25日、ロシア政府がアメリカの「大富豪」にして「活動家」、ジョージ・ソロス氏の逮捕状を出したとニュースになっている。
残念ながら、その「真偽の程は定かではない」のは、伝聞記事ばかりだからだ。
「一応」、逮捕状の罪状は、「ウクライナでの戦争の主たる推進者」となっている、らしい。
ついでに、中国政府は、氏を「世界的なテロリスト」と認定している、とも「流れている」らしい。
中国政府の話の方は、なんとなくでも察しがつくのは、ソロス氏自身が大手メディアで「習政権批判」どころか、「名指し」して大批判を繰り広げた「実績」があるからだ。
すなわち、ソロス氏が批判したのは、「国際金融資本」家として、「儲からない」ことへの不満の爆発だった。
これは、「江沢民・胡錦濤時代」が、「儲かった」ということへの当てつけだと解されている。
鄧小平・江沢民・胡錦濤の流れは、「改革・開放政策」というグローバリズムを基本として「大発展」したけれど、毛沢東を拝する現トップは、むしろナショナリストの色合いが濃い。
ただし、「共産主義」という思想は、グローバリズムを根源とするので、習氏を「ナショナリスト」と決めつけることはできない。
ここが、真性ナショナリストのプーチン氏との「決定的なちがい」なのである。
「大航海時代」から、「掠奪」や「収奪」というキーワードにおいて、グローバリズムが誕生した。
その「覇者」が、大英帝国を筆頭にした「欧州列強」であった。
なので、現代のグローバリズムの本家本元は、英・仏・蘭にある。
嘉永・安政の「不平等条約」とは、わが国が「植民地」になったことを表すけれど、武士の国を武力制圧することをあきらめたので、「半・植民地」で済んだラッキーがあったのがわが国であった。
しかも、半世紀もしないで「平等条約」に変更させたのは、明治人たちの「偉業」なのである。
よって、わが国は、「独立国」として、アジア唯一になったのだ。
そのわが国がつまずいたのは、「満州国」の独り占めだった。
とにかく、「掠奪」を正義とする、「欧米列強」とは、獲物の取り分についても、犬のように「上下関係」をルールとするのだ。
ここに、欧米人の真似っこをした、当時の日本人は「平等国:独立国」という「正義」でもって、欲深い白人たちと「同列」を演じてしまった。
当時、「独立国」こそ、珍しかったから、いまの価値観で語ってはいけない。
それで、「横取りの理屈づくり」を「目的」に、リットン調査団がやってきて、書いたのが、『リットン報告書』だったのである。
わが国では、あたかも、この報告書が「満州国の否定」という「正義」をかざされて、頭に血が上って「国際連盟脱退」という「暴挙」をしたことになっている。
しかしながら、この「報告書」には、「欧米列強に分け前をよこせ」と書いてあったのである。
その理屈は、「おいおい日本だって仲間にしてやったろう」、だから、「兄貴分の俺たちに半分ぐらいくれたっていいじゃないか、ケチはやめろ」だ。
それで、「冗談じゃない、人種差別が当たり前のお前らなんかが仲間でなんてあるものか!」と逆上して、国際連盟を脱退したのである。
だから、日本人が「逆上した」ことは、確かである。
退場するときの松岡外相の姿は、なんだか彼女を振ったときの純情高校男子のような風情なのである。
以来、(白人支配の)「連盟」というメンバー限定会員制クラブの仲間を裏切った「抜け忍」として、とうとう「ハル・ノート」を突きつけられるまでの「集団制裁・リンチ」を受けることになって、「敗戦」したら、国家が溶解するまでしゃぶりつくされている。
日本人は白人ではないけれど、アパルトヘイトで有名だった南アフリカ(=大英帝国)では、唯一、「名誉白人」という立ち位置にいたのが、日本人であった。
これが、「連盟」における当時の立ち位置の「名残」であった。
さて、なにかと話題のソロス氏だけれど、財力にものを言わせた、しかも、「サヨク支援専門」という、なんともわかりやすい使い途を曲げないことは確かな御仁ではある。
しかし、個人の財力とはいえ、さまざまな国家を相手に画策するのは、「白人」がもっている、自己都合の極地である「掠奪」のためだという、「伝統的」な発想をしているのだ。
要は、「投資」なのである。
このひとは、ハンガリー生まれ(1930年)のユダヤ人である。
「活動の拠点」は、「オープン・ソサエティ財団 (Open Society Foundations)」だ。
冒頭の「逮捕状」は、いまのところ「うわさ話」であるけれど、「本国」のハンガリー国会は、2018年6月20日に、不法移民への支援を禁止する、通称「ストップ・ソロス法」を賛成160、反対18で可決している。
違反した個人や団体に刑事罰を科すようにするとした。
この前の4月に、ハンガリー国会は、総選挙を実施していて、その「争点」となった「法案」なのである。
国民の多数が、「国家の破壊」を画策する、ソロス氏に反発した結果でもある。
このときからの首相である、ビクトル・オルバン氏は、25日、ウクライナのゼレンスキー氏がEUに求めていた軍事支援について、ハンガリーはこれを拒否した。
旧東欧圏の仲間が、もはや一枚岩ではないことを示すばかりか、ウクライナの「実態」を知っている証左でもあろう。
バイデン一家の汚職がだんだんと明らかになってきた話題のウクライナでは、ソロス氏との繋がりも疑われ出した。
そうなると、アメリカでも「逮捕状」がでるかもしれない。
90歳の大富豪の末路は、刑務所かもしれない。