憲法違反?土砂災害防止法

「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」という長い名前で、略して「土砂災害防止法」に基づく警戒区域図案の公表とその説明会を神奈川県がするから出席するよう案内されたので出席してきた。

こんな法律をつくった国家公務員のセンスの悪さを県の役人にいったところでせんないが、「法律」をたてにした上から目線は、いったいなんなのかといいたくなる。

もちろん、この法律を多数決でとおした国会の無能はいうまでもない。
平成12年にできた法律だから、自民党政権時代である。
また、改正は平成29年なので、現政権の仕事である。

例によってこの法律は、国民の生命をまもるため、という名目がうたわれているが、その根拠となる背景を、あらたな宅地開発で危険な箇所が増加していることをあげている。

それで、ご丁寧に「急傾斜地崩壊危険箇所数と整備箇所数の推移」という昭和57年から平成14年までを五年刻みでつくった「棒グラフ」をもって説明してくれた。
危険箇所が41,000箇所も増加して、整備工事がぜんぜんまにあわないから、この法律がひつようなのだという。

これには、説明会最後の質問コーナーで、「どうして危険箇所数が増加しているのか?かってに崖がふえるのか?」というもっともな質問があった。
あたらしい宅地開発が原因という回答に、「その開発認可はだれがだしているのか?」とつっこまれ、「どこに住まいを建てようが個人の自由」ときたもんだから、もはや寄席演芸の一種である。

神奈川県内のがけ崩れ発生件数の説明でも、44年間(昭和49年~平成29年度)というレンジ「合計」で、県内の1/4が横浜市で発生している!という。面積で小さい横須賀がトップだが、がけ崩れの回数が問題だったのか?

「とおとい人命」ではないか?
であれば、死者や負傷者数も表記すべきだし、どうして経年のグラフではないのか?

統計の適確なつかいかたができていないのは、きわめて意図的な感情表現か、もしくはただの無能である。
霞ヶ関のお役人の統計不備は、底知れないことがよくわかった。

最初にみせられた15分もののビデオでは、全国の事例であって、神奈川県の事例ではなく、まして横浜市のものでもない。
おそろしい土石流や地滑りの映像をみせてから、土石流は金沢区の3区域のみ、地滑りは市内に対象箇所はない。
すなわち、印象操作ではないのか?

こんなにすごい被害がでた、というのは昨年の西日本豪雨での「広島県」の写真で説明されている。
このブログでも書いたが、日本列島の地質は、中央構造線でことなり、神奈川県は太平洋・フィリピンプレート、広島県は大陸側になることも無視されている。

工事には膨大な予算がひつようで、そんなカネがないから住民に危険だという認識をもたせて、危なかったら逃げるように仕向けるのがほんとうの主旨である。
もっとも危ない場所をレッドゾーン、そのしたにイエローゾーンを設けたという。

レッドゾーンは「算定式に基づき指定」というから、どんな「計算式」なのだろうかとおもったが、説明はなかった。
おそらく、バカな住民に説明してもわからないから知らんぷりしたのだろう。

どちらのゾーンでも指定されると「土地利用の制限等」があるという。
この「等」が、いつものように「くせ者」なのだが、イエローゾーンでは「警戒避難態勢の整備/横浜市」とあるだけだ。
レッド-ゾーンには、より具体的な「制限」がある。

イエローゾーンの説明図では、放送設備しか目立たないが、横浜市には地方によくある役場放送スピーカーの設置がないから、これをつけるのだろうか?
徘徊のお年寄り発見のやくにたちそうだ。

それで、質問時間のさいごに「ゾーン指定されたら個人財産の減価」にならないか?というものがあったが、県の職員は「横浜市が検討中」といって時間切れ終了となった。
ちなみに、横浜市職員も6人ほど開会時に司会者が紹介して立礼していたが、終始無言であったは、市税関係者ではなかったからだ。

法律は国土交通省の管轄だが、固定資産税は総務省、相続税は財務省になるから、「減価」についてはバラバラなのか、無視なのかもわからない。
しかし、「生命をまもる」と同時に「財産をまもる」と憲法十三条には明記されているのだから、説明がないのは不親切ではすまされない。

当該不動産の価値が減価すれば、金融庁が指示する金融機関の借入担保も減価するから、貸し渋り発生源になるだろう。
景気はおのずと悪化する可能性がある。
もっとも、景気がよくなると金利が上がって、日銀がつぎこんだ国債が大爆発するかもしれない。

目的と方法が雑だからこうなる。

日本国は、役人依存したあげく、その役人の劣化という危機に直面している。
そもそも、役人に憲法を遵守する義務感がない。
好況は日銀の破たん原因になりかねない。
とんでもない地獄の一丁目、すなわちわが国がレッドゾーンにいるのである。

地域住民を数百人集めてこれなのだ。
司会のフリーアナウンサーだけが得しただけであった。

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