「入れ子」で有名なのは、ロシアの伝統とされている人形の「マトリョーシカ」で、木でつくられた人形の胴体に人形がはいっていて、さらにまたその胴体に、という具合になっているものだ。
しかし、マトリョーシカにはオリジナルがあって、それが箱根の「ろくろ細工」だ。
こちらは「七福神」をテーマにしていて、ろくろで削り出すことから命名されている。
神奈川県の小田原や箱根には、天下の険でしられるように山がちかいばかりか、箱根は山の中だから、木材をつかった伝統工芸品がたくさんあるのだが、有名なのは箱根の「寄せ木細工」ばかりで、その他があまりしられていないのは残念だ。
ロシアといえば、民俗風習においても日本との共通性があって、たとえば「干支」がある。
あなたはなにどしうまれですか?うし年です。
日本の十二支でいう動物とロシアの十二支の動物は完全一致している。
それに、極東ロシアの学校では、第二外国語には日本語の選択肢もあって、英語のつぎに人気だというし、かつての「シベリア出兵」の影響から、醤油がふつうの調味料になっている。
ウラジオストックのイタリア料理店には、ぜんぶのテーブルにみなれた醤油差しがあったのが不思議で、おもわず質問したら「醤油がないのは変でしょ?」とのことだった。
でも、ピザパイに醤油をかけているひとは、やっぱりみなかった。
あんがい近いのに、なんにもしらないことがある。
すぐとなりのお国では、わが国との防衛情報の協定をどうするか?
「破棄」を表明して、あと数日で期限が切れる。
おどろいたのがアメリカで、14日は国防長官と統合議長というツートップが最終説得をこころみることになっている。
日本の「貿易管理強化」の撤廃を条件にするという「無理」をいいだしたのは、「交渉」ではなく「協定廃棄の理由」にしたいのだろう。
そもそも「貿易管理強化」は、重要物資の「横流し疑惑」が原因だが、この「疑惑」についての具体的反論はいまだにない。
しかし、「募集工」を「徴用工」だとしてだした判決や、「友軍」のはずの自衛隊機にレーダー照射するなどの、一連の「暴挙」にたいする日本側からの「報復」が貿易管理強化だということになって、それが日本製品の不買運動に発展したのは、わが国での報道のとおりである。
つまり、日本人のおおくは、以上の経緯から相手国政府の理不尽と、相手国国民の行動に、不信感をもつにいたっている。
もはや「レッドチーム」確定なのか?とも。
このことは、彼の国のYouTuberたちも承知していて、母国語で動画をつくると削除されるため、日本語での動画で自国を「おかしい」といって啓蒙しようとしているから、日本人視聴者からは「けなげ」という評価にもなっているけど、自国のほうからは「脅迫」されている。
ところで、前に紹介した『反日種族主義』は、YouTubeにおける動画のシリーズだったが、奇しくも14日が、日本語翻訳版書籍の発売日である。
本国でもベストセラーになったというが、残念ながら保守系の野党第一党にして、この書籍については「批判的」で、けっして「同調」していないことに、より深刻な「種族主義」がみてとれる皮肉がある。
もちろん、著者たちの「受難」はすでにはじまっている。
おそらく、日本では、ことしもっとも読まれる本になるのではないか?
これには、「我が意を得たい」という欲求が日本人側にあるからで、反日のひとたちの「情弱」ぶりと政治のポピュリズムを「哀れむ」ことになるのだろう。
しかしながら、視点の地図をさらに上からみるように引いてみれば、東アジアがみえてきて、もっと引いてみれば地球儀がみえてくる。
すると、日本列島の場所は、あらためて「まずい位置」にあることが確認できる。
アメリカと中国とロシア、それに朝鮮半島は、わが国とどういう位置関係にあるものか?
中国とロシア、それに朝鮮半島の「近さ」にくらべて、アメリカの「遠さ」は、わが国だって「レッドチーム」にはいる合理性を示していないか?
香港のデモにかんして、13日のニュースは、香港の大学に学ぶ中国人学生と、台湾人学生がそれぞれ本国へ帰るために政府が交通手段を用意したと報じた。
つまり、「逃げろ」ということの意味はなにか?
太平洋をはさんで米中が対立するなか、わが国頭上を通り越しての「空中戦」になっている。
米中経済戦争は、はたして「経済だけ」なのか?と問えば、米国議会における「香港支援法」にも、わが国は政官民すべて無関心だ。
台湾の総統選挙は来年の1月11日だからもう二ヶ月ない。
アメリカ大統領選挙は、11月3日。
中国国家主席を「国賓」として迎えるのは、桜の季節だという。
それで、首相の桜を観る会があっさり中止されたのだろうとおもえば、野党が騒いだからではないはずだがいかがか?
「贅沢は敵だ」と、戦時中のフレーズを野党がいう滑稽がある。
しかして、総統選挙後の台湾の人びとは日本の態度をどうかんじるのか?
わが国政府は、台湾を無視していることあきらかだ。
変なのは、この時期の「国賓」あつかいに、アメリカ大統領も、国務省も国防省もノーコメントなのである。
われわれが、アメリカから「哀れ」まれているかもしれない。
香港人も、台湾人も「反日」になるように仕向ける「愚」。
世界は、日本の「裏切り」を確信するだろう。
これを隠蔽するために「侍」や「武士道」ということばで飾る「オリンピック」は、愚民たちへのサーカス=娯楽提供にすぎない。
自民党政権は、「レッドチーム」の本性をむきだしにした。
そして、これに代わる政党が存在しない「哀れ」もある。
安倍首相を敵視する左派とは、近親憎悪をしているだけだ。
何のことはない、「入れ子型」なのであって、隣国国民を「哀れむ」ばあいではないのだ。
わが国はゆっくりと、しかし、確実に「レッドチーム」に向かっている。
残念なことに、香港のデモが「騒乱」になって、軍が投入されてはじめて「国賓招待」のキャンセルができる状況になっているのだ。
日本人は、この意味をしっかりかんがえるべきである。