MTP公認インストラクター

5日間の合宿を二回、合計で10日間。
昨日、この日程を終了し、公認インストラクターに認定された。
資格の元締めは、一般財団法人日本産業訓練協会である。
略して「日産訓」。あの自動車会社とは関係ない。

詳細は、協会のHPをご覧いただくとしても、「MTP」について書いておこうとおもう。

Management Training Program の略である。
カタカナにすれば、マネージメント トレーニング プログラム。
これの「先生」に認定されたわけである。

日本におけることの発端は、アメリカ空軍立川基地だったというから、終戦直後である。
占領軍として、東京の立川市にあった立川基地で、日本人従業員を募集し、たくさんのひとが就職した。

しかし、それは「烏合の衆」で、ぜんぜん効率がわるい。
こんなひとたちと死闘を繰り広げていたのかと唖然としたのは、アメリカ人将校たちであったという。
そこで、「教育」することになった。

対象者は、日本人でも管理職になった、あるいは、管理職にしたいひとたちで、組織運営のかんがえ方を体系立てて教える、というものだった。

それが、基地へ航空機の部品などを納入する企業にもひろがって、ついには「マッカーサー指令」にもなる。
すなわち、わが国製造業への学習指導が「命令」になったのである。

基地に納入する物品の品質基準を守らせるには、その会社のなかで、マネジメント体系のルールに従った活動がきっちりできなければ、製品の質に影響するとかんがえられたからである。
いまの日本からすればウソのようなはなしだが、「安かろう悪かろう」とは、メイドインジャパンの証だった時代のことである。

OECDの資料によれば、日本経済の伸び率とMTPの企業への普及率が一致していた時期が、一般に「高度成長」といわれる時代である。

バブル経済の頂点のとき、MTPの導入企業も頂点だった。
さすれば、MTPをわすれた日本企業の衰退とは、理屈どおりの事象であるともいえる。

基地での逸話がしめすように、MTPは、「初級管理者向け」の研修プログラムである。
しかし、だからといって侮ってはいけない。

それには「順番」が隠れているからだ。
立川基地という組織のトップは、当然だがアメリカ空軍の「将官」である。
その下の「佐官」や「尉官」たち将校は、みなMTPをしっている。
だから、日本人従業員のうち、初級管理者に実施して効果があがったのである。

つまり、組織のトップをふくむ上位者たちがMTPをしらないで、自社の初級管理者だけに実施すると、問題が発生する。
このプログラムの精密な設計は、組織のマネジメントについて網羅しているから、受講すれば組織マネジメントの「あるべき姿」がかならずインプットされるのだ。

それで、自社にもどれば、トップや上位者(上級管理者)が、マネジメントの「素人」にみえてしまうのである。
もちろん、それは「事実」だ。
この訓練を受けていない、トップや上位者は、まちがいなくマネジメントの「素人」である。

これは、「滑稽」でもある。
昨日まで上位と信じたひとたちが、たんに権威をかざしているだけで、中身がないことが歴然とする。
こんな素人たちに、なんで自分が従属しなければならないのか?

こういう「副作用」が、このプログラムにはある。
だから、本来の順番における対象者は、トップや上位者が先に受講していることなのである。

まるで「織物」を織るように、トップや上位者が、すでに織り上がっていて、そこに、新任管理職の横糸が一本織り込まれる、というイメージだ。
わが国を代表するメーカーは、数十年もこれをくり返してして、MTPを企業文化という「織物」にしている。

逆にいえば、トップや上位者が別の模様で織り上がってきているのに、新任管理職の横糸が別の素材や色だったら、浮き上がってしまう「ノイズ」になる。
どちらの立場からも、不幸をつくることになるのだ。

だから、この「順番」は、ものすごく重要である。

MTPの「凄み」は、組織の活性化にある。
つまり、組織が良い(上手な)方法で運営されれば、当然に企業目的や目標が達成される度合いが高まる。
裏返して、組織が悪い(下手な)方法で運営されれば、当然に無駄がふえて効率が落ちるから、業績も自助によって向上しない。

単純な原理なのである。

これは、MTPが「あらゆる組織に有効」な理由だ。
営利目的の民間企業はもちろん、町内会から部活まで、はては労働組合だって、「組織」なのだから有効なのは当然である。

すると、あとは「やる気」だけだ。
トップがみずから率先垂範して、幹部とともに受講してもよし、業界団体として、トップ同士だけで受講するもよし。

先ず隗より始めよ。

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