強風を止められない

地球環境問題というまじめな問題にたいして,不謹慎の誹りを免れないかもしれないが,ほんとうにそうなのか?と疑ってしまう.
たしかに「環境ホルモン」なぞという物質は,人類がつくった困りものであるから,これを阻止しようということに反対はしないし賛成である.しかし,環境ホルモン摂取のリスクは強くかたられるのに,食品添加物の議論は弱くないか?とおもうのだ.

都会ではあまり目立たないが,地方にでかけると巨大なソーラー発電施設をめにすることがおおい.畑の一面全部だったり,山肌全体だったりするから,ものすごく「不自然」をかんじるのだ.
これらの発電は,およそ「売電」のためのもので,自家用とはおもえない.
すると,国(経産省)がさだめた,きわめて恣意的な「公定価格」によるしかないから,おそらく現在は,かなりの「赤字」になっているのではないか.

あらぬ争いごとをあおるつもりは毛頭ないが,アメリカだったらとっくに政府がうったえられているだろうにとおもうことしばしばである.
鳴り物入りではじまったソーラー発電事業は,ことごとく不採算事業になった.
設置費用に多額の補助金を得たのに当初の売電価格が,大幅に「値下がり」したからである.
その値段が「公定」なのだから,損をしたひとがなぜうったえ出ないのか?

政府が市場に命令するとどうなるのか?の典型ではあるが,「市場」そのものが「公定」だから,事実上存在しない.これは,旧ソ連の経済体制とおなじである.
だから,こんな制度の事業に投資した者が愚かである.
なぜなら,ふつう詐欺というものは,だまされてからでないとわからないが,政府の詐欺は「市場がない」という制度設計でかんたんに見抜けるからだ.

だから,裁判をしても勝てない.
裁判所は政府の一部であるけれど,「詐欺の仕組み」からすれば,ソーラー事業は「詐欺ではない」と判断するだろうからだ.
なぜなら,最初の制度設計を読めばだれにだって「詐欺」だとわかる.詐欺師が詐欺だといっているのに,「だまされた」といったら,それは愚かである.

わたしたちは,大陸中国のひとたちをバカにする傾向があるが,かれらの政府への不信,は学んでいい.
全国に広がったソーラー発電施設は,詐欺とはいえない詐欺にかかった愚か者が,全国に存在する証拠をみせてくれる.

こうした政府への依存体質が,戦争を呼ぶのだ.
昭和10年代,対英米戦争を望んだのは国民だったという事実を,知らないふりをしていたら,とうとうしらないと思い込むようになった.
いやがる軍に「腰抜け」だ「弱虫」といってなじったのも国民を代表する新聞だった.
そうして「世論」をつくった.
その臭いが,「環境問題」にもあるのではないか?

太陽光だけが太陽エネルギーの利用ではない.
風力も,太陽の熱が地球に届いて,温度差から空気の圧力が変化してできる「風」を利用する.
ひいてはこれが,天候になるから,地球は太陽におおきく支配されている.
それを,ひとの活動の影響だけで,地球環境問題,というのは,太陽をバカにした態度ではないかとうたがうのだ.地球はどこまでひとに依存しているのだろうか?

その太陽が,数百年ぶりに活動を弱めているという.
それで,このところ「地球寒冷化」が話題になりはじめた.
17世紀から18世紀,ロンドンを流れるテムズ川は冬に氷結していた.川でスケートを楽しむ人々を描いた絵ものこっている.

さいきんでは,昨年の寒波で,ドナウ川が氷結した.
ドナウ川は,中欧諸国の流通の大動脈であるから,航行できなくなると生活に直結する問題になる.

春は風のシーズンである.
冬と夏のせめぎあいが,強い風になって吹きまくる.

21世紀になって,自然を支配したと傲慢にもおもいこんでいるわれわれの頭上を,帽子をふきとばすほどの強風がすぎていく.
この風をだれにも止められない.
止めるすべをわれわれはしらないということを,たまには思いだしてよい.

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