魚が目的ではない沼津観光

この期に及んで菅前首相が、「観光で地方創生を!」との世迷い言をネット番組で発言していて、これを、「持ち上げる」ひとがいる。

ホテルに就職してから独立してもずっと、この方面に携わってきたから何度も言うけど、「観光立国」というのは、「うそ」である。
もっといえば、日本人は「観光では喰えない」のだ。

それが証拠は、世界最大の「観光立国=スイス」とか「フランス」の、主要産業は、ぜんぜん「観光業」ではない。
あの、ピラミッドがあるエジプトだって、主要産業は「観光」ではなくて、「農業」なのだ。

いってみれば、「観光」は、オマケの「追加分」にすぎない。

だから、オマケに依存するように仕向けるのは、まったくの「愚策」だし、けっして国民を豊にしない。「国富」の話と観光は、まったく別のことである。

にもかかわらず、わが国が衰退をはじめると「反比例」して、それまでなにもしていなかった政府が、「観光局」を「観光庁」にして、どんどん予算を増加している。
それで、観光業が栄えたかといえば、単なる「インバウンドの効果」でしかなかったので、やっぱり「衰退」を加速させている。

ところが、他人の成果を「盗む」ことに長けている役人は、「インバウンドの成果」すら、自らの「手柄」として、さらなる「予算どり」の根拠として、権限の拡大と同じ意味の「天下り先の確保」をしっかりやって、本当の「成果」には興味を示さないのである。

旅行業とかホテル・旅館などを主たる就職先としてきた、大学の「観光学部」とかの卒業生は、すっかり採用がなくなったから入学希望者が減るかと思いきや、あんがいと「健闘している」のは、政府が予算をたれ流す「地方創生」の名の下にある「地域活性化事業法人」への就職が人気になっているからである。

この「カネ蔓」に目をつけて、大手旅行会社が「コンサル」とか、「アドバイザー」として、従業員を派遣して、高額な人件費負担を減らす努力をしていたら、とうとう「専門事業」として「本業の転換」をさせると発表した有名旅行会社まで登場した。

政府観光庁の「下請け」になるというのが、果たして「事業転換」といえるのかは怪しいけれど、社会主義体制下にあっては、ありえる「経営判断」であるし、これを「株主」が反対しているという話を聞かない。

もちろん、観光庁からの天下りをたっぷり採用することが、事業基盤の強化につながる一番重要な「政策」となることは想定の範囲にある。

そんなわけで、何度もいうけど、政府の予算がある限り、という「持続可能」な事業となって、表向きに大学生の新規採用もあるだろうとの「予測」から、高校卒業前に進学先を決めている、ということだろう。すると、本人の希望もしかりだけれど、「親」(いまは「保護者」という)の「意向」もないはずはないから、一家の方針として、という意味もある。

世の中を「泳ぐ」ということを推奨する両親という「おとな」の影響が、多分にあるという証拠なので、これが我が国の「社会主義化」を促進させる原動力なのだった。

さて、旅行会社の経営が傾いたのは、コロナによる旅行需要の激減があったのは承知しているけれど、その「前」から危ぶまれていたことを忘れては議論にならない。ホテルや旅館の経営者たちも「しかり」なのは、自分達の商売の「本質」を考えたことがない、という共通があることだ。

このことは、「深刻」な問題だけど、誰も気づいていない。

驚くことに、例えば旅行会社は、いまだに自分達は「旅行商品を売っている」と思い込んでいる。もちろん、宿泊事業者は、「部屋を売っている」と思い込んでいるのだ。

この目線で「しかない」ことを一切反省しないから、どんなアドバイスも役に立たないで、どこの観光地も発展しないのである。

ちゃんとした旅行をしたい消費者は、旅行会社で「旅行商品なんて買っていない」からである。もちろん、ちゃんとした消費者は、ホテルや旅館の「部屋を買っている」なんてことはない。

このタイプの旅行希望者は、旅行会社で「圧倒的な情報」を買っていたのだし、ホテルや旅館だって、「利用目的」に応じた選択をしている。

それを旅行会社が提供しなくなったので、本当は「困っている」のだけれども、「大手」ほど、どこも解決の手を差し伸べてはくれないのだ。

「人件費コストに見合わない」というのが、もっともらしい理由なのに、社内で「A B C(Activity Based Costing)]とかを導入したという話も聞いたことがない。

そんな状態でどうやって「人件費コストを営業成果」と比較評価しているのか?

わかる「はず」がないなのに、あたかも知っている「ふり」をして、社員と株主ともども「誤魔化している」のである。だから、社員と株主は「誤魔化されている」ことになる。

しかし、一方で、なんとなく生きている圧倒的多数のひとは、「条件反射」という繰り返し訓練をさせられているから、例えば「沼津」に旅行に出たら、「魚を食う」ということが頭から離れない。もちろんこれが「焼津」とか、はたまた「三浦」でも、漁港ならどこでもいい。

「生ウニ」に「イクラ」や「サーモン」がどっさり乗った「どんぶり」が人気らしいけど、沼津は北海道にあるのではない。ましてや、「人気」だというサーモンは、寄生虫が必ずいて天然ものなら決して「生食」はできないから、「養殖もの」を好んで食すという頓珍漢をやっているのに、これを不思議に思う消費者が少数派になっている。

氷点下の寒風ふきすさぶ中に、天然ものの鮭を何日もさらして「ルイベ」を作ったのは、寄生虫を凍結・殺虫させて「安全に食べる」ための工夫であった。

さては、沼津グルメは、「魚」とは別ジャンルにあるのだ。

教えてあげない。

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