このところ、連日、「株価最高値の更新!」と、相変わらず意味のない煽り記事を書いたり言ったりしているわが国のマスコミは、ほんとうに経済学とかを学んできたひとが書いたり言ったりしているのだろうか?
もう、「おとぎ話」にもならないので、念のため書いておく。
もちろん、こうした証券会社などの宣伝を信じてしまう残念な一般人も多数いるのだろうが、「何を今更」と、ちゃんとバブル時に痛い目に遭って学習したひとたちには鼻で笑われていることだろう。
残念ながら、円の水準は、100円をもってふつうとしていたのが、「半減」して、150円としてみないといけなくなった。
この円の減少した価値を、「バブル以来」と30年以上前と比較するときに考慮しないのは、どういうことなのか?といいたいのである。
たとえば、横浜を代表する、崎陽軒の「シウマイ弁当」の価格は、わたしの記憶で、170円だったのを覚えている。
おそらく、昭和40年代のことだとおもう。
いまは、税込950円となっている。
ちなみに、「消費税」は、誰が負担する税なのか?を問い詰めると、「消費税法」には、どこにも「消費者」という記述はなく、「事業者が納付する」とある、二重課税の「第二法人税」であると書いた。
ざっと50年間の時間差だとして、年率の価格上昇率を計算する。
50年の累乗根を関数電卓にて計算すれば、「答え一発!」だ。
50√(950円÷170円)≒ 1.035
つまり、3.5%/年、という上昇率である。
これを、高いとするか?安いとするか?の判断には、この50年間の平均物価上昇率と比較すればよい。
日銀のHPにある、「教えて!にちぎん」にある、
・企業物価指数で上記同様の計算をすると、1.8%。
・消費者物価指数では、3.04%。
すると、崎陽軒のシウマイ弁当は、消費者物価指数の伸び率よりもやや大きい伸びなので、割高感があるのは否めないのである。
個人的には、大好物であり、ソウルフードといってよい崎陽軒のシウマイ弁当が、高嶺の花になっていく様は、なんとも切ないものである。
では、この30年の金(ゴールド)価格推移を田中貴金属さんが提供する資料で見てみよう。
1994年の年間平均価格は、1312円(円ドルは、103.26円/ドル)だった。
同じく年間の平均価格がわかる直近では、昨年、2023年で、8834円(141.71円/ドル)だ。
単純に、8834÷1312=6.733倍。
円は、0.7287倍に減価したので、これを掛けると、4.9倍ほどとなる。
つまるところ、株価がほぼほぼ30年前を追い抜いた、というのが記事になるのは、嘘のように株価は低いままである、ということでしかない。
5倍以上になっていて、当然だからである。
もちろん、日本経済のファンダメンタルズを示すのが「株価」の本質だから、どこも改善されていない日本経済の衰退具合としてみれば、納得ができるものである。
それに、金価格については、ドルやユーロの「減価」も考慮するひつようがあるのは、金積立のパンフレットにあるように、「金は永遠の普遍価値」だと信じれば、金価格が上昇しているのではなくて、すべての通貨が減価していることになるからである。
また、「ビッグモーター事件」から、株主たる損保がズブズブの関係であったことを踏まえて、金融庁は、政策持ち株(むかしの「株式持ち合い」)の売却を行うように、損保、生保に促している。
この金融庁の「政策」が、外国投資家の日本企業買い、に大きく貢献することにもなりかねないが、それもまた、広い意味で岸田首相がいう、日本投資促進だとしたら、やっぱり、岸田政権は、「できる!」といわざるをえない。
当然だが、国民の不幸は深まるのだけど。
あゝそれなのに、それなのに、「将来の日本経済の復調に期待が集まる」と書く新聞記者の頭脳は、なにか変なお薬にでも冒されていないか?と心配になるのである。
少なとも、読んだり見聞きする価値はない、「ゴミ」情報である。