飛行機に乗れない?

クルーの病欠が相次いで、アメリカン航空では百便単位での「欠航」が相次いで話題になっている。
疑われているのが、ワクチンの副反応だ。

前に書いたように、ブリティッシュ・エアウェイズ(英国航空)でも、ワクチン接種後一週間で4人のパイロットが、それからユナイテッド航空では3人が急死して、現地では騒ぎになっているというから、世界規模で起こりうる。

ただ、幸いなことに、フライト中の発作による重大事故は起きていない。

わが国でも二大航空会社が、職域接種を開始したので、これからどうなるかが注目される。
不謹慎の誹りを免れないけれど、ひたすら「問題がない」ことを祈るばかりだ。

すべての副反応の疑いに、各国全ての政府は「関連性を否定」しているので、「正式」に副反応だと発表もできない。
しかし、パイロットだって所詮は個人の健康に係わる問題だから、接種をしたひとの不安は高まるばかりである。

乗客側にも、ワクチンパスポートの提示をもとめて、接種していないと「乗れない」ということがいわれたけれど、これも以前書いたように、逆転して「血栓のリスク」のために、ワクチン接種者「こそ」が搭乗拒否される可能性も否定できない。

まことに残念なのは、接種をしたら、「元には戻れない」という冷厳な事実があることだ。
どこまで、副反応が解明されるのか?
解明したくない政府との衝突が発生すること、必定となった。

このことの重大性は、わが国こそ深刻だ。
従順なるわが国民は、国民と政府は一体であると信じてきたのだ。
しかしあたかもグローバリズムの浸透で、企業経営における資本と経営の分離、が「正義」とされたように、政府と国民の分離が起きる。

じつは、自由と民主主義を歴史上最初に「勝ち取った」英国は、名誉革命において、国民が勝ち取ったのは、王権やその政府からであったから、自由と民主主義を推進することの「前提」には、国民と乖離した政府がある、という建て付けになっているのを承知していないといけない。

それでこその「三権分立制度」がうまれたのだ。

明治維新を遂行した、重臣たち(なかでも伊藤博文)は、明治憲法立案において、「徹底的な分権」を発想し、これを埋め込んで、しかも憲法においてすら超法規的存在の「元老院」を設けたのだ。
憲法に一切の文言がないのにふつうに存在して、内閣を牽制し、牽制される内閣も文句を一言もいわなかった。

これはいかなるメカニズムなのか?
日本には、国民と共にある天皇がいることに、欧米諸国とは決定的な違いがある。
世俗権力とまったくちがう権威としての存在で2千年も続いてきたのは、人類の奇跡なのである。

そこで、英国発祥の「国民と政府の分離」が、わが国では江戸時代にかなり歪んで、「国民と政府の一体」が信じられるようになってしまった。
もちろん、「信じ込ませた」のは幕府すなわち政府の側である。

「お上」からの押しつけに内心は反発しながらも、貧乏すぎる庶民は黙って従うもの、となった。
けれど、幕末には、それまで散発していた百姓一揆が常態化すると、マグマのごとくのエネルギーの上昇があった。

これが、下級武士に伝染した。

そうやって下級武士による政権ができたけど、「自由民権運動」という「意外」が、自然発生して、建前をつくった下級武士たちに本音をぶつけた。
明治・大正期とは、こういう時代だった。

それで、昭和の大戦争に負けたら、噴火のエネルギーがおさまったようにしぼんで、おとなたちは「政府との一体化」の安逸に逃げ込んだので、若者たちが「政府との分離」を開始した。
これが、「全共闘」だといえる。

いま話題の映画、「三島由紀夫VS東大全共闘」で、議論の「焦点」が「天皇」になる所以であり、全共闘が折れない所以でもある。

その「全共闘世代」が、後期高齢者になったら、ワクチン接種に熱心かつ積極的な、「政府との一体化」をやっている。
まことに、興味深い現象になっている。

さてそれで、後期高齢者がどのくらい飛行機に乗る需要があるのか?と、パイロットの突然死、そして乗客乗員双方に可能性がふくらむフライト中の「血栓リスク」の問題をかんがえたとき、「自動操縦」のレベル向上という技術開発が気になるのだ。

離着陸のリモート化をふくめて、地上からの操縦がどこまでできるのか?
遠隔手術の技法をつかえば、できないことはないのではないか?
鉄道の安全(自動停止)以上のレベルができれば、とにかく操縦士の「もしも」による墜落のリスクは軽減する。

ならば、機長と副操縦士のコンビは必要か?
「訓練」と「人材育成」以外の理由がなくなる。

航空会社の狙いはここか?

「怖い」とおもったら、飛行機には乗れない。

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