欧米からウクライナへの戦車の供与が、321両になるとの報道があった。
これには、英国の「チャレンジャー2(14両)」を皮切りにして、米国の「エイブラムス(31両)」、それにドイツの「レオパルト2(14両)」の合計59両が含まれている。
「その他」の262両は、どこのなにか?はわからない。
それでも、嫌がるドイツを説得したのはアメリカ・バイデン政権だから、ドイツから「お宅も出すんでしょ?」と詰め寄られて、当初出す気がなかった「エイブラムス」を出すと決めた。
これが決め手となったので、二度の世界大戦の「反省」を脱ぎ捨てて、ドイツも供与を決める「歴史」となった。
すると、なんで英国が最初に「出す」と言い出したのか?に話が戻って、「米英の結託」が見えてくるのである。
なにせ、この戦争の目的は、ロシア解体による資源の奪取と、ヨーロッパにおけるアメリカの覇権維持のためのドイツ・イジメという、二方面作戦があるからだ。
今回のドイツに戦車を、戦争当事国に供与させることとは、まさに、米英によるドイツ・イジメが功を奏したのである。
これで、メルケルが20年かけて構築した、ロシアとの蜜月は完全破壊されて、いよいよドイツも本格的参戦の準備が整ったのである。
平和を唱える政権ほど、戦争を引き起こす。
第二次大戦前の、ヨーロッパにおける「厭戦感」が、ヒトラーの台頭を許したように。
永久戦争にすると発言した、フォン・デア・ライエンEU委員長に、態度表明しないドイツを引きずり込んで、いよいよ、ヨーロッパの戦争は、「第三次」状態になった。
もう、だれも「けんかはやめて」といわなくなったのだ。
そんなわけで、わが国が80年近く「国是」としてきた、「平和主義」の仮面も剥がされて、この不純なけんかに加担させられている。
いじめっ子の英米の、パシリをやらされているのが、日・独という敗戦国なのである。
軍事のことは詳しくわからないが、これで戦況がウクライナに有利になるという「解説」があふれているのには、違和感しかない。
いつもの、プロパガンダを疑うことは当然として、戦車って何に使うのか?からはじまる違和感なのである。
しかも、そもそもいまだに「ウクライナ軍」なる軍隊は存在しているのか?からして、おおいに疑問だ。
ナチがつくった、私兵集団「アゾフ大隊」が、とっくに政府公式になったので、国軍としてのウクライナ軍はなく、「旧アゾフ大隊」のことを「ウクライナ軍」と呼んでいると思えてならない。
つまり、ウクライナ支援とは、ナチ政権支援を意味して、世界がナチスを褒め称えているのだ。
この意味で、戦勝国組合である「国連」のなかで、ロシアだけがナチと闘っていて、他はぜんぶ裏切った。
日本は、かつての日独伊三国同盟を継続して、ナチを支援して、ロシアはいまだに日露戦争の敵国としている構図なのである。
この強烈な、時代錯誤に、国民の多数が気づかない。
さてそれで、最新鋭戦車の話になる。
人類史で、「戦車」が登場したのは、一回目のヨーロッパでの大戦争だ。
これをたまたま「第一次世界大戦」といっている。
世界はヨーロッパだけだという、時代背景があったから、こういういい方になる。
これを、「乗り物」としてとらえたら、どんな運転技術が必要なのか?についての解説がない。
それに、一両だけで単独行動するのか?という疑問もある。
二両で行動するとした瞬間に、それは、「小隊」となるのが、軍という組織の常識だ。
ならば、小隊長が持つ「指揮権」とは、どんな訓練の賜なのか?
むかしの戦争ドラマの傑作に、『コンバット』(米ABC、1962年~67年:日本では、GHQの手先、TBSが放送した)があった。
フランスを戦地にした、ヨーロッパ戦線での話だから、敵はドイツ軍で、必ず正義の米軍が勝利する、戦争プロパガンダだけど、日本軍が敵でないから、日本人向けにはちょうどよかった。
なお、このドラマは、「ヒューマン・ドラマ」だといって評価するのも、プロパガンダである。
全話において、「戦略」はなく、「戦術」だけという作り方が、まさに、戦場のファンタジーであって、米軍の強さを宣伝する確固たる意思がある。
その中の、第68話だか、69話に、「戦車対歩兵」というエピソードがある。
単独行動中のドイツ軍戦車に、吾等が英雄、サンダース軍曹が単独で挑む話だ。
このドラマで「敗戦」する、ドイツ戦車は、どんな練度だったのか?はわからない。
しかし、ほぼ「メカニック」で出来ていたはずのものの操縦が、なんだか難しそうなのである。
いまの「最新鋭」とは、おそらく、「メカトロニクス」の塊なのだ。
すると、一番重要なのは、「規格」になる。
それは、燃料の規格から、弾倉と弾丸の規格とか、操作盤のエレクトロニクスとか。
はたして、各国はいかなる規格で自国戦車を設計しているのか?が、ぜんぜん報道されない。
軍事機密なら、軍事機密だといえばいい。
それにつけても、こんなにバラバラな車種を集めたら、そのメンテナンスも面倒になる。
なんだか、いろんな面倒をウクライナに持ち込んだだけではないのか?
これを、ふつうは、「パフォーマンス」という。
我々は、実態のないもので、やっている感だけを擦り込まれている?