観光客が,打ち出の小槌になっただけだ.
しかし,税収からの投資を必要とするものはどれなのだろう?

ムダに肥大化した政府を縮める手だてがない.
出国税Aは,出国する外国人観光客と日本国民から徴収するものだから,日本国民の負担だけではなく外国人観光客も受益者負担をするというのだろうが,国民の富を奪って外国人観光客へ差し出すのが使途としてあきらかである.つまり,所得移転させるものだ.

政府の開発独裁はいつまでたっても止まらない.
こうした役所は百害あって一利なしだから,はやく廃止にすべきであろう.

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