RINOをあぶり出して晒し者にする

アメリカ合衆国連邦下院議長が決まらない。

1月の新議長選出にも、100年以上ぶりという状態だったけど、それがまた、再現されている様相だ。
しかし、表面上は似たような「決まらない」ではあるけれど、今回のは、共和党内の、「RINO:Republican In Name Only:名ばかり共和党員:民主党とつるんだネオコン戦争屋」をあぶり出して、有権者にわかりやすく晒し者にしようという意図が見え隠れしている。

党内での候補者すら決まらない状況のなかで、票が割れる原因の50人強もの議員の態度が、あのひとも?というほどのRINOぶりが見えてきたからである。

あと1年と1カ月に迫っている、24年大統領選挙をにらんでの攻防なのである。

なんども書くのは、日本のメディアがわざとアメリカの仕組みを紹介しないからで、アメリカの大統領選挙とは、大統領「だけ」を選ぶものではないからである。
日本の衆議院のように、「解散・総選挙」という仕組みがないアメリカ連邦下院は、そのかわり、任期が2年しかない。

大統領選挙と同時に、連邦下院議員の総選挙があって、2年後にまた、「中間選挙」という総選挙をやる。
なので、アメリカの連邦下院議員は、忙しいのである。

日本なら、こうした選挙スケジュールだと、国会をないがしろにして地元でずっと選挙活動をする議員も出てきそうだが、アメリカではそうはいかない。
議決ごとに、誰が賛成・反対・棄権したかを、マスコミが報道するし、そのための民間団体まである。

もちろん、アメリカの政党には、「党議拘束」なる全体主義ルールはない。
なので、日本でいう、「造反」は、ふつうにあって当たり前なのだ。
それが、自律してかんがえる仕事をすべき議員というものだ。

その、「かんがえること」が、業界向けなのか?有権者向けなのか?で分かれ道となる。
RINOは、業界向けだ。

これを、有権者に晒すという作戦にでたのが、いわゆる、「トランプ派」なのである。
昨年の中間選挙で、トランプ氏の推薦を得た候補の9割が当選したからできた「派」だ。

この驚異的な数字が意味するのは、共和党内のRINO排除という動きなのである。

じっさいに、共和党内RINOとは、つい最近まで、「共和党主流派」と呼ばれていた。
その代表が、ネオコンを恥じなかったブッシュ家である。

しかしながら、ブッシュ家の地元テキサス州では、すでにブッシュ離れが形になっていて、州の司法長官選挙(これも昨年の中間選挙で同時に行われた)で、ブッシュ家から立候補した人物が、党内予備選で敗れる(相手にされない)という事態になったのである。

同じように、ブッシュ息子政権で、副大統領をやったRINOの親分、チェイニー家の後継者、リズ・チェイニーも、予備選で相手にされないばかりか、地元共和党から除名されたので、無所属で共和党予備選に出馬してみたら、話にならない結果となった。

すなわち、共和党が内部抗争をしているのは事実だが、日本の共産主義マスコミがいう、「強硬派」とは、RINO排除の強硬派といわないと、ミスリードすることになる。
つまり、ミスリードしているのである。

党内での議長候補を絞るのに、これまで「秘密投票」をしていたのが、とうとう、「公開投票」となる。

みごとに、トランプ派は、追い込み猟に成功しているのである。
あたかも、トランプ氏が推す候補が敗れたと、追い込まれているごとくに報道する、わが国のマスコミの腐り方は、現場の記者の反乱をそのうち呼ぶのではないか?

それにしても、イスラエルのことは、アメリカ合衆国連邦下院議長選びの重大性を隠すような事件となった。

これまで、バイデン一家の悪の所業がバレるたび(下院議会で4回)に、4回のトランプ起訴という事件で隠蔽してきたが、とうとうひとの命を奪ってでも隠蔽するということになっている。

共和党の下院外交委員長が、イスラエルは攻撃前にしっていた、という発言の重大性についても隠蔽しようとしている。
これを、欧米マスコミが、「真珠湾攻撃」にたとえているから、わが国のマスコミは無視しないといけない。

アメリカのルーズベルト政権は、日本海軍のハワイ攻撃をしっていたのにしらなかったことにしたのは、もはや歴史的事実であるからである。
これを口実に、選挙公約で不戦をいっていたルーズベルトは、自分の公約から解放されて、徹底参戦をした。

あくどいチャーチルは、「真珠湾攻撃」のニュースに、歓喜雀躍したのは、その回想録にあるところだ。
これでアメリカ参戦が決まり、この戦争に勝った!と。

いつから日本の追い込み猟が計画されたのか?については、林千勝氏の著作群をみれば、大局からの詳細がわかる時代になった。

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