世界の「極右」台頭

アルゼンチンに続いて、オランダでも、「極右」が選挙で勝利した。

それでもアルゼンチンのミレイ氏が、真性なのか偽装なのか?が疑われるのは、かつて世界経済フォーラムと関係していて、選挙中もウクライナ支援それにイスラエルとの関係重視を断言していたことに起因する。

BRICsへの加盟招待も、毅然と拒否を宣言したので、ロシア大統領府は、「今後大統領に就任してからの発言に注目し判断する」と述べたことを20日のロイターが伝えている。
なお、同記事でプーチン氏はミレイ氏に祝意を表した、とある。

ロシアにして、様子をみて見きわめたい、ということだ。

一方、オランダは、そもそもあと2年ほどもある任期を前に、ルッテ政権が崩壊したことが原因の選挙であった。
ルッテ氏は、まだ56才だが、そのまま政界からも引退すると表明したのは、潔い。

彼は、もともと保守系とみられていたのに、やっぱり世界経済フォーラムの配下にあって、グローバル全体主義を推進させられるはめに陥ったのである。

逆神のマスコミは、積極的だった移民政策が致命傷のごとく書きたてているようだけど、じっさいはそれだけのはずはない。
むしろ、オランダの破壊が、国民からの信頼の失った最大の「犯罪」なのである。

しかし、「オランダ」とはどんな国なのか?をよくしらないと、はなしはここでいったん終わる。

江戸幕府が長崎の出島で、唯一の交易国としたのは、オランダがすでにプロテスタントの国になっていたからだ。
秀吉が切支丹追放令を出した、切支丹とは、カソリック(スペイン・ポルトガル)のことである。

この両国は、ローマ教皇と三角契約を結んでいた。
それが、1494年の「トルデシリャス条約」である。
これで、北アメリカはスペイン(後にメキシコ)、南米にはポルトガルのブラジルという境界ができた。

発見されるだろうあたらしい土地についての境界を、「教皇子午線」として定め、西経46度37分としたのだ。
これで、1500年に発見されたブラジルがポルトガル領となった。

それから、英国が1588年にスペイン無敵艦隊を破って、パワーバランスが激変して、いまの世界地図の下地ができたのである。
ブラジルを除く南米大陸は、この間にスペインのものになっていた。

しかして、教皇(カソリック教会)にとっては、スペインだろうがポルトガルだろうが、かならず「ローマ・カトリックの布教」としての教皇領を捧げるという意味になるので、まったく損はない取り決めだった。

だから、宣教師がはじめにやって来て、布教と交易をして安心させながら、最後は軍がやってきてその土地を占領するというパターンになったのである。

そのスペインの飛び地が、オランダだった。

しかし、フランスを挟んで北にあるオランダは、ずっと近いドイツのルターの影響から、プロテスタントに宗派変えすることになって、分離し、独立する。
これが、オランダ独立80年戦争で、ヨーロッパ各国が落ち着いたのが、「ウエストファリア条約」となったのだった。

いまのEUを根本から支えるのが、「ウエストファリア体制」だから、昔話ではすまない。

さらに、ヨーロッパが面倒くさいのは、王家を含めた諸侯が血縁で結ばれていることで、「血で血を洗う」おぞましさは、横溝正史のドロドロどころではない。

加えて、オランダ王室は、「女系」という面倒をかかえている。
さいきん、英国もエリザベス2世の後を継いだのがチャールズ3世なので、女系になった。

序列の順番を(わざと)まちがえるひとたちは、世界の序列第一位のわが皇室も女系がいいというのは、「国体」の破壊工作なのである。

さてそれで、オランダ「王配」として特筆すべき人物が、ベルンハルト・ファン・リッペ=ビーステルフェルト王配殿下である。
ユリアナ女王の夫君であり、ベアトリクス女王の父君でもある。

しかし、この御大は、「ビルダーバーグ倶楽部」の創始者にして、婚外子を多数設けた人物で、その養育費を自腹捻出するのに、ロッキード事件にも巻きこまれて失脚した、お騒がせの人物なのだ。

「国際」がつく怪しげな機関、世界自然保護基金 (WWF)とか、偽善者の集まり、「国際ロータリークラブ」も設立した、張本人だ。

そんな、グローバル全体主義者の代表が君臨したオランダで、「極右」政権が誕生するとは、そっち方面からしたら、なかなかの事件なのである。

ただし、いまのマスコミが書き連ねる「極右」とは、ナショナリズムのことだから、マスコミの立ち位置の「極左」度合いがわかるのである。

どちらも「極」がつけば、グルッと一周して同じ穴のムジナである。

しかし、ナショナリストはグローバル全体主義にあくまでも対抗するので、やっぱり「極」をつけるのはまちがっている。

もう我慢できなくて、極端な政策をとるように各国の配下政治家に命じる、ビルダーバーグ倶楽部やその下の世界経済フォーラムが、かなり焦っていることだけは、確からしい。

これはまた、わが国でも同じことがいえるのである。

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