求人倍率

今月1日,今年10月の有効求人倍率が厚労省から発表された.それによると,過去最高だった1974年1月以来43年9ヶ月ぶりの高水準だという.また,正社員の有効求人倍率も,過去最高の1973年11月と並んだという.

1973年(昭和48年)11月とは,感慨深い.第四次中東戦争勃発による,石油ショックの月だし,翌,74年1月になって,だんだんと物価に反映されはじめるからだ.求人のピークがここにあるのもうなずける.

つまり,いま,日本経済は,有効求人倍率でいえば「石油ショック時点」にいる.
当時は,これからはじまる「狂乱物価」にゆれ,街の顔を一新した「スーパーマーケット」から,トイレットペーパーが消えた.企業の倒産があいつぎ,銀座のネオンも消灯され,まさにそれは永久不滅におもわれた「高度成長」を停止させたとだれもが信じた事件だった.

いまはちがう.政府の「経済統計」によれば,アベノミクス効果で景気拡大がひろがっているとはいうが,高度成長期のような実感はほとんどない.むしろ,静かな不安がひろがっている.
都内港区にしぼれば,求人倍率は8倍という数字になっている.あきらかに,職をさがすひとがすくないから,時給で100円や200円ふやしても,応募がないだろう.
つまり,抜本的な対策をたてるしか,ひとの採用ができない状況だ.「抜本的」とは,給与体系の設計からやりなおせば,販売力とのバランスがとれなくなるという意味だ.会社の屋台骨があやうくなっている.

ホテルラッシュは大丈夫か?

「オリンピック」でひとが来る,というのは間違いかも知れない.しかし,都内はホテルの建設があいついでいる.前回とちがうのは,大型案件よりも小ぶりのホテルになっていることだ.ホテル・オークラだけが目立つ大型案件で,あとはビジネスホテルが主体だ.

サービス要員として,ビジネスホテルはフルサービスの高級ホテルよりすくなくすむから,求人で心配ない,とはいえない.ホテルがホテルとして営業するには,清掃要員が絶体にひつようだ.また,シーツやタオルなどの,いわゆるリネン・サプライが,じつはかなり危機的状況にある.配送要員が足らないのである.

「民泊」は成り立つか?

法整備において鳴り物入りだった「民泊」だが,ネットでの予約販売ばかりが話題になって,事業としてのなりわいが曖昧だ.年間180日という営業日規制の実行がどうなるかもあるが,23区内であれば,区ごとに「条例」で規制ができた.事業者は,当然にこれら規制に対応しなければならないが,利用客からは,区がちがうことによるサービスのちがいを理解できるだろうか?たとえば,ゴミ出しのルールである.

これに,清掃とリネン類の交換作業がホテル・旅館同様にくわわるから,どうしても部屋がある程度集中してないと,手間にたいして採算にあわないだろう.であれば,「民泊」ではなくて「旅館」として営業した方が合理的にならないか?

ムダな人員が資産になる

世の中は人手不足なのだが,人手がある企業もある.メガ・バンクが発表した人員整理は,その一例だ.これらのひとびとを,古い手法で手放すのはもったいなくないか?

銀行のもつ情報を利用して,社会的なニーズに合致した事業目的の起業をしてもらうことで,関係者全員がハッピーになる方法を模索すべきである.そうした起業にたいする融資こそ,銀行の社会的本業であろう.なにも,自行の元行員にたいするお手盛り融資をしろといいたいのではない.すると,かならずあとにつづく地銀などでも,同様の地元ニーズへの起業があっていい.

優良な貸出先がないというなら,自行の行員をもって優良な事業をつくれといいたいのだ.

このご時世に,もし,ひとがいる,という企業があれば,これまでにない挑戦ができるだろう.

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