国際法的にいえば、台湾の「帰属問題」は、はっきりしないまま、いまにいたっている。
日本は台湾を放棄したことになっているが、それすらも「あやしい」からである。
だから、選挙でえらばれた最初の総統になった、李登輝(岩里政男)氏は、その著『台湾の主張』で、台湾は「日本領」だと主張している。
中国経済を発展させれば、自動的に「民主化される」と信じて、いろいろ援助をしてきたが、実態は、おそろしく「不純」な「援助交際」だったと、アメリカがいまさら気がついた。
ソ連が崩壊したとき、アメリカ人は無邪気に「自由化」すればうまくいくと信じたが、「自由主義」における「自由の概念」をしらなかったひとたちは、ただ好き勝手をやって、とうとう「マフィア経済の国」になってしまった。
そうなるだろうと「事前に予想」したのは、世界でただひとり、故小室直樹氏のみだった。
「社会学」が、国家の崩壊とそのゆくえをドンピシャでいいあてたのは、驚愕だった。
ソ連の崩壊によるロシアでの「苦い経験」が、ぜんぜん役に立たなかったのはなぜなのか?
アメリカ人は生まれながらにして、自由主義と資本主義をたたき込まれる。それは、まるで「空気のよう」に。
だから、自由主義と資本主義がわからない人間はいないと信じているからだ。
とは、小室氏の「論理」だから、アメリカは「二度も」間違えたことになる。
しかし、ここにきて、ようやくアメリカ人も気がつきはじめた。
超党派で対中強硬路線となっているのは、両国ともお互いの「水と油」の論争で理解したのだということだろう。
もちろん、アメリカは覇権の挑戦者を前もって叩き潰すことを「是」とする国である。
ここにきて、レッドチーム入りを画策しているわが国を「叱りつけない」のは、とりあえず「泳がせておく」ことにして、獲るモノは獲っておくという戦略にちがいない。
防衛費の「負担問題」がそれだし、カジノもそれだ。
外国に自国の防衛を依存して、それが「経済的だ」という価値観は、「双子状態」の韓国もおなじだ。
しかし、高すぎるとなると、「自主防衛」という、世界ではあたりまえの概念が出てくるから、そこのところのサジ加減がある。
アメリカからしたら、日韓を自主防衛に走らせることは、国益にかなわない。
ずっと、属国におくことが彼らの国益なのである。
だから、「護憲派」とは「究極の親米派」になる。
日本国憲法が制定されるとき、日本共産党が「軍を持たないのは国家ではない」として「九条」に反対したのは、ただしい主張であった。
米軍駐留費の一部負担のことを、「思いやり予算」という「倒錯用語」をつかうのは、ガチガチの「中華思想」にほかならない。
日韓ともに、本国よりもはげしく、より厄介な「小中華思想」の国である。
すなわち、近代人の思想をもっているものではない。
アメリカナイズされて心地よいのは、やっぱり精神が「倒錯」しているからだ。
つまり、かなりへんなひとたち、になっている。
「エキゾチック・ジャパン」とは、「異質」という意味だけれども、良い意味ばかりではないのである。
戦後、日本に見捨てられた台湾は、戦前の日本人をイメージして、「親日」だったけど、未来永劫親日とはおもえない。
もちろん、これは残念なことだけど、いまの「かなりへんなひとたち」になった日本人に「憧れる」ことがへんだからだ。
しかし、台湾の地政学的リスクは、大陸に近いことで、いつ「呑み込まれるか」という恐怖が、常にある。
それで、「少子化」の深刻さは、韓国の次に台湾にある。
わが国の少子化問題のレベルは、比較すれば相対的に「低い」ほどだ。
アメリカの対中戦略変更によって、「台湾防衛」が、東アジアにおけるアメリカ自体の信用問題になってきている。
各国が見守っいるなか、過去にないコミットをはじめた。
石油が自前になったから、中東から足ヌケをかんがえるアメリカを、どうやって引き留めるのか?が、あちらの国々の戦略になった。
さいわいかな、足ヌケできないイスラエルが存在しているのが、紛争のタネとして利用するはなしに転換した。
中東の石油に90%も依存しているわが国が、アメリカの足ヌケの後釜にならざるをえなくなったのは、大変化だが、アジアの自由主義の国々が「期待する」のは、ある意味当然である。
本音はレッドチームの親玉にかしずきたいのだが。
そんなわけで、アメリカに上手につかわれるのは、あちらの大統領がビジネスマンだからでもある。
けれども、哀しいかな、わが国の立場はアメリカの属国だし、それしか生きる道がない。
台湾は、本音は親日をとっくに卒業しているけれど、この際、やっぱり「利用したい」から、公用語に日本語を「加える」かもしれない。
いきなり「英語」にしたいのはやまやまなれど、世界で唯一、日本国以外の、「原住民会議」における「公用語が日本語」だから、少数民族のため、というれっきとした理由がある。
レッドチームにいきたい日本を牽制するのに、これ以上の妙手はない。
日本国内における「親台湾」の爆発的支持が望めるのは、まちがいないからである。
けれども、この一手は、日本も救う。
はたして、目に見えない「綱引き(神経戦)」のゆくえは、意思なき日本という国の運命を左右することまちがいない。
それにしても、ここまで「他国依存」しなければならないものか。