お宝の価値とディズニーランド

テレビ東京の人気番組、『開運!なんでも鑑定団』は、1994年4月(平成6年)からの放送なので、もうすぐ放送開始30年にならんとする「長寿番組」である。

家庭にある「骨董品」を中心に、様々なアイテムが登場し、その価値を「金額で表現する」というわかりやすさが人気の理由にちがいない。
「高額」はさることながら、「低額」のばあいのずっこけ感がまた、視聴者の「他人の不幸は自分の幸せ」にもなっている。

なので、高額評価が続くと「そろそろ」という期待感がうまれて、いったん観だしたら最後まで、という具合につくられている。

もう20年以上前に、台湾への旅行に「はまっていた」とき、名物のマッサージ店の施術台にある個別設置のテレビで、日本の衛星放送をそのまま観ていたことがある。

台湾人のマッサージ師が日本語で、「これおもしろいね。日本にはたくさんお宝があるね」といって「毎週観ている」と笑っていた。
ちなみに、沖縄向けのNHKも視聴できるけど、だれも受信料を請求されていない。

台湾人が日本の誤った事情に詳しいのは、きっとこのせいだ。
タダほど高いものは、やっぱりない。
でも、NHKが台湾人に受信料を請求したら、いまでは日本人より金持ちになったから、あんがいと歓んで支払に応じるかもしれない。

ならば、「相互主義」として、台湾のテレビ放送も日本で、日本語字幕付きで放送すべきだろう。

マッサージ師のことにもどると、この会話だけで、このひとが「台湾人=本省人」だとわかった。
蒋介石が北京の紫禁城から持ちだした、歴代皇帝のお宝が「故宮博物院」にあるけれどぜんぜん自慢しないからである。

台北の故宮は、膨大なコレクションを少しずつ半年ごとにローテーションさせているので、全部を観賞するのに替わる度に通っても50年以上かかる。
これを、「自慢」するのは、「外省人」というわけだ。

さて、高額評価に期待して出演するひとたちのなかには、「売ってしまいたい」というひとがいる。
いろんな事情があるのだろうけど、鑑定士による「これからも家宝として大切に」という本人事情を無視した発言も多数ある。

これはこれで、「テレビ」だから気にしなくてよいのだが、「売って家族旅行をしたい」というひとがいることには、なんだか気にかかるのである。

むろん他人の所有物なので、これをいちいちいうのも変だが、どうして「旅行」になるのか?という「価値観」が気になるのである。
それだけ、鑑定対象の「モノ」へのこだわりがないのだろう。

しかし、旅行希望で高額評価だったひとが、二回目に出てきてその後を聞けば、やっぱり「家宝」として保持することにして、旅行は別におカネを出して行ってきた、というエピソードの披露もあって、なんだかホッとするのである。

さてそれで、25日の放送で最後の鑑定は、清朝最後の「文人」といわれた、呉昌碩(ごしょうせき、1844年~1927年)の掛け軸だった。

依頼人は8歳になる孫からの一言、「うちにお宝はないの?」に応じて、嫁入りからここまで、箱はあっても中身は一度も観たこともない品の存在を思い出して出品に至ったという。

どうして婚家にこれがあるのかさえも、その由来についてなにも聞いていないから、まったく不思議だ。
しかし、当時の日中関係(辛亥革命は1911年で中華民国成立は1912年)をおもえば、日本側がずいぶんと援助していたのである。

このことは、現在のわが国が置かれたアメリカの属国状況とぜんぜんちがう。
1894年(明治27年)に不平等条約が撤廃されて、第一次大戦が終わった1918年(大正7年)に、わが国は「列強入り」していた。

もちろん、第一次大戦はヨーロッパの戦争だったけど、ドイツがもっていた青島を攻略して「戦勝国」になったのが日本だった。

そんなわけで、なんらかのかたちで呉昌碩氏と日本人の交流はあったにちがいない。
すると、依頼人の「家系」おける「歴史」こそが、ミステリーで「価値」があるのである。

さてそれで、依頼人となった祖母は、いいだしっぺの孫の希望、「高額評価だったらフロリダのディズニーランドに行きたい」を叶えるための売却を口にした。

どこまでも、「孫の希望優先」の優しいおばあちゃんなのである。

しかし、この孫が成人したときに、「どうして売却したんだ?」と逆恨みされないかが、どうでもいいけど心配になった。
この子がもしも「まとも」に育ったら、世間にも自家にも歴史的価値のある掛け軸を現金化して、ディズニーランドで消費したことを恨むにちがい。

それで、驚きの評価になったら、おカネは別に出してディズニーランドに行くことにするのは、やっぱり「賢明」な判断だろう。

ところがどっこい、問題はその「ディズニーランド」なのである。

この会社の方針は、完全に党派性を帯びていて、それが急進的民主党(共産主義・全体主義)支持を隠さないことにある。
なので、映画にしても、もはや文化破壊の先陣を切っている。

もはや、ディズニーなら子供にみせても安心だ、ということにはならないばかりか、「毒」が仕込まれている。

その例が、ミュージカル『美女と野獣』における、「ポリコレ」だ。

とうとう、「美女」が、肥ったひとで、黒人女性が配役された。
ここで、わたしは「黒人差別」をしたいのではないし、「白人礼賛」をしたいのでもない。

ただ、「ポリコレ」に傾倒して、それが「革命的」といいたいのである。

この革命とは、とうぜんに「文化革命」のことである。
すると、おとなとして、いま、子供をディズニーやその「ランド」に連れていくことの「危険」をかんがえないといけないのである。

それに、2019年7月には米ディズニー本社の副社長が、子供への4件の強姦容疑で6年の有罪判決を受けたし、同年11月には、「ワールド」と「リゾーツ」それぞれで、従業員と管理者が児童ポルノに関連して逮捕されている。

さらにあろうことか、今年3月には、本社の「CEO:社長」が、「児童の人身売買」の容疑で逮捕された。
じっさいに、「ランド」内における子供の「行方不明=失踪」が問題視されていて、園内での「確保では?」という「うわさ」まであったものだ。

なんだか、危ない会社、なのだ。

だから、まったくの余計なお世話だが、優しいおばあちゃんには、毅然として孫にのぞむことで、きっと将来感謝されることだろうとおもうのである。

あくまでも余計なお世話だけど。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください