都合のいいことが不都合になる

「公平中立」の難しさのはなしだ。

とくに「裁判官」という、一個の人間に、職業上の要請として厳しく求められるので、どのくらい世間からうとくならないといけないものかが難しいのである。

この意味で、裁判官は人工頭脳のような、法律と判例の機械的な解釈が理想になるし、行政官も、立法府が決めたことを厳密に実行するならば、機械的なことしかできないことが望ましい。

わが国の行政府の「ムダ削減の不毛な議論」とは、立法府が決めたことをおおいに逸脱している現状があるために、なにが「ムダ」なのかという議論そのものが「ムダ」だということになってしまった。
つまり、行政府の「暴走」が、「巡航」になっている。

おなじように、司法も、行政府の「暴走」に対抗できないことでの「恣意」があって、それが前から示す、最高裁判所事務総局がもっている「裁判官の人事権」である。

この場合、人事評価基準が、立法府を介在せずに、行政官に委ねられているから、行政府の都合の見合った判決文を書くひとと、そうでないひととでの「評価」になって、圧倒的に行政府に有利なような裁判になるのである。

なので、国権の最高機関であるはずの国会の上に、行政府が君臨するという構造ができていて、司法もチェックできないでいる。
これを、「日本版ディープステート」というのである。

もちろん、役人には現役と退役の二種類があって、先輩に当たる退役組が、現役を支配する。
かつての上司と部下の関係をそのまま延長するのは、現役もいつかは退役するからである。

それで、いろんな退役先を広げたい欲求が尽きないのは、上級職だけがいい退役をするのでは、現役の中級職に申し訳が立たないという事情があるからで、とうとう初級職にもおいしい退役先をつくらないといけなくなるという「力学」があるからだ。

こうしたことを容認して、強固にした自民党が政権を維持している、もっとも重要な理由がここにある。
されど、ときの「風」から、天下り批判が起きると、自民党はとかげの尻尾切りをやる。

その「被害者」として、たまたま文部科学省事務次官だったひとがスケープゴートになって、血祭りにされた、と、本人が信じて曲げないので、政権批判を堂々とするのをマスコミが視聴率のために優遇している。

どちらさまも、自分の都合で生きてきた結果だけれども、貧乏くじを引く役回りに承服できないのは、家庭犬が自分がボスだと信じて疑わないのとおなじなのだ。
つまり、飼い主をボスだと認識できないから、飼い主からしたら飼い犬に手を噛まれたと思いこむのである。

その意味で、自民党もこうした役人も、躾がなっていない、と国民は評価するしかない。
ならば、その国民が自民党にお仕置きすればよいものだが、それがまたできない躾になっている。

「先進国」というのは、何年かしたらおなじような状況が「途上国」でも起きるから、「先進」なのであって、それが「文明国」だという意味ではない。

経済的な先進国ではとっくにない、わが国だけど、「超高齢社会」とか、「人口減少社会」が確実にやってきて、その数値がかつての人類史にないレベルで突出することが確実だから、わが国はこの分野ではまちがいなく「先進国」である。

ならば、政治・経済社会としての先進国はどこか?といえば、相変わらずアメリカだし、ヨーロッパ(EU)だ。

狭い範囲で小国がひしめくヨーロッパを「統合」させる試みは、アメリカと日本に対抗するための「第3極」としての団結だったけど、日本の没落がヨーロッパに与えたショックを、日本人がぜんぜん意識していない。

もしも、日本が相変わらずの強さだったら、いまのヨーロッパの無様もないだろう。
それが、中国に取って代わられて、うその甘言で骨抜きにされ、ヨーロッパがまんまと弛緩してしまった。

それで、相対的にロシアが強大になったように見えるのである。

ならば圧倒的な覇権国のアメリカは?といえば、ライバルのソ連を失って、節操のない金儲け主義に走ってしまった。
それが、共和党のブッシュ息子政権で露わとなったけど、その前のクリントン政権が基盤をつくったものだ。

彼らが、一部の支持者と私欲連合をつくって、じぶんたちに都合のよい「三権」に仕立てた。
しかしながら、トランプという「超人」があらわれて、せっかく築いた彼らの「利権の楼閣」を破壊しだしたのだった。

もちろん、バブル崩壊後の衰退のなかで、わが国自民党も、この世界的巨大な利権に埋もれたから、本来は「反トランプ」が当然なのに、あたかも安倍氏がトランプ氏と「盟友関係」を築いたために、ああなった、ともいえる。

過去の政権がやったインチキを、アメリカの行政・司法ともに容認してきたことを棚に置いて、トランプ氏をおとしめることに必死なのは、まさに利権の楼閣の危機があると真剣に認識しているためだろう。

その、棚に置いた理屈が、もっと加速度と破壊力を増して、ブーメランになっている。

むかしは、アメリカがクシャミをしたら、日本は風邪をひくといわれたものだが、しらないうちに死語になった感がある。
しかし、その本質は、もっと悲惨で、アメリカがクシャミをしたら日本は死んでしまうかもしれない。

これが、日本でトランプ氏を「悪」だとする大宣伝の本意なのである。

けれども、死んでしまうのがアメリカ民主党もろとも自民党なら、国民にとってはまんざらではない。

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