昨年9月29日の「ロシア通信社ノーボスチ」が伝えた記事が、いまごろになって出てきている。
内容は、ウクライナから外国に逃れたひとが、「徴兵」を事実上拒否することに通じる、外国におけるウクライナ領事館(大使館などの公館)でのパスポート更新をしないで放置しても、そのような期限切れパスポートを持ったウクライナ人のロシアへの入国を許可する、というものである。
実際に、ウクライナで今月発効した「新・動員法」では、徴兵年齢の引き下げだけでなく、徴兵を拒否した場合の(現行犯)逮捕権を、警察官その他の官憲に付与するもので、また、外国に滞在中の徴兵適齢者には、事実上の帰国命令を発したのである。
よって、外国滞在中の徴兵適齢ウクライナ人は、パスポートの更新手続きをしに領事館を訪ねたら、直ちに身柄を拘束されて強制的に帰国処分となるから、誰も公館に寄り付かなくなってしまったのである。
こうした強権的な政策の実行には、ゼレンスキー氏の大統領「任期」が、来月19日に満了となり、戦時戒厳令下での大統領選挙をやらなかったために、この日以降の「大統領不在」が憲法上は確定してしまっていることも関連する。
貪欲な戦争屋たちは、「ウクライナ人は最後のひとりまで戦え」と、自らは安全地帯から鼓舞して、驚くことにまじめな日本人の多くもこの論調に「正義」を感じている。
明文化された憲法があろうがなかろうが、それを護る気もない為政者がいて、護らせる国民の気概もなくなると、どうにでもなる、ということがこれでわかるのだが、超鈍感な日本人は絶望的にわからないのである。
まったく、先の戦争を反省しない不真面目(自虐史観)な態度の結果が、お粗末なプロパガンダを信じるという愚かさを露呈していることに、あろうことかぜんぜん気づいてもいない。
個人的な話になるが、半世紀前からの付き合いがある、中学時代の同級生たちでさえ、これらの仲間になっていて、飲み会でさえもわたしの口を封じようとするのである。
そこまでにしておきな、と。
奇妙なことに、「怒り出す」のは、もしや更年期かアルツハイマーの初期かと疑いつつも、しつこくいうのがわたしの性分なので、まさかウクライナが戦闘でも有利にあると信じているのか?と念をおすと、ロシアが勝っている証拠がない、とまでいうから、完全に「NHK脳」に侵されていると確認して黙ることにしている。
べつだん老いた同級生たち相手にいまさらマウントをとっても意味がないからだが、あとから一部のひとたちがそっと同意をつげてくれるのも同級生のよしみなのかもしれない。
大河ドラマなら『おんな太閤記』以来、ずっと観ておらず、朝の連続ドラマを最後に観たのはどの作品だったかも思い出せなくなりつつあるが、たいがいのヒロインたちが戦前生まれのひとだったので、作中の関係者が「赤紙」によって召集される場面なら紙のクズほどもたくさんあった。
それが、どんなに理不尽なことかを強調するのがNHKによる後出しジャンケンの掟で、本当のリアルな放送では「兵隊さん」とその家族をどんなにか「名誉」だと煽ったことか。
その煽りにそのまま乗って、反対者を「非国民」と非難したのは、「マスク警察」出現の精神構造とどこもかわっていない。
だから、『おしん』では、亭主の竜三が軍の協力者だったことに責任をとって自害させる話にしたのは、作者、橋田壽賀子の女目線による厳しい「反省」があったからだろう。
実際の日本人は、いまの河野太郎のように見苦しい責任逃れをして、本当に逃げ切っていたし、公職追放になったひとより、敗戦利得者の方が今に続いて上級国民化しているのである。
腐ったアメリカは、民主党だけでなく共和党RINOの連中も束になって、ウクライナ支援予算を通過させ、ウクライナ人のミンチ化・根絶やしに加担して、こんな理不尽を許すまじとするトランプ派は敗北してしまった。
ときをおかず、民主党はトランプ氏が暗殺されることを促す、大統領職にあった人物の身辺警護を解く法案も提出した。
対してイランのイスラエルへの反撃は、サウジをはじめ湾岸産油国が領内(領土と領海)からの米軍の軍事行動を禁止する声明に支えられて、大量のドローンによる飽和攻撃に時間差の巡航ミサイル(弾頭なし)で、これ見よがしの外交的大成功をおさめ、アメリカの中東におけるプレゼンスが消滅したも同然の大勝利をイランにもたらした。
16日のUAEの大水害は、狂ったアメリカが気候兵器を作動させたのか?と疑いたくなるタイミングで起きたけど、この復興支援の方が、よほどわが国の石油確保に有益だ。
カネによる新しい独裁的恐怖政治が、アメリカひいては西側で、はじまっているのを尻目に、世界は流動的になっている。
ましてや、西側から経済制裁を受けて疲弊しているはずのロシア経済は、IMFも隠せない活況にある。
この理由はかんたんで、ロシアが「自由経済圏」だからである。
もしや、トランプ氏がロシアに亡命する日が来るのではないか?
それで、亡命アメリカ政府とアメリカ民主党(実質共産党)政府の攻防が、日本に飛び火するかもしれないという、新しいシナリオができた気がする。
もちろん、日本政府は邪悪な民主党の支店だから、いよいよロシアと対峙するが、それが「同盟国中国」と思わずいった岸田氏の頭の中にある「地図」だとすれば、もはやこれまで、なのかもしれない。
そんなわけで、日本人は最後のひとりまでロシアと闘え、と次にいわれ出して、その気になったらもう、ウクライナと同じ運命がまっている。
この話に、台湾と韓国がでてこないのは、特殊出生率でわかる「滅亡」が、放っておいてもそうなるからで、わざわざカネと人員をかけてちょっかいを出すまでもないからである。
東アジアの状況は、日清・日露戦争前の状況にいよいよソックリな様相を示しているが、敵の進化に対して、日本やアメリカが思い切り退化している。
それに、果たしてロシアは敵なのか?という大問題が出現しているのである。