消費税は間接税だ、は詐欺である。
消費税の正体とは、直接税(第二法人税)だと、元財務官僚にして、現法政大学小黒一正教授(経済学)が財務省の代弁者としての解説記事を書いてくれている。
まお、財務省の代弁の意味とは、消費税の根本を曝露することではなくて、消費減税をしても物価なんか下がらない、という論法で、減税のムダをプロパガンダしたいことにあった。
そのために、消費税の正体を語ってしまって、まさに「語るに落ちた」のである。
この記事は、国民必読といっていい。
これは、国民にとって重大な情報だ。
この秋からはじまった、インボイス制度がなにかをしれば、薄々感づいたひともいるだろう。
とくに、中小企業や個人事業主にとって、消費税とはなにか?を根本からかんがえさせることになったので、がめつく徴収だけしたい財務省の本音がとうとうバレたのである。
すると、法人税と並んで消費税は、二重課税の問題にもぶちあたる。
ガソリン税に消費税がかかることも、一向に解決されない二重課税だが、日本政府は国民生活を痛めつけるためのマフィア化をしている証左でもある。
内陸部の県(例えば長野県や山梨県)には、ガソリンをタンクローリーで運ばないといけないだけでも高コストになるのは当然で、ざっと20円/Lの価格差があるので、地方だから物価が安く暮らしやすいということにはならない。
どうしてパイプラインを引かないのか?
運送業界に忖度しているだけか?それともキックバックが政治家にもたらされる仕組みでもあるのか?
元財務官僚で、財務省の本音を曝露している先人といえば、高橋洋一教授であろう。
この御仁の無謬性自慢は、じゅうぶんに鼻につくことがあるものの、得意の数理については漏れのない解説をしてくれている。
その中で、もっとも重要な曝露は、政府財政をバランスシートで見たときの実態である。
たしかに巨大な債務(ざっと1400兆円)がある一方で、ほぼ同額あるいはやや多い、資産が左側にあるという。
すると、黒字分は資本の部に蓄積されて、右側にあるから、これでバランスする。
ようは、いま、チャラの状態にある。
だから、将来に負債が増える分が心配だ、ということでもある。
しかし、高橋教授は、不確実性については言及しない官僚の習性が残る手堅さがあるので、資産にあるはずのアメリカ国債がどうなるのか?は語らない。
もしも、をいわないのは、国民がかんがえろ、という意味で、それなら大学教授としての問いにもなるから、すっかり教育者になったといえるのかもしれないが。
ヨーロッパが一番だということをぜんぜん信用してはいないけど、ヨーロッパの知の伝統は、いまでも大学の「リベラルアーツ:自由七科」に残っている。
この中に、算術、幾何の二科があって、いまなら併せて数学とするのだろう。
なお、音楽もあるのはそれが「神の言葉」だとされていたからだし、人間の心を表すからだ。
数学と英語を子供に嫌いにさせる努力で以て、一部の「できる」ひとたちが支配する構造を、文科省がつくっている。
さてそれで、第二法人税たる消費税の話である。
法人税は、だれもがしっているとおり、企業の利益に課税される。
この利益とは、人件費を引き算した数字でもある。
なので、決算書には「税引前利益」の蘭と、税引きされた後の「当期利益」が記載される。
第二法人税たる消費税は、付加価値に課税されるから、法人税よりも課税対象が広いという特徴がある。
つまり、人件費が含まれることにもなる。
そこで、財務省は人件費の消費税をどうするのか?を制度設計上かんがえることになった。
そうして、外注先の人件費を消費税の対象にして、直雇いの社員やその人たちに支払う社会保障料も非課税としたのである。
すると、派遣労働が妙に流行ったけれど、これらはみな消費税の対象になるので、財務省やら国が推奨したのもムリはない。
将来、消費税率がどんどん高くなると、正規雇用の方が税負担がすくなくなることに誰かが気づくことになるだろう。
ために、国は、消費税は間接税だと、ウソをつき続けるしかないのだが、どこかでバレて信用をなくすのは、結構なことである。
もちろん、小黒教授が、どんな反論をすのかも楽しみなのである。