【憲法記念日】記念
わが国周辺の波が、いよいよ高くなってきている。
はたして、わが国は戦後体制を持ちこたえることができるのか?
もちろんそれは、「日本国憲法」がつくる秩序のことである。
けれども、またしても「黒船」によって崩壊させられそうなのだ。
その発端は、「戦狼外交」の「成果」にある。
これで、アジアの大国は、自分から世界の嫌われ者になってしまった。
自業自得を他人のせいにするのも、あちらの権力闘争で生き残るための重要条件だから、すぐさま修正がきかない。
自国内の都合が優先される。
このパターンをよくしっているのが、旧ソ連とその衛星国たちだ。
また、真剣に軍事対峙してきた「西側諸国」もしっている。
もちろん、日本国政府もしっているけど、「憲法」という自国の都合を優先させないと、政権が崩壊する。
そこで、他人事を装って、ひそかに(国民に気づかれないように)対処方法を準備するのである。
しかし、国内のマスコミは黙らせることができても、海外の報道を自由にすることができないから、漏れてくるのである。
先月28日(といっても5日前)、オーストラリアは軍事基地の増強に630億円を投じると発表したけど、兵を集める役割がある連邦内務省事務次官は「戦争に軍を派遣する準備を開始」と述べている。
この5日前の23日、わが国は幕僚広報室名で、今月11~17日までの日程で、日(陸自)・米(海兵隊)に仏(陸軍)の三国共同実動演習を実施すると発表している。
「フランス陸軍」だ。
さらに、英国は最新かつ最大の空母「クイーン・エリザベス」の処女航海で、年内にわが国に寄港する旨発表し、潜水艦をふくむ空母打撃群の艦船は、1日ポーツマスを出航した。
なお、本打撃群の「護衛」に、米海軍は駆逐艦とドイツ海軍はフリゲート艦を差し出してあたると発表されている。
英国海軍の「本隊クラス」が、アジア・太平洋海域に出向くのは、わが帝国海軍が真珠湾奇襲と同期をとったマレー沖海戦で沈めた、戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、巡洋戦艦レパルス以来の、「戦後初」なのである。
ましてや、ドイツ海軍とは!
なんだか清朝末期の義和団事件のときの、「八ヵ国連合軍」と様相が似てきているのである。
当時の8ヵ国とは、オーストリア=ハンガリー帝国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、イギリスとアメリカ。
今回は、フランス、ドイツ、日本、イギリス、アメリカ、オーストラリア、インド、そして、台湾。
さらに、デンマーク、ギリシャ、オマーン、UAE、シンガポール、ニュージーランド他といった比較的小さな国々もこれに加わり、あわせて18ヵ国になっているのである。
ここにないのは、ロシア。
しかし、水面下でどうなっているのかはわからない。
なぜなら、上述したように、いまのロシアは「反共」なのだ。
すると、グルリと「包囲網」ができるのである。
穴があくのは、ミャンマーということになる。
さて、わが国の動きとして重要なのは、先の「日米首脳会談」だ。
「バイデン政権」の「正統性」への疑いと、「実質米軍支配」という「うわさ」は除いても、政府間の「共同声明」という「証拠」を得たことが重要だ。
ここで、「台湾有事」に関し、日本は3段階の構想を示したと外国メディアが報道している。
1.単純なアメリカ軍への後方支援
2.米軍との共同作戦
3.単独で全面的に戦う
2.だけでも大騒ぎだろうけど、3. はどういう内容なのか?
ただひとつ、「台湾有事」とは、事実上のわが国の「直接的有事」にほかならないことを失念してはならない。
大陸と台湾島の間にある「台湾海峡」こそが、わが国近海における最大の「喉元」にあたる。
ヨーロッパ、アフリカを起点に、東南アジア経由でやってくる物資の全部がこの海峡を通過しているのである。
だから、ほんとうにわが国の「喉」なのだ。
絶対に武力行使を阻止しなければならない。
この海峡が戦闘海域になった瞬間、われわれ日本人は「輸入」も「輸出」もできなくなる。
じつは、アメリカをめざす太平洋航路の比ではない物量なのである。
それは、ほぼ全部の石油・天然ガスが、ここを通過していることでわかる。
台湾島の太平洋側は、黒潮の急流があって複雑な「波」が絶えずうまれる危険海域だ。
なので、巨大船ほど沈没のリスクが高いのである。
そんなわけで、かつてない軍事力が世界から集結してきている。
彼らの意図の一片に、日本防衛があるのは、幸いかなわが国経済力がいまだに巨大だからである。
西側諸国が、日本を失うことの自国への打撃を案じているのだ。
圧倒的な実力差で、大陸の野望を押し止める、という意志がはたらいている。
すると、これは戦闘なき戦争がもうはじまっていることを意味する。
生存の危機にあるのは、わが国と韓国である。
しかし、それは世界経済の終わりでもあるのだ。
さてそれで、日本国憲法をどうしたものか?
もはや、机上の空論ではすまされない現実となってきた。
2021年は、大戦が勃発した年といわれるようになるにちがいない。