問題を発見できない

問題がいっぱいあってどこから手をつけていいのかわからない.
よくきく経営者の悩み事である.

いっぱいある,というのが本人の実感なら,いっぱいあるにちがいない.
それで,紙にランダムに書き出してもらうと,モヤモヤして三つも書くとペンがとまることがある.
どうやら,そのモヤモヤが問題なのだ.

紙とペンはそのままに,雑談をしていると「出てくる」ことがよくある.
忘れないように書き出して,さらに雑談をつづけると,何日目かでスッキリしてくる.
けっこう時間をようするが,スッキリしないことにはわからないから,なるべくスッキリするまで根気よく雑談をする.

さて,その「雑談」だが,これまでの事例をはなすことが大切だ.
どんなことが起きてこまったのか?記憶を呼び起こす作業である.
すると,だんだんとパターンがみえてくる.
それは,問題を放置したパターンのことだ.

日報がない

なんらかの書式がきまっているものもあれば,ふつうのノートに書き出すだけのこともある.
だから、「日報」といっても範囲がひろい.堅くかんがえてはいけないのだ.
現場には,かならず「日報」を用意するとよい.
人数や金額などの数字は,なるべくあったほうがいいが,「目的」によっては必要ないこともある.

経営者がほしい「日報」には,どんなことがかいてあるといいだろう?
いちど,白紙から項目だけでも書き出してみることをおすすめしたい.
数字の情報,記号の情報,文章をふくむ文字の情報,そしてビジュアル情報.
これを,だれが記入するのかをかんがえる.
担当部署はもちろんだが,担当者まできめたほうがよい.そこで,あんがいわすれがちなのは,経営者本人の記入すべきことと,確認すべきことの整理である.

宿事業や飲食事業は,基本的に「日銭商売」だから,日々の「日報」こそが,もっとも重要な一次資料になる.
そして,経営にはこれらの日報から「将来を読む」という重要な役割がある.
ただ記録するのが目的ではない.

問題発見が問題解決の第一歩

問題がわからなければ,解くことはできない.
小学校の学年があがると,算数にも「応用問題」がふえてくる.
「国語」がわからないと,解くべき問題が理解できないから,計算力のまえに国語力がとわれている.

企業のなかの業務には,おおきく二つの系統がある.「作業」と「仕事」である.
「作業」は,一見して「単純作業」というものと,「熟練作業」がある.
「単純作業」をこなして時間がたてば,だれでも「熟練」するかといえば,そうではない.
「作業」のなかにひそむ,問題発見ができて,それをみずから解決できるひとを「熟練工」といい,ひとは「職人」とよぶ.

「仕事」とは,「問題解決」のことをいうから,「熟練工・職人」の作業の結果を「仕事」という.単純作業のばあいは,たんに「作業結果」といって区別する.
「いい『仕事』してますねぇ」の「仕事」は,以上のことを指す名言である.

「作業」しかしていないのに,それを「仕事」だとかんちがいしてはならない.
たとえば,つかう道具がたとえ最新の高速処理ができるパソコンというものであっても,紙にあるデータを入力するとか,表計算のシートを作成する,というのは「問題解決」をしていないから「作業」である.その作業に,「熟練の技」もなければ,ひとは「単純作業」とよぶだろう.

だから、正規雇用だろうが非正規雇用だろうが,業務が「問題解決」であれば,「仕事」をしていることになり,その解決方法を独自にみつけるひとを「プロフェッショナル」という.
過去に話題になった「すごいひと」は,みなこの部類である.
かつての山形新幹線で,社内販売のカリスマと称された斉藤泉さんは,パートタイマーだったことが印象的だ.

いかにして,カリスマになったのか?
それは,問題を整理して理解し,仮説をたて実行する,という意識と行動のたまものである.
だれにでもできることではないが,本人にすれば,だれにでもできることなのだろう.

こういうひとを,いかにふやすのか?
それが,経営手腕である.

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