肩こりと眼精疲労

自分がなってみないと分からないものに、「痛み」がある。
「心の痛み」と「体の痛み」があるけれど、ここでの話は「体の痛み」だ。
しかも、「肩こり」と「眼精疲労」である。
目の奥が痛い。

こんなこと、めったにならずに人生をやってきたので、「慢性」のひとからしたら、何を今さらといわれそうだが、いつまでも「止まない」というのは「拷問」的である。

原因はわかっている。
「執筆作業」のための、「無理な姿勢」と「モニターの見過ぎ」だ。
気分を変えようと、自宅から出て、電源カフェに行ったのはいいけれど、机の高さが低いのに、タブレットにかぶり付いてみていて、一発で発症した。

それでも、締切りがあるからモニターとのにらめっこは続けないといけない。
それで、「回復期」を先延ばししている。いや、それどころか、悪化しているのである。

これも、「老化」のために起きたのだろうか?

こうした「痛み」の不快は、だんだんとイライラが積もってくる。
世にいる「不機嫌な老人」の不機嫌さは、こんなところにも原因があるのだろうか?とふと思った。
そう思ったら、なんとかしないといけない。

それで、様々な妄想をはじめた。

この痛みの原因の根底には、執筆作業がある。
いまでは、ペンと原稿用紙ではなくて、パソコンが欠かせないのだけれど、執筆専用パソコンがない。
まてよ、執筆専用パソコンとは、「ワープロ専用機」のことではないか。

わが国では、そのむかし、パソコンよりも「ワープロ全盛期」という時代があった。
各メーカーが、各メーカー毎の規格で作っていたから、機種間の互換性までなかった「初期」すらあった。

結局、印刷して、紙に赤ペンをいれたものだ。

次世代の機種も自社の「シリーズ」を購入させようと、独自規格にこだわって、自滅していったメーカーも多かった。
利用者は、そんなメーカーの「姑息」を見ぬいていたのである。
あえていえば、規格を無料公開したビデオデッキの「VHSの成功」を「別物」として考えていたのだろう。

「データの互換性」は、ユーザーからしたら、「生産性」に直結したのだ。
それで、だんだんと「統一規格」に向いていったら、ソフト(今なら「アプリ」)によって、なんにでも用途変更に対応できるパソコンの進化と、アプリの進化で、ワープロ専用機がうたかたの夢のように世の中から消え去った。

そしていま、パソコンとその周辺機器の進化は、また一つのハードルをクリアしそうである。
「ウインドウズ11」が、秋にもリリースされるというし、アップルの「マック」では、昨年末に画期的な「M1チップ搭載」でバッテリーの持ちと相まって驚異的な高性能化に成功した。

動画の編集や書き込みを、一般人が家庭でやるようになって、それをネットに公開しては「稼ぐ」という働き方もうまれた。
その上での、画期的な動作を保証する高速処理機器の発達には、なるほどと思わせるものがあるけれど、もっと「アナログ」な「執筆という作業」を主とするわたしには、ぜんぜん別の世界の話なのである。

逆に、そんなトレンドのおかげて、「肩こり」と「眼精疲労」を発症したのだと思ったら、なんだか「イラつく」のである。
つまり、わたしのようなニーズに対する「発達」はないのか?
なんだか、一人で時代に取り置かれるような気分になってくるのである。

いや、そんなことはない。
おおいに困っているひとたちがいるはずだ。

そんなわけで、こんなワープロ専用機が欲しい。
・モバイルに耐えられる
・画面は目に優しい「e-インク」で、A4縦型あるいは、文字の拡大表示:詳細モニターは字が小さくて目に悪い
・キーボードは、HHK(ハッピーハッキングキーボード)同等:薄型でペチペチの打鍵感はユーザーの「パソコン入力」を舐めている
・日本語変換辞書に、類義語大シソーラス相当:国語辞典では足りない
・自動校正は当然
・フリー書式だけでなく、かゆいところに手が届く豊富なテンプレート:LaTeXモードもあっていい

むかしなら、日本メーカーが「世に問う」といった気概満点の「発明品」が数多く「新発売」されて、敗れ去っても「これでもか」とやっていた。
いまは、「売れないリスクを恐れる」文系社内官僚が「責任回避」を最優先させるから、変な提案でもして「人事」から睨まれたら元も子もないと殻にこもる技術者が萎縮して、不要な多機能をまだやっている。

良くも悪くも、挑戦的なのは中華系のメーカーになってしまった。
そのむかし、週末の羽田や成田が背広組で混雑したのは、韓国便に搭乗する技術者たちの「開発アルバイト」だった。
それから、中国便になってしまった。

こうした飛行機は、「やりがい」を乗せていたのである。

はてさて、いま手に入る「eインク13.3インチのセカンドモニター」は、10万円強、HHKが3万円。
この部材だけで、新品の高速パソコンが購入できる。

肩こりと眼精疲労が嵩じて、頭痛と吐き気がしそうである。
この原因は、「心の痛み」なのだと思う。

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