新バージニア州知事の逆転

昨年の州知事選挙で、「大どんでん返し」をやって話題になってから、その後の動静がぜんぜん報道されなかったのは、大手(左翼)マスコミから、無視されていたからかもしれない。
アメリカのマスコミが伝えないものを、日本のマスコミが伝えるわけもないので、「沈黙の勝者」とも言われていた。

15日(日本時間で16日)、「そのとき」がやってきて、就任式が執り行われ、その直後に「知事行政命令:9本」と「行政指令:2本」の、一気に11本も署名して即刻発令した。

なんだかバイデン氏が、就任式の後に50もの「大統領令」に署名して、トランプ氏の政策をひっくり返したのに似ている。
ちなみに、日本人のイメージでは、知事行政命令は大統領令に比べて「格下」に見えるけど、州民にとっては「おなじ」なのが「合衆国」だ。

それに、ヨンキン氏の経歴も、「ビジネスマン」だったトランプ氏と同類とされて、トランプ氏は不動産オーナーで、ヨンキン氏は世界最大規模の投資ファンドの社長だった。
もちろん、人生初の立候補でそのまま初当選したのも似ている。

そんなわけで、日本のマスコミだったら「行政手腕が問われる」とかなんとか書くのだろうけれど、ほんとうはそんなものはどうでもいい。
組織の「マネジメント」ができれば十分なのである。

しかして、わが国には「マネジメント」ができる、企業経営者も政治家もいないから嘆かわしいことになったのである。
これは、「マネジメント教育」がないためで、おおくの場合が、行政の役人にマネジメント「されてしまう」からである。

さてそれで、ヨンキン氏が「奇跡的」な勝利をおさめた理由は、「争点」が「教育」だったから、といわれている。
それは、「州内」で起きた「事件」が、選挙途中で争点になり、ふだんから左翼的な志向の有権者が、自分の子供をイメージしたとたんに「保守回帰」したからだ。

この事件とは、公立高校の校内トイレで、女子生徒がふだんからスカートを着用している「自称女子」に性的暴行を受けたことをいう。
さらに、学校側の説明会に出席した被害者の父親が、学校の責任を追及したら、待機していた警官に逮捕され、そのまま2週間も「拘束」されてしまったのである。

挙げ句に、その間に、加害者の生徒は秘密裏に州内の他校に転校となってしまったが、なんと転校先でも「おなじ手口」で事件を起こしてしまったことを、こんどは転校先の学校が「隠蔽」していたのがバレたのである。

選挙序盤では圧倒的な強さを示したのは、元職の民主党候補だったけれども、民主党が、親に子供の教育に関与する権利はない、と公式に主張していることに「賛同」の意思表明をしてから、様子が変わったのである。

対するヨンキン氏と共和党は、親に子供の教育に関与する権利があるのは当然としているし、学校教育において、政治的な「差別的人種論」の禁止を求めている。
当然だが、民主党候補は「継続・強化」を訴えた。

「差別的人種論」とは、アメリカ建国の歴史に遡って、白人による黒人支配の「原罪」を問うもので、未来永劫、白人は黒人に「謝罪」し黒人が優位な社会にしなければならないと「教育する」ことをいう。
国民の人種的「分断」を図る、共産主義の典型的手法だ。

これらのことが、長年民主党が支配してきたバージニア州を共和党に転換させる原動力になったのである。

実際に、アメリカでは州や郡レベルでの「公職」の多くが、「選挙」で選ばれる仕組みになっている。
それに、ふつうの「国家」にあたる「州」は、州知事だけでなく副知事や州司法長官、州務長官なども選挙で選ばれる。

バージニア州での「どんでん返し」は、これら重要ポストの選挙も全部が共和党の勝利になったことだ。

知事行政命令が発令されたこともしかりだが、司法長官も就任後すぐさま、知事と「連携」して、上述の「事件」についての「再調査」を行う旨を宣言した。
これには、州仮釈放委員会の調査も含まれる。

州法では、被害者への報告なくして加害者の免罪措置をしてはならない、という規定があるけど、これが護られていないことの「調査」だ。
知事は、教育委員会についても、別途専門スタッフを就任させて、事件への対処だけでなく「根本的」な改善を図るとしている。

それが、子供にマスクを着けさせるかどうかは「親が決める権利」だということで、これまでの「学校の権利」を取り消した。
州経済についても「正常化」をとなえており、ロックダウンなどの措置はとらない、とした。

「州」に国家レベルの権限があるのは、「善政競争」という概念があるからで、どこに住まうも移動するも「自由」ということと相まって、悪政の州からの住民移動を「よし」としている。

それが効果で、2020年の国勢調査によると、カリフォルニア州やニューヨーク州の人口が30万人以上も減って、テキサスやアリゾナ、フロリダ州が増加したのは、国内「難民」が民主党の州から共和党の州へと「退避」して居住地を変えたからであると分析されている。

連邦下院の議席数は国勢調査に従う「人口割り」の規定になっているので、カリフォルニアとニューヨークの議席が減って、テキサスなどの議席数が増えることにもなる。

選挙公約を就任当日に一気に果たしたのは、当選後の2ヶ月間でつくった「州知事内閣」が機能して、すっかり準備を整えていたことを示している。
これが、「ビジネス」における「マネジメント力」の有無による「ちがい」なのである。

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