門前通り商店街の閑散?

浜名湖の門前通りは、「舘山寺」の門前をいうけれど、静岡市中心部の門前は、「浅間神社」である。
ここに、「門前通り商店街」という文字通りがある。
立派なアーケード街だけど、その残念な状態は舘山寺の比ではない。
おそらく、「市」は大金を商店街振興につぎ込んだはずである。

こんなになってしまうのは、全国津々浦々のことだから、いまさら特定の商店街をいってもはじまらないのは承知している。
しかしながら、県庁所在地のド真ん中にあることは、既にアドバンテージにならないことを示してもいる。
それが証拠に、静岡駅により近い「東海道の呉服町界隈」のシャッター街化がもっと目立つのである。

これは、300万都市の横浜もおなじで、かつての中心地「伊勢佐木町」は、青江三奈の歌った町名がつく「ブルース」の面影すらなく、甘いと息どころか住民のため息が聞こえてくる。
市民の購買力の低下もあるだろうが、ショッピングのための施設が急増したことが「分散」を生みだしたようにも思う。
さらに、コロナ禍(政府による)が、小資本の個人商店の気を削いだことも大きいだろう。

こうしてみると、政府の個人商店潰し策は成功し、大資本が有利な状態を作った。
5月の銀行法改正だけが政策ではない。
補償がある飲食店の話題はあるが、それ以外の対面接客業には何もないのだ。

ならば、門前町としてどんな祈願をしているのか?というと、これも不明である。
少なくとも、「祭礼」すら中止になって、境内への立ち入りにも「密に注意せよ」とある。
つまるところ、最後の神頼みも潰えてしまった。
それならば、廃業しか選択できない。

鉄道網の発達があるのは、人口密度と関係するから、地方都市に「網状」の鉄道は期待できない。
すると、自動車に依存するのは当然である。
近所の移動にも自動車を使えば、駐車場の有無が決定的な利便性と不便とを色分ける。
これも、商店街への逆風になった。

いくらか買えば無料になるショッピング・センターの大型駐車場と違って、商店街の隙間にある駐車場ではこれもできない。
しかしながら、門前町は昔からの密集があるから、参拝客用の狭い駐車場しか用意できない。
買い物の支払方法にも、様々な電子化(主に外国会社の進出)が始まったけれども、駐車場の支払における地域事情との連携がある支払方法がないのは、需要が国内ローカルだからである。

しかし、一方で「自動運転」とか「電気自動車」を、未来の姿といっている。
地に足が付いている感じがしないのは、たかが駐車場の支払管理も「未来的」にできないからである。

浜名湖を4分の3ほど回ってみて気づいたことに、ガソリンスタンドの値段表示の「高さ」がある。
調べたら、静岡県に大規模港がなく、製油所もないからだと理由の説明があった。
名古屋と横浜からガソリンが運搬されている。
それで、長野県と山梨県並の「高価が常態」となっているのだ。

今さらだけど、横浜が特段「安い」と感じたことはない。
何故か、厚木に「最安」があることを発見した。
わが家の近所のスタンドと、ときには20円/Lの差がある。
静岡駅前にあるスタンドとでは、ざっと40円/Lの差となるのである。

30Lを給油すれば、1200円も高いことになる。
生活の足としての必需品をイメージしたら、商工会議所にある「住みよい街 しずおか」は、単なるプロパガンダである。
しかし、横浜の本牧にある製油所も、人口減少という需要の縮小を理由に、経産省の命令で「廃止」が決まっている。
おなじ東京湾でも、「千葉」にある製油所が生き残るという。

開国してからの古い港である横浜港には、船舶のためのA重油の給油所はタンクローリーで運び込まれる。
戦後から整備された千葉港と製油所は、パイプラインで直結している。
それで、40円/Lの差があるのだ。
だから、経産省が作る高コスト・国民貧困化策は、やっぱりこの役所が、国家経済破壊省だとわかるのである。

そんなわけで、横浜も、もちろん神奈川県も、静岡県とおなじガソリン高の地域になると予想される。
石油会社が需要を見込んで経営することを許さない、社会主義国家としての非効率のお陰である。
しかし、ガソリンは高くておまけに二酸化炭素を排出するから、電気自動車にするのだという「政策」と無理やり合致させるのが、邪悪な日本政府が推進する国民生活無視の愚策である。

静岡の住民が、ガソリン価格をいつでも他県より高いのだと知らないはずはない。
隣の名古屋や神奈川県に「越境」すれば、すぐに気がつくことである。
なるほどそれで、コロナを理由に「越境するな」と言い出したのは、こうした「価格差」を隠蔽するためだったのかもしれない。

明日からは、山梨県に越境する予定である。
おそらく、静岡県と同等か、あるいは山梨県の方がもちっと高い。
三割の空き家率で日本一をキープする山梨県の衰退は、生活必需品の石油も日本一レベルで高負担ということに原因があるだろう。

両県をまたぐ「浅間神社」の神様(富士山)がこれをどのように見ているのか?

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