PCを使えないのは悪なのか?

財界歴代トップや国家の大臣が,PCを使えないときびしい批判にさらされている.
「それがどうした?」
とわたしはおもうのだが,読者諸氏にはいかがだろうか?

問題は,組織のトップがトップとしての役割を果たしているか?のほうがはるかに重い.
PCをつかいこなして,すばらしい表計算ソフトの使い手であっても,トップとして判断ができなければ何もしないこととおなじである.
電子メールもしかりだ.

しかも,電子メールであろうが電話であろうが,一歩まちがえば情報漏洩の危険にさらされているのは周知のとおりで,ましてやこれらの情報を積極的に盗もうとする集団が存在するのだから,重要な組織の重要な情報ほど,電子メールや電話の使用は危険である.
ドイツでは,ずいぶんまえにもっとも安全なのは「郵便」であるということになったこともある.

東西冷戦まっさかりのかつて,電子メールなぞおもいもよらない時代の郵便は,危険にさらされていて,デニム製の袋に封緘までする外交文書を運ぶことすら,中身の情報の安全は危うかった.
これらの原始的な方法が,その筋の「職人」の減少と退化から,現代ではかえって安全性がたかまっている.

ところで,その組織の存在理由が現実と合致しなければ,廃止するなりの方向の批判のほうが,よほど役に立つ.
役人は組織の改編まではやるが,失業をともなう廃止は絶対にしない.
そういう意味で,公務員にもスト権をみとめて,そのかわり民間と同様に「会社都合」でも解雇できるようにしたほうがよい.

安易なストライキは,住民からの強い反発をえるだろうし,それで住民が役所へのAI導入を希望するようになれば,世の中はすこしでも変わることだろう.
それに,人口減少下での公務員数の増加は,ありえないので,住民ひとりあたりの公務員数のランキングが今後話題になるはずだ.

役人はむかしからずる賢くて,姑息なことしかかんがえないという特性をもっている.
たとえば,「指定管理者」という制度がある.
いまでは,おおくの公共施設の運営が,これら「民間」の業者が請け負っている.
たとえば,公民館や図書館,体育館などの施設である.

しかし,よくかんがえると,こうした施設は以前,ぜんぶ公務員が働いていた.
それで,前述のように,公務員は解雇されない身分だから,指定管理者によって職場を追われたかつての職員である公務員たちは,どこにいったのか?という問題がある.

ここに,みごとな「パーキンソンの法則」が機能しているとかんたんに予想できる.
このことは、ちょうど一年前に書いたことだ.

あいかわらず,わが国で「パーキンソンの法則」はマイナーな知識だが,社会的常識になっている欧米では,かならず人びとのチェックがはいる項目になっている.

「役人の数は,仕事の量とは関係なくふえる」

しかし,欧米人の発想は,主語に対してもっと厳しい.
「役人の数」を,「企業内」に読み替えることも常識になっているのだ.
つまり,民間であれ企業内の事務官僚の数は,仕事の量とは関係なくふえる,という性質があるから,管理職(マネジャー)としての心得で,そうはさせない努力を経営者から要求されているし,管理職本人の意識も,パーキンソンの法則のようなバカげたことになれば,経費だけがふえて自分たちの給料の原資が減ってしまうと認識している.

それで,わたしも,外資系企業に入社したら,上司からパーキンソンの法則についてのレクチャーを受けて,社内でその傾向を見つけたら,積極的な注意喚起を遠慮なく発するように,と教育された.
もし,自分をふくめた上司が,その注意喚起を無視するようなことがあったら,すぐにコンプライアンス室に訴えてよい,との説明だった.

新卒採用がない会社だったから,日本的中途入社の新入社員しかいないのだが,新たなメンバーには以上の説明をかならずせよ,というのがマニュアル化されていた.
これは,日本企業とあきらかにスタンスがちがう.
「ハラスメント」が中心になっているのが日本企業だが,外資企業がもっとも警戒して自戒の対象にしているのが「パーキンソンの法則」なのである.

そういう目線でみれば,一見,PCなくして仕事が成立しない,という常識もおかしなものだとわかる.

国民から選出された議員が,国民を支配しようとする役人に睨みをきかせ,国民のためになる施策を指示する役割をもっているのにもかかわらず,なにを勘違いしたか,役人と一緒になって国民を縛る役割に権威者のよろこびすら感じているように見えるのは,あきらかに「裏切り行為」なのだが,それが「伝統」になっているのがわが国である.

ちゃんとした視点での批判を,報道機関という公益をになうひとたちに期待したいが,このひとたちがおそろしく「幼稚」だから,おかしな論点ばかりが目にはいる.
彼らは「記事」が商売ネタだから,その記事を買わないという拒否権発動こそが,意志表示になるはずだ.

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